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    syako_kmt

    むざこく30本ノック用です。
    成人向けが多いと思うので、20歳未満の方はご遠慮下さい。

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    むざこく30本ノック③
    延長戦
    俊國様に叱られる猗窩座が羨ましい黒死牟

    #むざこく30本ノック
    random30Knocks
    #むざこく
    unscrupulousCountry

    俊國様に叱られる猗窩座が羨ましい黒死牟 日の出が数時間後に迫った頃、無惨が猗窩座に下弦の鬼の援軍に行くよう命じた。
     そのことは黒死牟の脳にも届いており、柱を含めた鬼狩り数名など上弦の鬼なれば楽勝だろうと黒死牟は特段気にせず、業務連絡として聞き流していた。
     実際、炎柱を葬り、日没後に無惨の元に報告に行くのだが、柱一人を殺したくらいで浮かれるなと無惨に叱責される結果となった。
    「猗窩座、猗窩座」
     低く静かな声からは確かな怒りが滲み出ている。その迫力たるや、視界を猗窩座と共有し、その場にはいない黒死牟ですら全身が震えるほどの凄みであった。
     指一本触れることなく猗窩座の体に衝撃を与える無惨の恐ろしさ、そして必死に姿勢を保ち、込み上げる血を吐きながらも無言で耐えた猗窩座も見事である。その場を立ち去った後、黒死牟は敢えて猗窩座に声は掛けず、そっと視界を閉じた。
     猗窩座は武人である。
     下手な励ましや、これ以上の叱責は彼にとって何の糧にもならない、自分で乗り越えるしかないだろうと黒死牟は無惨に次ぐ鬼の立場として考えた。
     だが、それ以上に思っていたことがあったのだ。

     羨ましい……。

     羨まし過ぎるだろ。普段、黒死牟は下の者たちの視界を覗き見る真似はしないが、無惨からお呼び出しが掛かった者に対しては嫉妬心から、つい見てしまうのだ。
     ならば、今日の無惨はどうだ、子供姿ではないか!!
     なんと利発そうで美しい子供か。赤い瞳を青みがかった漆黒の瞳で隠し、上品な洋装を纏った姿は、まるでお人形のようであった。
     その子供が粛々と猗窩座を叱る姿……ご褒美以外、何と呼べば良いのか、あぁ、猗窩座が羨ましすぎる。自分だったら、柱や鬼狩りなど一瞬で始末出来るので叱られることがないから、あんな風に無惨に叱ってもらえるのが、まず羨ましいのに、その上、あの姿の無惨に叱ってもらえるなんて、猗窩座、ずるい! とさりげなく猗窩座を侮辱しながら、じっと目を閉じて子供姿の無惨を思い返した。
     勿論、その感想は無惨の脳裏にも届いている。案外、可愛いところがあるな、と思いつつ、本を読むふりをしながら黒死牟の感想を静かに聞いていた。
     子供特有の丸みを帯びた顔に大きな目、しかし、知性を感じさせる涼しげな眉と口許が品の良さを物語っている。白い絹の胴衣と綿の洋風の袴、その着こなしは、まるで生まれた時から洋装で育ったかのように自然である。
     そんな落ち着いた佇まいでありながら時折見せる表情はどこか愛らしく、本当の子供のように感じさせる。そんな無惨の子供姿で怒られる猗窩座が羨ましくて堪らないのだ。
     琵琶の音が響く。すると黒死牟の目の前に子供姿の無惨が現れた。
    「久しいな、黒死牟」
    「はっ……」
     姿勢を正し、深々と頭を下げる。間近で見ると、本当にその子供が無惨か疑ってしまうほどの精度である。芸妓姿も見たことがあるが、あれほどの擬態、下弦の鬼では解らないだろう。しかし、黒死牟は長い付き合いからか、それとも隅々まで知り尽くした仲のせいか、無惨がどれだけ姿を変えようとも、その気配だけは感じ取ることが出来るのだ。
     何故と問われると明確に言語として答えることはできない。こればかりは褥を共にした間柄特有の距離感とでも言うべきだろうか。
    「随分と脳内が喧しいようだが、どうした」
    「いえ……」
     子供の姿に問い詰められている興奮で震えそうになる。現代のオタク用語で言えば「推しに認知された」レベルの感動である。
     そんな黒死牟の感動は無惨の脳には駄々洩れなのだが、敢えて黒死牟の口から聞きたい無惨は指先を弾いて、黒死牟の体に軽い衝撃を与えた。
    「答えよ」
    「申し訳ございません……苟も、その御姿に見惚れておりました……」
     無惨に逆らえず素直に答えると、子供姿に無惨はにっこりと笑った。
    「よくできました。随分と素直ではありませんか」
     黒死牟の全身が四散しそうなほど激しく脈打ったのは言うまでもない。叱られる破壊力も凄いが、あの姿に笑顔で褒められる。この破壊力たるや、無限城を一瞬で傾けるほどの力である。まぁ、無惨ならば指先ひとつで無限城を潰せるのだが。
     満足に呼吸が出来ず、あの黒死牟が呼吸を荒げ、吐く一方で吸えずにいるので、無惨は黒死牟に近付き黒死牟の顔を小さな両手で包み、口移しで息を吸わせた。
     小さな唇、柔い指の感触、そして子供ながらも色気に満ちた視線。黒死牟は意識を失いそうになるが、頬を抓られ意識を保った。
    「ご無礼を……」
    「良い。お前はこうなると私に対し終始無礼を働くからな」
     それでも殺すことなく、黒死牟の相手をし、数百年に渡り枕を共にしている。無惨も満更ではないのである。
    「どうだ、今宵はこの姿の方が良いか?」
     小さな指で黒死牟の顎を掴むと、顔を真っ赤にした黒死牟は左右に顔を振る。
    「いえ……出来れば、いつもの御姿で……」
    「ふん、私の壱は相変わらずの淫乱よな」
    「あぁ……」
     子供の顔立ちのまま流し目で黒死牟を誘い、汚い言葉で罵ってくる。それだけで腰が疼いて気を遣りそうになる黒死牟を見て笑いつつ、行儀良く服を脱いだ後は、いつもの姿に戻り、部屋の灯りを消すよう鳴女に命じた。
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    TRAININGむざこく30本ノック⑤
    25日目
    某映画賞の授賞式で某イケメン俳優がしていたスタイルを、無惨様がなさるお話が読みたいです。それを初めて見た黒死牟の反応も知りたいです。
    フレームレスメガネ、黒タートル、黒系ジャケット、シルバーアクセの、顔とスタイルが良くなければ絶対似合わないあれです。

    普段はスーツでしょうし、無惨様は裸眼だと思うのでどういう状況だろう…とは思いますが、絶対お似合いになると信じてい
    某映画賞の授賞式で某イケメン俳優がしていたスタイルを、無惨様がなさるお話が読みたいです。 黒死牟がテレビの画面を見ながら、思わず感嘆の声を漏らした。一体何事かと思い、ソファに寝そべってタブレットを見ていた無惨は、テレビの画面に視線を移した。
     それは某映画賞の授賞式の中継だが、優秀助演男優賞を受賞した面々がレッドカーペットを歩く姿を、じっくりと見入っているのだ。
    「美しいですねぇ……」
     どの俳優を指しているかは一目瞭然である。そう、黒死牟は超がつくほどの面食いなのだ。国宝級イケメンとの呼び声高い無惨を彼氏に持つ黒死牟が見惚れてしまうほど、その俳優は美しかった。
     黒いハイネックのセーターに黒いスーツ、そして首元に輝くシンプルなパールジュエリー。どこを取っても隙のない美しさだというのに、それより何より美しいのが顔面で、その顔面の魅力を倍増させる眼鏡の破壊力。無惨は少々不貞腐れながらも冷静に分析していた。
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    TRAININGむざこく30本ノック③
    15日目
    陽光のもとに並んで立てるようになった二人が、それぞれ何を思って何を語らうのか
    「ほら見たか!これで恐れるものなぞ何もないわ!」とかつてないほど昂るのか、「案外大したことないわ、つまらんな」と吐き捨てるのか、「太陽の方がやはりお好きで?」「白昼にも月は出ておるわ馬鹿者」みたいな気楽な会話になるのか
    陽光のもとに並んで立てるようになった二人が、それぞれ何を思って何を語らうのか  それは初恋の憧れに似ていた。
     手の届かない遠い存在という意味か、遠い昔の燦爛とした断片的な記憶のせいか、その強い「憧れ」が根底にあるから黒死牟とは意気投合したのかもしれない。
     自分たちにとって太陽とは最も忌むべき存在であり、その反面、強く憧れ、恋い焦がれた存在であった。
     今でも朝日を見ると、今際の際を思い出し身構える。しかし、その光を浴びても肌が焼け落ちることはなく、朝が来た、と当たり前の出来事だと思い出すのだ。

    「今日も雲ひとつない晴天ですね」
     黒死牟が車のドアを開けると、その隙間から日の光が一気に差し込む。こんな時、黒死牟のサングラスが羨ましいと思うのだが、まさかサングラスをしたまま街頭に立ち、演説をするわけにはいかないので日焼け止めクリームを丹念に塗り込む程度の抵抗しか出来ない。
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    TRAININGむざこく30本ノック③
    17日目
    黒死牟が髪をバッサリ切った時の無惨様のリアクション
    黒死牟が髪をバッサリ切った時の無惨様のリアクション 何か理由があって髪を伸ばしているわけではない。
     長い髪って手入れが大変ですよね、と言われるが、実はそうでもない。短い髪の時は月に一度は散髪に行かないといけなかったが、長い髪は自分で毛先を揃えるくらいでも何とでもなる。女性と違って髪が傷むだの、枝毛がどうだのと気にしたことがないので、手入れもせず、濡れた髪を自然乾燥させることにも抵抗がない。それに短い髪と違って、括っておけば邪魔にならないので意外と便利だし、括っている方が夏場は涼しいのだ。
     つまり、ずぼらの集大成がこの髪型だった。
     特殊部隊に入った時、長髪であることにネチネチと嫌味を言われたこともある。諜報活動をする時に男性のロングヘアは目立ち易く、相手に特徴を覚えられやすいから不向きだと言われ、尤もだなと思ったが、上官の物言いが気に入らなかったので、小規模な隠密班を編成する際の長に選ばれた時、全員、自分と背格好が近く、長髪のメンバーだけで編成し、危なげもなくミッションを成功させたことがある。だが、自分の長髪にそこまでこだわりがあったわけではなく、単なる反発心だけである。
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    TRAININGむざこく30本ノック③
    13日目
    零余子、上司共へのストレス発散にBL同人誌にしてしまう
    零余子、上司共へのストレス発散にBL同人誌にしてしまう 今日もやっと1日が終わった。
     朝から晩まで、あの鬼上司2人に扱き使われたのだ。
    「おい、零余子!」
    「はい!」
    「零余子!」
    「はいー!!!!」
     多分、この数年で確実に親より名前を呼ばれている。これまで割と要領良く生きてきたので、こんなに怒鳴り散らされることはなかった。
     初めは鬼舞辻事務所に就職が決まり大喜びした。
     今をときめくイケメン政治家、鬼舞辻無惨の下で働けるなんて……その上、彼は独身。もしかして、もしかする、未来のファーストレディになれるようなルートが待っているかもしれない!? と馬鹿な期待をして入職したのだが、それは夢どころか大きな間違いだった。
     毎日怒鳴り散らされ、何を言っても否定され、無惨だけでも心がバキバキに折れそうなのに、これまたイケメンの秘書、黒死牟が更にエグイ。まず行動原理が「無惨様のため」なので、無惨の怒りを買った時点で、どんな言い訳をしても通用しない。こちらに非が無くても、無惨に怒鳴られ、黒死牟にネチネチと嫌味を言われ、最悪のコンボが待っている。
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    TRAININGむざこくアドベントカレンダー
    4日目
    遊園地にお忍びで遊びに行ったら、事件に巻き込まれ、デートしているところをTVで報道されてしまい、進退極まるが、実は仕事関係で行っただけで、二人は付き合ってるとかじゃないんだけど、無惨様が腹括ってシボと付き合ってることをカミングアウトしてしまい、それが世間じゃ真実と捉えられ、すったもんだから、付き合うことになってしまう二人
    遊園地デート 国会での汚いヤジはある種の名物である。美学に反する為、自分は絶対にヤジを飛ばす側をしないし、どんなヤジを投げつけられても、弱い犬の遠吠えだと気に留めたことすらなかった。だが、今回ばかりは完全に無視できない。その上、言い返したい、寧ろ言った人間の胸倉を掴んで、数発殴って歯の一本でも折ってやりたいとさえ思った。
     その理由は、自分だけでなく、矛先が秘書の黒死牟にも向かっているからだ。
    「うちの秘書は関係ないでしょう」
    「関係ないことないだろう!」
    「庇うのはお前らがデキてるからだろう!」
     マイクでは拾えない程度の音量で、お前がケツを出したのか? 等、聞くに堪えない下品なヤジが国会内に飛び交っている。
     おい、女性議員よ。こんな時に「セクハラだ」って怒れよ……と無惨は呆れながら、ヤジにマジレスするのは大人気ないと必死に堪えている。
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