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    hpel_hina

    @hpel_hina

    きもいさんとか木乃伊ひなたとかって名前の人です。
    Twitterの本垢凍結中で前のポイピクも入れないのでひとまずこっちで…。

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    hpel_hina

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    ノースWebオンリー用の展示が間に合うかビミョーなので、昔のワンドロのレンアキをそっと貼っておきます。
    めっちゃ短いです。
    むしろTwitterの本垢が凍結中で、前のポイピクに自分では入れないことも判明したのでひとまず避難用の垢でテスト投稿というか…。
    凍るならレンくんに凍らされたかったです😇😇😇💢

    #エリオ腐R
    elioRotR.
    #レンアキ

    甘い言葉、とは?「……チョコ」
    「…………無理だ」
    「クッキー?」
    「見たくもない」
    「うう〜ん……。あっ、ゼリーは!?」
    「吐き気がする」
    「お前ら、何やってんだ?」
     トレーニングから戻り、珍しくノースのルーキー部屋に、というかレンの元に来客があったのか声が聞こえてくると、そっとドアを開けて覗いてみればレンのベッドには青い頭と赤い頭が並んでいた。
     ベッドの端に座り猫の表紙の本を手に目線を落としているレンと、そんなレンの顔を覗き込むようにして隣に座っているアキラ。この従兄弟同士がこんなに至近距離で話しているのもあまり見た事がなく、珍しい光景にガストはおもわず部屋に足を踏み入れる前に戸口から声を掛けていた。
     気付いたアキラは笑って「邪魔してるぜ〜」と手を振ってくる。が、その隣でこちらを見てくるレンの目は据わっている。どうやら邪魔をしてしまったのはこちららしい。
     しかし聞いた手前すぐに去るのも不自然な気がして、まだ答えてくれそうなアキラに視線を戻すと、一瞬話すのを躊躇ったようだが小さく一つ頷いてから、ウィルが、と話し始めた。
    「……ウィルが?」
    「そう、ウィルがさ。こないだレストランとのコラボをしたんだけど、あいつも自分の味音痴っつーか……自分の料理の欠点と向き合う覚悟をしたっつーか……」
     ガストの手前、気を遣ったのだろう。前髪の隙間からちらりと様子を窺うように見上げてきたアキラに内心苦笑しながら促せば、モゴモゴと口許を動かすように続ける。
    「で、オレも意を決して食ってみたらさ。意外と、いや、マジで奇跡的に、もうすっげぇ信じられない事に、美味かったんだよ。だから、レンもほんのちょっとで良いからウィルの料理を食ってやれば、ウィルも喜ぶかなって」
     さりげない言葉の数々に内心どころか表に出して苦笑してしまう。酷い言われようだが悪気もないし、それどころかアキラらしい優しさに満ちていてこちらまで嬉しくなってくる。
    「でも、レンって甘いもの嫌いなんだろ?」
    「虫酸が走る」
    「お前もうちょっと言い方考えろよ。だからさ、こう、ウィルの料理を食べる前に、ちょっと甘いものに慣れとかないかって話をしてたんだよ」
     アキラの言い分は分かるが、確かウィルの作る料理は……とレンの事も気に掛けてやると、案の定苦々しい顔で呟かれた。咎めるアキラは先程までの自分の言葉は棚に上げているのが可笑しくて、笑いながらガストが自分のベッドに腰掛けようとすれば、説明してくれているアキラの奥から、ジロリ、と睨まれる。
    「…………んじゃ、俺はちょっとシャワー行ってくるかな~……」
     あからさまな視線に座るのを諦めて、わざとらしく伸びをする。へーへー、分かりましたよと。早く何処かへ行けと言わんばかりの瞳に心の中だけで返事をする。
     着替えやタオルを用意する間も、背後ではどんなものなら食べられそうかと、思いつく限りのスイーツの名前が挙げられていく。それに対し、いちいち違う言葉で拒否していくレンの語彙力にもじわじわと笑いが込み上げてくる。
     性格は正反対に見えるが、どこか似ているこの従兄弟二人はまるで双子のように思える時がある。おまけに、言動というか。やり取りがまるで小さい子どもか、はたまた子猫かのようで。じゃれてる姿は可愛いんだけどな、と再びドアを開けようとした時、どうやらレンが折れたらしい。

    「…………ゼリーか、プリンなら」

     ぼそっと呟いた言葉に、ホントか!? と嬉しそうなアキラの声が上がる。
     もっと甘くないものは世の中にたくさんあるだろうと、少し意外に思っていれば、続いた言葉は
    「……でも、一口だけだ」
     だったので、吹き出しそうになるのを寸でのところで堪えた。
    「何だよ、もったいねーな。でも、じゃあ一口は食べろよ!? ぜってーだからな!! しょうがねぇから残りは食べてやっから!!」
     何も分かっていなさそうなアキラの言葉に、それ以上耐えられなくなってドアを閉めた。
     ドアの外で、肩を震わせて笑い出す。あれで気付かないのはアキラくらいだろう。そしてあれで上手く誤魔化せていると思っているのもレンくらいだろう。
     アキラの性格上、スプーンを二つ用意するという頭はきっとない。同じスプーンで食べられるものをチョイスしただけであろう事に、はたしてアキラが気付く事はあるのだろうか。
     間接キスとか、ガキか。
     そうは思いつつ、脳内ではやはり小さい子どもが一つのゼリーだかプリンだかを分け合って食べている姿が浮かび、確かにこの二人を間近で眺め続けていたら、それは過保護にもなるだろうと何故か妙に納得してしまう。そう、まるで作る料理がすべて甘くなる呪いがかかったような、某幼馴染みのように。
     あれがレンの精一杯の甘い言葉なのだと思うとそれもまた可笑しくて仕方ない。
     頑張れよ、と脳内でエールを送りつつ、ガストは笑いすぎて痛くなってきた腹筋を押さえながらシャワールームへと向かうのだった。




    おしまい。
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    hpel_hina

    PASTノースWebオンリー用の展示が間に合うかビミョーなので、昔のワンドロのレンアキをそっと貼っておきます。
    めっちゃ短いです。
    むしろTwitterの本垢が凍結中で、前のポイピクに自分では入れないことも判明したのでひとまず避難用の垢でテスト投稿というか…。
    凍るならレンくんに凍らされたかったです😇😇😇💢
    甘い言葉、とは?「……チョコ」
    「…………無理だ」
    「クッキー?」
    「見たくもない」
    「うう〜ん……。あっ、ゼリーは!?」
    「吐き気がする」
    「お前ら、何やってんだ?」
     トレーニングから戻り、珍しくノースのルーキー部屋に、というかレンの元に来客があったのか声が聞こえてくると、そっとドアを開けて覗いてみればレンのベッドには青い頭と赤い頭が並んでいた。
     ベッドの端に座り猫の表紙の本を手に目線を落としているレンと、そんなレンの顔を覗き込むようにして隣に座っているアキラ。この従兄弟同士がこんなに至近距離で話しているのもあまり見た事がなく、珍しい光景にガストはおもわず部屋に足を踏み入れる前に戸口から声を掛けていた。
     気付いたアキラは笑って「邪魔してるぜ〜」と手を振ってくる。が、その隣でこちらを見てくるレンの目は据わっている。どうやら邪魔をしてしまったのはこちららしい。
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    hpel_hina

    PASTノースWebオンリー用の展示が間に合うかビミョーなので、昔のワンドロのレンアキをそっと貼っておきます。
    めっちゃ短いです。
    むしろTwitterの本垢が凍結中で、前のポイピクに自分では入れないことも判明したのでひとまず避難用の垢でテスト投稿というか…。
    凍るならレンくんに凍らされたかったです😇😇😇💢
    甘い言葉、とは?「……チョコ」
    「…………無理だ」
    「クッキー?」
    「見たくもない」
    「うう〜ん……。あっ、ゼリーは!?」
    「吐き気がする」
    「お前ら、何やってんだ?」
     トレーニングから戻り、珍しくノースのルーキー部屋に、というかレンの元に来客があったのか声が聞こえてくると、そっとドアを開けて覗いてみればレンのベッドには青い頭と赤い頭が並んでいた。
     ベッドの端に座り猫の表紙の本を手に目線を落としているレンと、そんなレンの顔を覗き込むようにして隣に座っているアキラ。この従兄弟同士がこんなに至近距離で話しているのもあまり見た事がなく、珍しい光景にガストはおもわず部屋に足を踏み入れる前に戸口から声を掛けていた。
     気付いたアキラは笑って「邪魔してるぜ〜」と手を振ってくる。が、その隣でこちらを見てくるレンの目は据わっている。どうやら邪魔をしてしまったのはこちららしい。
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    mekemeke1226

    MAIKING潜入捜査ビリーくんのジェイビリ
    ここから先に進めないので一旦あげます
    書き上がる時はがっつり修正
    調査対象の好みのタイプ。金髪碧眼、幼顔なんて、髪色さえ変えればピッタリかもしれない。自分が幼顔なのはチョット、いや、あんまり認めたくはないけれど。カラースプレーで髪を黄金に彩って、ホテルのラウンジに居ても違和感がないスーツを纏う。あまり大人っぽくならないように、タイはシンプルなものではなく蝶ネクタイにした。最後にキスしたくなると話題のリップをつけて、対象者がいるバーに足を踏み入れる。
    潜入調査はよくするけれど、色仕掛けは久し振りだ。人間は欲で頭が馬鹿になると口が緩くなるから、色仕掛けはすごく簡単だしお金もかからない。ヒーローになる前はよくやっていたけれど、ジェイがトクベツになってからはなんだか触れられることが気持ち悪くなってしまって、あまりしたくなくなってはきたけれど。
    店内を見回して対象を確認して、ざっと頭の中で流れを組み立てる。入ってすぐいきなり近付くのは怪しまれるから、彼の座る席から3つ離れて座ることにしよう。
    協力をお願いしているバーテンダーさんが出してくれたノンアルコールのドリンクを飲んで、わざと聞こえるような声で嘘八百の情報を流す。パパに連れてきてもらったけど、先に帰っちゃ 2768

    いとう

    DONEフェイビリ
    まぶたの隙間 橙色にきらめく髪が視界に入ると、ひっそりとゆっくりとひとつ瞬きをすることにしている。
    そうしている間に九割以上向こうから「ベスティ~!」と高らかに響く声が聞こえるので、安心してひとつ息を吐き出して、そこでようやっと穏やかな呼吸を始められるのだ。
    それはずっと前から、新しくなった床のビニル独特の匂いを嗅いだり、体育館のメープルで出来た床に敷き詰められた熱情の足跡に自分の足を重ねてみたり、夕暮れ過ぎに街頭の下で戯れる虫を一瞥したり、目の前で行われる細やかな指先から紡がれる物語を読んだり、どんな時でもやってきた。
    それまでの踏みしめる音が音程を変えて高く鋭く届いてくるのは心地よかった。
    一見気性の合わなさそうな俺たちを見て 、どうして一緒にいるの?と何度か女の子に聞かれたことがある。そういう時は「あいつは面白い奴だよ」と口にして正しく口角を上げれば簡単に納得してくれた。笑みの形を忘れないようにしながら、濁った感情で抱いた泡が弾けないようにと願い、ゴーグルの下の透明感を持ったコバルトブルーを思い出しては恨むのだ。俺の内心なんていつもビリーは構わず、テンプレートで構成された寸分違わぬ笑みを浮かべて大袈裟に両手を広げながら、その後に何の迷いもなく言葉を吐く。
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