その視線は誰のモノ? 「まただよ」
五条は高専の廊下で立ち止まりガラス窓越しに外を見ながら苦々しく呟いた。
アイマスクを通しての視線の先には現在絶賛交際中の伊地知潔高が自前のスマホを見ている姿
最近五条がよく見かけるようになった姿だ。
以前は気にもならなかった。それがいつからだったか、高専でその姿を見つけたと思うとスマホを見ているという恰好がやたらと目につくようになった。
画面を見ている時はどことなく機嫌がよさそうに見えたので五条は純粋に気になって
「最近スマホよく見てるけど何見てんの?」
何気なく聞けば伊地知はびくりと肩を震わした後「そ、そうですかね?前と変わらないと思いますよ」
どことなくはぐらかされたような気分がしたが、その時はそこまで気にはしていなかった。
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