なさか たぶろいどぬまにずっぽり☆正規ルート=ストーリーに準拠★生存ルート=死なずに生き延びる話無印は正規ルート(死ぬまでの間)の話 ☆quiet follow Yell with Emoji POIPOI 10
なさかDONEトリガー×タブロイドStarting Over.ザップランド航空基地。第444航空基地飛行隊。所謂懲罰部隊。新しい異動先は少なくとも居心地がいいところとは到底思えるはずもない。なんでこんなところに連れられてきたんだろうな。あぁそうだ、 ハーリング殺し どこへ行ってもついてまわったその呼び名に最初こそ嫌悪感を抱いたものの、今となっては聞き流せるほどに慣れたものだ。誰に会ってもそう言われりゃどうあっても慣れる。俺は適応力はあまり高くないはずだが。 どんなに自分ではないと訴えてもあれやこれやでっち上げの証拠が出てきて最後はもはや無言を貫いた。口を開いて1を言えば10どころか100、もしかしたら1000も返ってくるようなところで無用なことを言うほど俺は愚かでは無い。 15937 なさかDONEトリガー×タブロイド★生存ルートわかってくれとは言わないが★生存ルートです。 「タブロイド、好きだ!」 大きくよく通る声で言われた言葉はけれどももうんざりするくらい聞きなれたもので俺は何度目かのため息を吐いた。 トリガーは何かあれば好きだの愛してるだの小っ恥ずかしいことばかり言う。こちらが返さないのに、だ。 「わかった、もういい」 「まだ足りない。タブロイド、好き」 「良くもまぁそんな言葉が言えるな」 「言いたくてたまらないから」 言いたくてたまらない。それはどんな感じなのだろう。あれか、俺が石投げた時と同じ心理か?それなら何となく納得は行く。けれど俺は事象相手でトリガーは俺相手だ。勝手が違うと思う。それにそのようなことを平気で言いまくるのはなんかちょっと……はっきりいってしつこい。言われなくても信じているのだからそこまで言われる必要は無いはずなのだ。 5067 なさかDONEトリガー×タブロイド★生存ルートWhat a wonderful world.★生存ルートです ※身体的障害の描写があります。ご注意ください。 抜けるような青空を、一機の飛行機が横切っていく。民間機だ。もう、民間機が飛べるまでに世界情勢は変化した。難民問題についてはまだ禍根を断つことが出来てはいないが、それでも少しづつではあるが、良い兆しが見えてきている。 その青空の下を車椅子を押した青年がゆっくりと歩いている。たまに車椅子に乗せた相手の顔をのぞき込むようにして話しかけながら笑いかけ、穏やかな時が流れていた。話しかけられた方───タブロイドという名の男───はそれに応えて、共に笑う。 「トリガー、今日の空はどうだ?」 「すこぶるいいね。飛ぶには最適だ」 トリガーと呼ばれた青年はゆるりと空を見上げた。無駄に空を覆うものはなく視界を邪魔するものもない。それは今となってこその話だ。 6012 なさかDONEトリガー×タブロイド★生存ルートWhat a wonderful worlds end.★生存ルートです ※身体的障害描写があります。ご注意ください。 抜けるような青空を、一機の飛行機が横切っていく。民間機だ。もう、民間機が飛べるまでに世界情勢は変化した。難民問題についてはまだ禍根を断つことが出来てはいないが、それでも少しづつではあるが、良い兆しが見えてきている。 その青空の下を車椅子を押した青年がゆっくりと歩いている。たまに車椅子に乗せた相手の顔をのぞき込むようにして話しかけながら笑いかけ、穏やかな時が流れていた。話しかけられた方───タブロイドという名の男───はそれに応えて、共に笑う。 「トリガー、今日の空はどうだ?」 「すこぶるいいね。飛ぶには最適だ」 トリガーと呼ばれた青年はゆるりと空を見上げた。無駄に空を覆うものはなく視界を邪魔するものもない。それは今となってこその話だ。 11472 なさかDONEトリガー×タブロイド☆正規ルートTime to say goodbye.☆正規ルートです タブロイドが死んでからこっち、トリガーの世界に色が無くなった。何を見ても面白くない。何をしても楽しくない。過去のことを思うと、いつも涙が溢れ出る。 ただ、空にだけはまだ希望があった。空だけはきちんと青く見えていた。二人で飛んだ空だからか。それとも自分が還るところだからだろうか。これからも何かがあれば飛ぶだろう、しかし今はまだその時ではなかった。今はまだ飛べない。 「何だまためそめそしてるのか」 「してない」 「俺にはそうは見えんがな」 「……あの時なんですぐ知らせなかった?」 「知らせる必要がなかったからだ。あの時のお前にはな」 カウントはある意味そこに居合わせたようなものだったのでタブロイドの最期を知っていた。だがトリガーは知らずに終戦を迎えた。だれも、トリガーの前ではタブロイドのことを口にはしなかった。 4992 なさかDONEトリガー×タブロイド☆正規ルート偽りの夢☆正規ルートです 辺り一面視界を奪う程の土煙、そして何かが燃える匂い、色んな人の叫ぶ声、金属が擦れる気味の悪い音。 その中でも鮮明に、それこそ間近で見ているかのように見えるその光景は。 「……トリガー、助けて、くれ」 今日もまた、大汗をかいて跳ね起きる。窓の外はまだ暗く、起きると言うには大分早い時間であった。トリガーは深いため息をつく。もうずっと怖い夢を見る。タブロイドが、自分を呼ぶ。それが怖い訳では無い。タブロイドが、死んでいくのを何度も何度も見届けなければいけないのが怖い。夢なのに動けず、どうする訳にもいかず、ただただタブロイドが死にゆくのを見ているだけ。自分を呼ぶ声が段々と小さくなっていき、聞こえなくなる。タブロイドの体から血が、命が、流れ出し地に溜まってゆく。 5287 なさかDONE※トリガー♀×タブロイド★生存ルートWe'll be alright.★生存ルートです ※トリガーが女性です ※かなりタブロイドに執着しています ※癖強です 今日また一人、罪人が送られてくると聞いた。連れてきた輸送機の機体が陽の光を強く反射していて眩しい。タブロイドも多少興味はあったが、興味を持った他の囚人たちをかき分けてまで見に行こうとは思わなかった。 そうするうちにすぐに風で噂が流れてきた。なんでも罪状は『ハーリング殺し』。これまたすごいことをやらかしたな、とタブロイドは思ったがそれだけだった。次いで流れ着いたのは罪状にそぐわぬ人物像。どうやら女性で小柄で華奢、ほんとにこいつがか?とは教えてくれたやつの感想だった。タブロイドもそれでよくやってこれたな、と思うと同時に、ここでやっていけるのか?とも思ったが余計なお世話か、とそれ以上考えることはやめた。 42444 なさかDONEトリガー×タブロイド★生存ルート※生存ルートですが死にネタ、パラレル要素ありです。残照★生存ルートですが、死にネタ、パラレル要素含みます。ご注意ください。 いつも恋焦がれる青空が眩しい。気怠げに起き上がって伸びをする。今日はきっと良い日だ、と思うと同時に怠そうに着替えているタブロイドを見やった。昨晩の情事ゆえの怠さだろう、体に力が入っていない様子だ。少しは申し訳ないと思いつつタブロイドはいつも許してくれるから図に乗ってしまうのだ。 タブロイドは生憎トリガーに背を向けていたからその表情は分からない。背中にはたくさんの赤い花が咲いている。それはタブロイドがトリガーのものだという執着心で咲いたもの。そう思うとトリガーはついにんまりとしてしまった。 しかし同時に気づいたことがあった。タブロイドの背中、中央よりやや上に、骨が浮き出てきたような何かがあるのを見つけた。ひと目でわかるものだから普通のものでは無いだろう。なんだろう、と触れるとタブロイドは驚いたように声を上げた。 17256 なさかDONE☆サイファー×PJ★生存ルートはじまりのはじまり爆撃を受けあちこちボロボロな滑走路に両翼端が青く塗られたF-15がおぼつきなく降りてくる。しばらくしてハートになぞらえたカラスのエンブレムを冠したF-16も降りてきた。 1年という単位の最終日、全てが終わった。その言葉は正しくないかもしれない。事後にやらなければならないことなど数え切れないほどある。しなければならないこと、考えなければならないこと、それこそ思いつかないほど。 けれど今はそれでいいとサイファーは思っている。もう自分の出る幕は無い。どす黒く染まった赤い緞帳は既に降りきった。次があってももう出る気は無い。あとは地上の人間が片付けることだ。 サイファーはちら、と横を見る。多少の疲れは見えるものの問題はなさそうな顔。一時は荒れに荒れたがそれは上手く消化できたのだろうか。気にはしていたが何もしてやれることは無かった。それを少し、悔やんでいる。 1462 なさかDONE☆サイファー×PJ☆正規ルートそれはまるで雪のようにヴァレーは標高が高い。故に気温は冬になると常に氷点下、慣れている者などそうそういない。 「寒いですね」 冷えきった手を擦り合わせながらPJは言った。返事は返ってこないかもしれない。それは話しかけた相手が、サイファーと言う男だからだ。彼はそういう男だった。PJも慣れたもので最初こそは機嫌を損ねたか、とやきもきしたものだが、付き合う内にそういう性格なのだと理解した。 手はいくら擦り合わせても温まらない。明日になれば、全てが終わるかもしれない。そうしたら。……そうしたら? 「……お前、これが終わったらどうするんだ」 「え?」 思わぬ返事、思わぬ言葉。PJの時は一瞬止まった。言葉は理解出来た、でも返事はすぐに出はしない。 875 1