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    ヨ●ンタの空白の25年間の捏造&妄想IFの本編。
    時系列は🌎5巻で逃亡して一週間後くらい。
    その11 【石箱を見つけた三人】(ヨレ&ポト&コハン)
    (6/19追記)#ヨの25年間

    #ヨの25年間

    その11 【石箱を見つけた三人】(ヨレ&ポト&コハン)【石箱を見つけた三人】(ヨレ&ポト&コハン)

    ――石箱とは?
    石で作られた容器
    素材:石(大理石・石灰岩・花崗岩)や金属と組み合わせて作られる。
    形状:蓋付きで、彫刻が施されることも多い。
    理由:燃やされない・腐敗しない・水や虫にも強い。
    使用目的①:聖遺物箱……聖人の骨や衣服を入れる箱。
          迫害を恐れ地下や教会の壁に埋められた。
    使用目的②:石棺……修道院において遺体を納める箱。
    地中に埋められる。復活と永遠を表す十字が彫られる。
    使用目的③:石箱…… 秘密文書・科学記録の隠蔽用
    錬金術などの異端思想の記録を隠すための石製容器。
    隠し場所:井戸の底、遺跡の壁裏、森の聖域など。

    ***
     昼過ぎに三人と、荷物を乗せた馬は、視界の開けた草原に到着した。
    コハンスキが口を開いた。
    「ここです。ここに手がかりがある。」
    その草原は高台にあり、山や森から離れていた。
    丘の上からは、全方位の星空が観測できそうだった。
    ポトツキが、ヒゲを撫でながら言った。
    「……ここは若い頃、フベルトと二人で天体観測に来たことがある。都市から歩いて来れる距離だ。
    コハンスキはどこから、此処に手がかりがあると聞いた?」
    「酒場で聞き込み調査を。そこで俺は、天体観測をしている上級市民と知り合いになりました。
    どうやら、半年前に知り合いの占星術師が異端で捕まったらしく、その占星術師は草原の岩に印を見つけた、と。」

    ***(6/10追記)
    ポトツキの目が細まった。
    「占星術師が……印を?」
    風が強く吹き、草の揺れる音がした。
    「ええ。草原の岩に、星座のような模様が刻まれていたと言っていたそうです。だが、術師が捕まる前に、それを確認した者はいないそうです……。」
    コハンスキは、歯切れが悪そうに答えた。
    自信がないのか、だんだん語尾が小さくなっていった。
    ヨレンタは荷物から蝋板と尖筆を取り出した。
    「それがこの辺りのどこかにあるなら、天体と関係があるはず。星の位置と照らし合わせれば、場所を特定できるかもしれません。」

    ***(6/11追記)
    「なるほど! さすがだ、ヨレンタ。
    コハンスキくんは上級市民から、よく聞き出してくれた。」
    ポトツキは二人を褒めたたえた。
     コハンスキは照れて頭を掻いた。
    「は、はい。酒場を見張っていたら、天体の話題になると、誰にでも絡みにいく上級市民がいたので、もしかしたら……、と思って。実は寂しがり屋だったのか、たくさん話してくれました。」
    「問題は……その“岩”がどれなのか、ですね。」
     ヨレンタは地面に膝をつき、周囲を見渡した。
    草原は起伏が少なく、風に揺れる草が視界を遮る。しかし、突き出した岩が無数にあり、特定に時間が掛かりそうだ。
    「暗くなる前に見つけたい。三人で手分けして、岩についた印をさがそう。」
     午後の陽の光が斜めに傾き始めた。
    ポトツキの提案で、三人は担当エリアを決め調査した。
    三人と一頭の馬の影が、草原の波に溶け込んでいった。

    しばらくすると、「おーい!ちょっと来てくれ!」とコハンスキが呼ぶ声がした。
    「……この岩。向こうの岩にも……何か、彫ってあるように見えないか?」

    ***(6/16追記)
     ポトツキとヨレンタが、猛スピードで走り寄って来た。
    「はぁはぁ、何だって?!」
    ポトツキが、肩で息をしながら覗き込む。

    ――その二つの大岩には、確かに刻まれていた。
    それぞれに三つ星が彫られ、中央の星に×(バツ)印が付けられていた。――
    「これ、何かの星座ですか?」
    コハンスキが二人に聞く。
    「これ……オリオン座のベルトの三ツ星では?!」
    ヨレンタが驚きの声を上げる。
    ポトツキが岩に手を当てた。
    彼の瞳に、かすかな恐れが走った。
    「これは……この印の特徴は……フベルトのだ……。」
    ポトツキは、へなへなと力が抜けて、地面に座り込んだ。
    彼は膝をついたまま、岩の印を見つめた。
    「間違いない……彫りの深さ、線の癖、×の刻み方。
    これはフベルトが使っていたナイフの跡だ……。」

    コハンスキとヨレンタは、互いに顔を見合わせた。
     静かに、風が草をなでていく。

    「では……フベルトさん?がここに来たのは、観測のためだけじゃなかった?」
    ヨレンタが蝋板に印を写し取りながら、低く言った。
    ポトツキは呟いた。
    「何かを……残そうとしていた。誰かに気づかせたかったのか、あるいは……隠したのか。」
     コハンスキが、ふともう一つの岩を見やった。
    「印の向き、微妙にずれてませんか?真ん中の星、の角度がそれぞれで、違うような……。」
    「角度……?」
     ヨレンタが印と周囲の地形を交互に確認し始めた。
    「星の配列……いや、違う。これ、視線の誘導だ。」
    ヨレンタの目が、次第に鋭さを増していく。
    「三連星の真ん中の星、アルニラムを示す“×印”の先端が、両方のとも矢印みたいになっています。それを結ぶと、ちょうど、二つの大岩の真ん中にある、山の中腹が、アルニラムの位置になります。」

     三人は、一斉にその方向を見やった。
    「行ってみよう。」
     ポトツキがゆっくりと立ち上がった。先ほどの動揺を抑え込むように、声を落ち着かせている。
    ポトツキたちは、足早に山の中腹を目指した。

    ***(6/17追記)
     三人と馬は木々の間を抜け、山の中腹を登った。
    「フベルトさんは、重い石箱を担ぎながら、こんな急斜面を登ったんですね?」
    ヨレンタが思わず、ポトツキに聞く。
    「いや、学生時代のフベルトはロバを飼っていた。
    たぶん、ロバに運ばせたのでは?」
    ポトツキが、肩で息をしながら答える。
    「俺、十年前にフベルトさんを見たことがあります。
    二メートルありそうな大男だったから、石箱を自分で持ち運んだかもしれません。まさに神!」
    「それならフベルトは、邪教の神だな。」
    「そ、そうなんですね、私もフベルトさんに会って見たかったかも!」
     知らない人の話題で盛り上がる二人に、若干、居心地の悪さを感じたヨレンタだった。

    ――小道のように続く獣道を進む。
    ときどき、黒い鳥カフカが「カァ!カァ!」と鳴き、緊張が走る。夕暮れが迫っていた。

     やがて、ポトツキは立ち止まった。
    地面に、人が立ち入り押し潰された草と、足跡があった。
     焚き火の跡があった。
    そのそばには、何かが埋められたような、大きな土の盛り上がりがあった。

    ***(6/19追記)
    「誰かがつい最近、ここを通った形跡がある……。
    それに、この盛り土。まだ新しい。
    誰だろう? ラファウの仲間……な訳ないか。
    盗賊か、異端審問官でしょうか?」
    コハンスキが問いかける。
     それに対して、ポトツキの表情が強ばった。
    「いや、これは……!」
    彼は急いで、盛り土に駆け寄った。手が震えていた。
    ヨレンタはそっと、その手に自分の手を添えた。
    「きっと、大丈夫ですよ。」
     ヨレンタはしゃがみこみ、手で土を掘った。
    「俺も手伝う!」
    コハンスキも一緒になって、手で土を掘った。
    しばらくすると、指先に固い感触が触れた。
    石箱だった。 更に掘り進めると全体が現れた。
    蓋がずらされ、開けられた状態で、中に土が入れられていた。
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