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    過去にpixivに投稿したものです!

    徹夜続きで寮に帰ろうとしない茨をつむぎが連れて帰ろうとする話です!

    #あんさん腐るスターズ
    ansanRottenStars
    #茨つむ
    #七種茨
    #青葉つむぎ
    bluishYellowPongee

    優しくしないで.「…七種くん、まだいますか?」

    急なノック音と扉越しに聞こえた声に驚いてしまった。時刻は日付を超える少し前。キーボードを叩いていた手を止め扉を開くと、何故かつむぎ陛下がいた。

    「これはこれは、つむぎ陛下!自分に何か用ですか?」

    見るからに鞄を肩に掛けているからこれから寮に帰るところだろうか。こちらからニューディに伺う事はあるものの、つむぎ陛下がこちらに伺ってくるのはまだ数えられる程の回数しかない。寮に帰る前に何か大事な伝達にでも来たのだろう。

    「お疲れ様です七種くん。俺これから寮に帰るんですけど、七種くんも一緒に帰りませんか?」

    意外な言葉に驚いてしまい、何度か瞬きをする。今まで寮に一緒に帰るなんて誘われたこともないしそこまで仲は深くないはずだ。関わるとしても同じ副所長の立場としてくらいなのに。

    「陛下からお誘いして頂けるなんて大変嬉しいのですが、生憎まだやるべき仕事が残っていましてね!なので、」

    「七種くん」

    言葉を遮るように名前を呼ばれたと思えば、陛下の手が伸びてきて指で目の下を優しく撫でられる。

    「陛下...?」

    「何日寝てないんですか?」

    「はい...?」

    「昨日打ち合わせで会った時より隈酷くなってますよ。日和くんに聞いたらここ3日寮に帰ってないみたいですし。今日は切り上げて休みましょう?」

    陛下の言う通り一昨日から寮に帰っていないし睡眠なんてとっていない。3徹するのは別に今に始まったことではないし、周りも知っているはずだ。3日寝なくても仕事は出来る。それくらいつむぎ陛下だって同じ副所長の立場なのだから理解しているはずだ。でも、日和殿下から寮で休ませるように頼まれたのだろうか。

    「自分こう見えて自己管理はしっかりしていますしこれから少し仮眠をとるつもりですので!わざわざ御足労させてしまいすみません!では自分はこれで!」

    これくらい言えば引き下がって1人で帰ってくれるだろう。仕事の続きをしよう。背を向けて席に戻ろうとすると、腕を掴まれて引き寄せられる。3徹目の体は重心を保つ事もできず足が思う通りに動かない。それに急に引き寄せられたため軽く目眩がする。そのまま陛下にもたれかかってしまい、抱きとめられるような状態になった。

    「わっ、急に引き寄せちゃってすみません。大丈夫ですか?」

    「ぁ…っ…すみません陛下…ま、まだ何か?」

    「…七種くんが副所長の立場で休む間も無いくらいいつも大変なのは分かりますよ、一応俺も同じ立場ですし。でも、こんなに酷い顔してフラフラしているのにこのまま仕事を続けるのは体に良くないです」

    真っ直ぐと目を見つめられる。何でこの人はこんなにも自分のことを心配してくれるのだろうか。まだ慣れない優しさがむず痒い。気遣われる資格なんて俺には無いのに。

    「…はは、…お気遣いありがとうございます!いや〜!やはり夢ノ咲出身の方々は信念深いですな!自分本当に大丈夫ですので!」

    陛下から離れようとするが、後ろに下がろうとしてもビクともしない。気付かぬうちに腰をがっちりと両手でホールドされてしまったらしい。陛下には失礼だが、あまり力が無さそうに見えるのにこんなに力があるなんて意外すぎる。それと、よく思えば猛烈に距離が近い。このまま目を合わせているのはさすがに恥ずかしく感じ目線を逸らす。

    「…どういうおつもりですか?」

    「七種くんが帰るって言ってくれるまで離しません」

    「え、いや、陛下…さすがにこの距離はなんと言いますか…近すぎるので一旦離れてもらえません…?自分こういうの耐えかねないと言いますか…」

    「じゃあ離れたいなら帰るって言ってください。一応これが最終手段ですし離したら七種くん逃げそうなので」

    「ま、まず陛下がここまでする意味無いでしょう…?自分なんかのために…」

    「…七種くん」

    先程のように名前を呼ばれ、つむぎ陛下に目線を向けると同時に優しく頬を撫でられる。あまり経験したことの無い行為だからなのか、距離の近さなのか分からないが、顔と体がバッと熱くなる。

    「っぁ…まっ、て…」

    「俺が七種くんのことどうでも良かったらわざわざ一緒に帰ろうだなんて誘いに来ませんよ?」

    「え…?日和殿下から頼まれたんじゃ…」

    「日和くんからは様子を見に行ってほしいとはお願いされましたよ。けど、寮に連れて帰りたい、一緒に帰りたいっていうのは俺の意思ですよ。だから、」

    「っ……ないで、ください…」

    「七種くん?」

    「自分なんかに…優しくしないでくださいっ…」

    睡眠をとっていないから情緒が不安定になってしまったのだろう。つむぎ陛下の言葉に涙腺が緩んで涙が溢れてくる。自分で涙を拭おうとする前に陛下が涙で濡れた眼鏡取って目元を指で拭ってくれた。溢れてくる涙はなかなか止まってくれない。

    「俺がそうしたいだけですよ。同じユニットではないし友達とかでもなくて副所長で同じ立場ってだけですけど、七種くんがボロボロになってるの見過ごしたくないです」

    そう言われ、頭を撫でられて優しく微笑まれる。本当にこの人には敵わないな。

    「一緒に帰りますっ…」

    「ふふ、はい。その前に目冷やしてから事務所を出ましょうか。寮で誰かと会ったら俺のせいで泣かせたことになりかねないし…」

    「いや、普通につむぎ陛下のせいなんですけど…」

    「えぇ!俺のせいですか!?」
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    ____pomepome

    PAST去年の真ん中バースデーに書いたジュン茨です♪
    友だち.ジュンから定期的に相談をされる。仕事面は勿論、些細な悩みにも相談に乗っている。彼から相談をされる事に対しては迷惑だと思っていないし、頼られているのはむしろ嬉しい。最近は二人で外に出掛ける機会も増えた。その影響もあり、ユニットの仲間として距離も縮まった気がする。

    『オレら友だちみたいですねぇ』

    彼からたまに言われるその言葉には共感もしていないし否定もしていない。正直友人の定義が分からない。似た者同士で、本音を語り合えて、長い時間一緒にいても疲れない。俺とジュンは似た者同士だとは思わない。あんなに輝いて必死に上にしがみついて愛想のあるあいつと俺は釣り合わないし、全く似た者同士ではない。それにジュンは本音を語ってくれるが、俺はあいつに対してあまり本音を語らない。素が出ているとたまに指摘されてしまうことはあるが。長い時間一緒にいても疲れない。確かにあいつと一緒にいる事を不快には感じていないし、一緒にいるのは楽だ。それなら俺たちは友人なのだろうか。友人みたいだとは言われたが、あいつが俺を友人だと思っているかは分からない。聞く機会なんて無いだろう。
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    PROGRESS11/23に開催されるレオいずプチオンリー『ライオンキャット6』で発行予定の本の先行サンプルです。お祭りなのでチェクメ関係するとこで書けてるとこぜんぶ載せちゃう。
    【11/23ライキャ新刊先行サンプル】もしものきみと恋をする(仮)【注意】
     ※原作を読んでいることを前提として話が進みます。
     ※しかし、お話の都合上、原作改変を多分に含みます(本で最終的に理由がわかります。ある程度察しのいいかたならここだけでわかると思う)
     ※原作で想定される程度の暴力描写を含みます。
     ※原作で描かれていない部分を妄想にて補完しています。解釈を多々含みます。

     あと、書きっぱなしで見直ししてないので、かなり粗が目立ちます。



    ーーー以下本文ーーー


    プロローグ

     慌ただしく行き交う人波を掻き分けるように、申し訳程度のイルミネーションに彩られた繁華街を突っ切っていく。コートとマフラーで武装している俺を嘲笑うかのように、吹きつける北風は容赦なく全身から体温を奪っていった。どこに設置されているのか知らないが、野外スピーカーは聞き慣れた〝Trickstar〟の歌声をそこかしこにばら撒いていて、まったく落ち着きがない。SSがすぐそこまで迫っていることも、無関係ではないのだろう。リリースされてしばらく、ゆうくんの歌声を聞きたくて飽きるほど再生を繰り返したラブソングはすっかり覚えてしまっていたけれど、今は一刻も早くそれから逃れたかった。
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    DONE「ランサーのクー・フーリンが女性だったら」妄想、第5話。
    ※FGO第1部のみの情報で書いていたので、設定ズレなどはご容赦ください。

    【あらすじ】
    オルタの自分と決定的に仲が悪くなったランサー。ギスギスした2人に、マスターやキャスターは頭を痛めていた。
    ある日、ランサーたちは素材集めのレイシフトに出ることになる。
    雪山で順調にエネミーを倒していくが、突如、巨大なスプリガンが襲ってきた!
    ミラーリング #5(カルデア編) 初めて会ったときのおまえは、小さな小さな子犬だった。
     だが、子犬はあっという間に俺が望んだ全てを手に入れた。
     そんな子犬が、俺は憎くて憎くて仕方なかった。
     だが、嗚呼、そんな俺の心の内も知らず、おまえはなんと無邪気に笑いかけてきたことだろう。
     その小さな体が抱えるものの大きさを知り、どれほど心傷んだことだろう。
     二人で競い、技を磨き合う一瞬が、どれほど楽しかったことだろう。
     あんなに懐かしく輝く日々が、今はなんと遠いことだろう!
     空はこんなにも晴れているのに、俺の顔には雨が止まない。
     さあ、そんなに泣かないでくれ。
     愛しい愛しい、俺の妹。

    ✳︎✳︎✳︎

     種火を与えられて強くなったランサーは、髪の毛をバッサリと切ってしまった。
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