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    hisoku

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    POIPOI 56

    hisoku

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    日常会話みたいな話です
    掌篇、杉語り
    それも愛かと

    #杉尾
    sugio
    #現パロ
    parodyingTheReality

    ミネラルウォーター 春を前に最後に二人で鍋でもするか、と行きつけのスーパーにやって来て、さっきまで傍にいたのに姿が消えたと探していた尾形がふらり戻ってくるなり、淡い水色のキャップに山の絵と赤い字で商品名のかかれた白いラベルの巻いてあるミネラルウォーターの入ったペットボトルを、これも一緒に、とカゴの中に入れてきたのを見て、前々から思っていたことを訊ねることにした。

    またこれか。なぁ、お前って、その水好きなの?

    好んでいるのか、という意味なら違うが。

    でもいっつもそれ買うし、切らさないように冷蔵庫に常備しているだろ? なんで? 寝る前に、どんなにふらふらになっていても必ず飲むし。

     さらに訊かれた尾形が一息おいてから俺を見て不敵に微笑むと、芝居臭く首を傾げ前髪も掻き上げながら口を開く。

    硬水はお通じに良いから。

    お通じ?

    これでも気を遣っているんだが。さて、杉元には何故俺がそこに気を遣っているか解るかな。

    あ、うん、解った気がします。

    毎度毎度ふらふらにさせられて、早く寝たいのに台所までこれ取りにいくの、結構大変なんだよな。でも飲まなきゃなんだよな。

    こ、今度から俺が取ってきて渡すから。

    今夜から、そうしてくれると助かるな。

    解ったって。

     尾形がなおも悪い顔をして笑う。俺は恥ずかしいやら気まずいやらでどう会話を続けていいか解らず、ゆっくりとその顔から目を逸らす。

    もう少し俺に優しくしてね、ダーリン。

     ここぞとばかりに尾形がふざけて耳元でそうも囁き、続けて外耳孔に向かってにふうっと細く息を吹き掛けてきて、ちょっ、やん、と情けない声を出してしまった。
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    hisoku

    DOODLE過去作
    湯沸室で杉と尾がお茶を飲む話です
    前世記憶あり現パロ
    尾語り
    湯沸室 喫煙をする習慣はないので、就業中の休憩といえば緑茶だ。あるいは珈琲。それと少しの甘いものかしょっぱいものを一口頬張るのが日課で、デスクワークに根が詰まり、肩も凝りそうだったので仕事の効率が落ちる前に気分を変えようとひとり湯沸室に向かった。買い置きのドリップコーヒーを淹れるために湯を沸かそうと薬缶のことを思い、買い置きのミネラルウォーターはまだ残っていたっけと思い起こしながら廊下を行く。
     スタッフルームのあるフロアの一角、廊下奥の角の階段と廊下を挟んだ少し離れた斜向かいにトイレが、その対角線上の奥まった場所にひっそり湯沸室はあった。そこは小会議室の並びでコの字に壁と壁と窓に挟まれた造りになっていて、二畳半程の広さがあり、冷蔵庫と棚、その棚の上に電子レンジ、隣に小さな流し台があった。流し台にはガス台が二口と壁にガス給湯器が備えつけてある。どうってことはない必要最低限が備え付けられている極普通の湯沸室だが、流し台が木目調の引き出しのついた懐かしい感じのする流し台で、ばあちゃん家の台所を彷彿とさせて、そこを緑茶を飲みながら眺めているだけでも癒しを覚えた。面積の狭さも落ち着く。
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