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    selaselax

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    【よだつか】リペア・3の続きの書きかけ

    肋骨にヒビ入ってる☀️が🦅に捕まる話
    https://www.pixiv.net/novel/series/14228401

    #よだつか
    YodaTsuka

    【よだつか】リペア・3の続きの書きかけ 全日本ノービスの大会当日まで、あと九日。
     いのりさんのジャンプは少しは良くなったものの相変わらず不調で、どうしてもダブル以上のルッツジャンプが跳べずにいた。
     さすがに夜鷹さんには相談できなくて、魚淵先生にいのりさんの動画を送って相談していたところ、急遽翌朝の新潟のリンクでなら見てあげられる、と連絡が入った。
     新潟だろうとどこだろうと、いのりさんのジャンプを改善するためなら、行くしかない。
     魚淵先生から着信があったのは、クラブレッスン中のことだった。俺はすぐにいのりさんのお母さんに連絡を入れて、新潟まで連れて行けるか確認を取った。新潟には朝の六時半頃までには到着する必要がある。今の時間からでは新幹線では間に合わないから、車で行くしかない。
     しかし、急な話だったからいのりさんのお父さんは出張中でお母さんも抜けられない業務があり、瞳さんもアイスダンスの選手の強化練習があって手が空いていない。新潟まで約五百キロ。そんな遠方まで運転したことはないが、俺が連れて行く他なかった。
     いのりさん宅の車は保険の問題があって俺は運転できないから、本当に申し訳ないけれど加護さんの車を借りることにした。加護さんが普段乗ってる車を借りようとしたら『あれじゃシート倒して休憩もできないし、長距離高速走るのは辛いよ』と言われて、社用車のワンボックスカーを貸してくれることになった。一応俺も運転したことがある車だ。
     いのりさんは準備があるから、お母さんに迎えに来てもらって先に帰らせる。
     あとは、俺が加護さんの会社のガレージに行って車を借りて、いのりさんの家に迎えに行って、新潟行きだ。
     今日も夜鷹さんに迎えに来てもらうことになっていたから、今夜は帰れなくなった、と連絡しないと。
     俺は初めて、夜鷹さんの番号に電話を掛けた。夜鷹さんはワンコールで電話に出てくれる。
    『どうしたの』
     電話越しだと淡々と聞こえる声だけど、夜鷹さんの声を聞くと安心する。
    「あの、いのりさんのジャンプを、ジャンプの先生に見てもらうために、明日朝までに新潟に行くことになって……、加護さんの社用車を借りて行くので、今夜は帰れなくなりました。なので、お迎えは大丈夫です」
    『……誰と行くの』
    「ええと、俺といのりさんの二人ですね。いのりさんのご両親と瞳先生は都合が付かなくて」
     はぁ、と電話越しにため息が聞こえた。
    『僕も行くよ』
    「えっ、そんな、かなり遠いし夜中の運転になるので……」
    『未成年の女子と長時間二人で移動? ……運転も二人で交代しながら行った方がいい』
    「う……っ、それは、確かにそうなんですが」
     俺は男で、いのりさんは十二歳だから、二人きりで長時間遠方に出かける、という状況は良くない。それは俺も十分わかっていたし、大切なお子さんを預かってひとりで長距離運転する、というのにもすごく不安はあった。
    『ねぇ、司。……僕を頼って』
     夜鷹さんにそんな風に言われたら、胸がぎゅっとなって泣きそうになってしまう。不安なことだらけで、俺も、頼れる人がいれば頼りたかったから。
    「丸一日がかりになりそうなんですが……お願い、します」
    『うん。僕の車も一応リアシートがあるから、僕の車でもいいよ』
    「それは……すごく、高速向きだとは思うんですが、……俺があの車を運転するのは、無理です……!」
     こういう車っていくらくらいするんだろう、って興味本位で調べてみたらすごい値段で、俺が十年働いても買えないような代物だった。あんなの、緊張しすぎて運転できる気がしない。
    『そうだね、保険の問題もあるか……。じゃあ、これから僕が社用車を取りに行って、司をスケートリンクに迎えに行くよ』
     そうしてもらえるのは物凄く助かる。俺がスケートリンクを出て電車を乗り継いで駅から歩くだけでも結構かかる場所だ。
    「はい、加護さんには連絡してあるので、会社のガレージの場所を送りますね。出る時に連絡してください、外で待っておくので」
    『わかった。何か必要なものは』
    「あ……っ、俺の着替えを、お願いします」
    『うん』
     俺は電話を切ると、夜鷹さんにガレージの場所を送り、加護さんには夜鷹さんが車を取りに行く、と電話で連絡を入れた。
    『夜鷹さんが一緒に行ってくれるのか、さすがだなぁ。良かったね、司くん』
     加護さんも俺が新潟までひとりで運転すると言ったら『大丈夫?』って心配していたから、喜んでくれた。
    「はい」
    『甘えさせてくれるんなら、思い切り頼って甘えたらいいよ。司くんて自分から甘えるの、苦手そうだから』
    「迷惑じゃ……ないですかね」
    『あっはっは、夜鷹さんなら、司くんに頼られるの、喜ぶと思うよ。男ってそんなものだから』
     確かにさっきも『僕を頼って』と言ってくれた。頼れる人なのは数日一緒に暮らして、よくわかっている。
    「そうして、みます。加護さんにも、頼ってますよ。社用車、貸していただいてありがとうございます」
    『うん。気を付けて行ってきて。急いで返さなくても大丈夫だから、せっかく新潟まで行くんなら、ゆっくりしてきなよ』
    「はい。お土産、買ってきますね」
     電話を切って、俺も出るための準備をする。
     さっきまで不安しかなかったけれど、今は少しだけ、わくわくしていた。
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