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    暁ルナ

    @kaikunperopero

    暁ルナです
    短編とかオチが考えられなかったのを投稿していきたい(願望)
    鬱い櫂くんや可哀想な櫂くんがメイン⋯のはず()

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    暁ルナ

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    クレイパロで始祖様とカオブレさんがモブを弄ぶ話(を書きたかった)

    #櫂トシキ
    oarfish
    #クレイパロ
    #Я櫂

    林檎は容易く切り落とされる・クレイ物語とか全く読んでないクレイど素人の書く捏造クレイパロ
    ・名前のないモブが視点主なので注意

    雑設定
    この世界だと守護竜(こっちは生まれつき)とか組織のトップと契約して全体に力を与えることの出来る人を先導者、ユニットと一対一の契約をした人を契約者と呼ぶ
    リンクジョーカー櫂くんの軍服は支部のお姉さま方の絵が印象に残ってるので白基調のラインは黒で装飾みたいなのが赤だったり⋯?
    あと私はドラエン軍服櫂くんがどうしても惑星大戦の櫂くんしか思い浮かばない()




    つい先程まで戦場であった場所を見下ろせる位置から身を隠しつつ敵である白や赤、禍々しい黒で彩られた者達を盗み見る。

    2年前、謎の勢力による侵攻がクレイ全土で始まった。当時は内乱や三英雄の封印などもあり後手に回ってしまい謎の勢力について何も分かっていなかった。現在この謎の勢力はリンクジョーカーと名付けられている。
    そして、現在クレイ側が頭を抱えている問題がある。リンクジョーカーとの抗争で何故か指揮官クラスのような強いユニットが突如として混乱、発狂したかのように同士討ちを始めるのである。そして暴れていたユニットが正気に戻ると記憶がなかったり何かに怯えるような素振りを見せるが心当たりがないのだという。また、被害者であるユニットは深手を負い話せなかったり恐慌状態でありながら必死に狂乱したユニットを庇う行為を見せたりと情報を得たくても得られない、という状態である。
    また、侵略者達は突如として現れ襲ってくるため突発的に起こり規模も場合や数によって変わるという変則的な戦いにまたしてもクレイ側は後手に回ってしまっていた。
    少しでも被害を減らすために狂乱についての情報と早急な解決策が求められていた。

    (早くこの事態を解決せねば⋯)
    その思いで敵わない、死んでしまうと止める仲間達を振り切って自分はここまでやってきていた。あてもなく彷徨い偶然受信した救援信号を頼りにこの戦場に辿り着いた。
    目の前で傷つけられるユニット、失われる命。それらを見る度に見ていられなくて飛び出しそうになった。しかし、今の自分の目的は狂乱に関する情報である。また、俺が参加したところで戦力差を覆すことは到底不可能だろう。そう考えれば、情報を得て持ち帰ることこそが己自身に課した最優先の使命であった。
    救いたくても手が伸ばせず、目を背けたくとも背けられない光景を見落としがないように眺めていた。
    結果的に、今はリンクジョーカー側に蹂躙された戦場を見下ろしている。自身も援軍要請を飛ばしてはいるが、援軍が到着する前に終わってしまった。狂乱を起こしたユニットはいなかった。しかし、まだリンクジョーカーは撤退していない。少しでも情報を持ち帰るためには撤退するまで観察しておくべきだ。
    そう結論づけて敵陣営と思わしき場所から少し離れた崖の上から木々に紛れて身を隠していた。

    「今日⋯⋯いなかっ⋯⋯ゼロだっ⋯。」
    「そう⋯⋯ご苦労⋯⋯。」
    リンクジョーカーとひと目でわかる禍々しい白や赤、黒を基調としたデザインでなおかつ大鎌を持ったサイバードラゴンが誰かと話しているようだった。相手はそのユニットの陰になっており見えなかった。何かを話しているようだが、言葉は途切れ途切れであり内容を理解するほどの量が聞き取れない。
    (聴覚強化の術を掛けているが流石に遠かったか⋯?)
    先程よりは聞こえるだろう場所へとゆっくり移動する。移動すると同時にそのユニットの話し相手がゆっくりと現れる。
    (ヒューマン、か⋯?)
    サイバードラゴンと同じく白と黒、赤を基調とした軍服に身を包んだ小さな人間と思わしき者が見えた。だが、リンクジョーカーのユニットは全てサイバー生物である。
    (いや、サイバロイドか⋯?しかし、黒輪を背負ってはいない⋯)
    体を固定するように手を地面につき少し身を乗り出す。それと同時に聴覚強化の術を視覚強化に切り替える。

    (⋯っ!あれは、裏切りの先導者⋯!)
    無名の自分では実際にその姿を見たことがあるのは演説や同盟に関する調印時ぐらいである。その自分でもそれが誰かと分かる相手がそこにいた。
    切れ長の翠の目、血塗られた戦場では目立つ白い肌、朽葉色で少し独特な髪型、怜悧に感じる顔立ち、美貌を持つ男、ドラゴンエンパイアにおける先導者であり三英雄の1人、ドラゴニック・オーバーロードの契約者、櫂トシキがそこに居た。
    恐らく最初の事例ではないか、と言われるユニットが狂乱したとされる日から少しして戦場でかげろうの先導者がリンクジョーカーを率いて戦う姿が度々目撃されるようになっていた。
    帝国はこのことに対して曖昧な返答をしており、先導者が居なくなったことで指揮系統が乱れてしまっているのではないかと噂されている。
    だが一介の偵察兵である自分にはあまり関係はない。かげろうの先導者が敵であるリンクジョーカーと協力関係にあることがはっきりしたのは1つの情報だと言える。
    だが、守護竜や組織や軍の長と契約した先導者の祈りによって我らユニットが力を得るのもまた事実。かげろうの先導者がリンクジョーカーに加担し、この悲惨な戦場を作り出した一端を担ったことは間違いない。また、何か情報を握っている可能性もある。
    視覚強化からまた聴覚強化に切り替えようとしたその時、裏切りの先導者の口がなにか伝えようとしたのか動く。


    そして、ごく自然に、何気ない動作で斜め上を向き、自分と目が、合った。

    (⋯っ!?気づかれた⋯!)

    裏切りの先導者がにこやかに笑うような、どこかいやらしいと感じるような笑みを浮かべて口を動かす。
    状況を理解すると同時に聴覚強化の術への切り替わり、裏切りの先導者の発した言葉が聞こえる。
    「"呪縛"」
    何かが来る、避けなければ。そう思った時には既に捉えられていた。
    身動きができない、離せと叫ぼうとしても口から声が出てこない。まるで全てを封じられてるようだった。
    大鎌を持ったユニットとその手のひらに乗った先導者が身動きの取れない自分に空から近寄り降りてくる。
    大鎌を持ったユニットはまるで死神のようだった。

    「カオスブレイカー。まだ、生き残りが居たようだな。」
    「この位置からして先程の奴らに混じって戦うのではなく観察していたのであろう。さしずめ、情報収集と言ったところか。」
    「だろうな。さて、こうして捕らえた以上、お前は捕虜だ。このまま連れ帰って拷問して情報を吐くか、ここでこのまま息絶えるか。⋯さぁどちらを選ぶ?」

    裏切りの先導者は俺を見ながらそう言って笑う。その姿を見て何か、違和感を覚える。しかし、何が違うのか自分にはわからなかった。
    その違和感を無視しつつ身動きのとれない謎の術から抜け出そうともがく。

    「マイヴァンガード、呪縛によってこやつは喋れぬし選べない状態になっているぞ?それに、こやつは見たところ一匹狼だ。情報なぞ持っていないのではないか?」
    「それもそうだな⋯。」
    「やはり殺すか?」

    嬉々として大鎌を持つユニットが大鎌を振り上げようとする。それを待て、と先導者が一声あげて制止する。

    「お前の目には、覚えがある。自身の無力さを恨み強さを欲する目だ。⋯だから、選択肢を変えてやろう。俺達の側に着くか、ここで殺されるか、だ。俺なら、今の俺ならお前が欲する力を与えることが出来る。好きに選ぶといい。」
    「お前は本当に物好きだな。」
    「別に、それくらいはいいだろう。余興とでも思えばいい。」
    「それもそうだ。なに、意を唱えるわけではない。全て、お前が望むままに振る舞うが良い、マイヴァンガードよ。さぁ我らが虚無の先導者からの慈悲だ。ありがたく受けとるがよい。」

    捕虜という言葉が敵への寝返りに変わっただけじゃないか、と心の中で悪態をつく。ユニットの揶揄う様な言葉にこいつらにとって生死すら余興だというのか、と吐き気を覚えつつ睨みつける。
    その刹那、何かが解放された感覚に襲われる。ゲホゲホと咳き込み、身動きはまだとれないが声は出せるようになったことに気づく。

    「っ!誰が貴様らのような外道の下に着くものか!敵に寝返るくらいならば死を選ぶ!」

    そう、息を落ち着かせるより早く啖呵を切る。そして、そのまま死を覚悟した。

    「⋯そうか、ならば⋯」
    「待て、マイヴァンガード。こういう清廉潔白を装う輩の腸こそ暴きがいがある。」
    「⋯お前は本当に悪趣味だな、カオスブレイカー。」
    「お褒めに預かり恐悦至極、とでも言おうか。」

    呆れたようにユニットを見ながら先導者がさらに近づいてくる。その背後で大鎌を持ったユニットが舌舐めずりをするかのようにこちらを見ていた。

    「良かったな、お前は無理矢理こちら側に堕としてやる。自分の意思では無いと言ってお前は好きに動けばいい。」
    「俺は死を選んだんだ!さっさと殺せ!」
    「確かに選ばせてやるとは言った。だが、カオスブレイカーはお前の堕ちる姿が見たいと言っている。捕虜と仲間⋯配下の言うこと、どちらを優先するかと言われたらお前だって味方の言うことを優先するだろう?」
    「っ!クソが⋯!俺は絶対にお前らに協力しない!」
    「ああ、お前自身はそうだろうな。だが、反転してしまえば些細なことだ。⋯さぁ、受け入れろ。そして己の全てを曝け出すといい」

    その声と共に、意識が暗転し、黒く塗りつぶされるような感覚を覚える。そして、意識の途切れる直前まで不愉快と感じる笑い声が響いていた。

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