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    #毎月25日はK暁デー
    「ネクタイ」「真夏日」「傘」
    一度没にしたら短くなってしまいました。今日運動会のところ多いのでは?

    ##K暁

    「何で地域の運動会なんか……」
    ぶつくさと文句をこぼし続けるKKを宥めながら赤く平たい紐を首に回し緩く結ぶ。
    「ネクタイじゃねえんだぞ」
    「いいからいいから、仕事だと思ってさ」
    実際に仕事である。どうもこの伝統ある地区運動会を邪魔する不届きものがいるとか。大方盛り上がる体育系側とやる気のない文科系側の軋轢がというのがエドの見解である。何にせよ参加すればわかるということで僕が走ってKKが見張っているという予定だったのだが。
    「綱引きで年代別リレーに出るはずだった四十代の人が怪我したんだからさ」
    「ピンポイントすぎるだろ……」
    何かの意図を感じないでもないけど、現状霊視しても何も出てこないので進行を補助する他ない。
    「僕も走るんだからいいだろ」
    お揃いのネクタイもどきを見せると鼻で笑われる。多分KKは子どもの運動会も出なかったのだろう。この暑い日にとまだ文句を言い続ける。確かに今日は五月なのに真夏日になりそうだ。
    「走り終わったらしっかり水分補給しないとね」
    参加者にはペットボトル飲料と有料ゴミ袋が配られるのでちょっと嬉しい。景品狙いでオレを走らせるのかとKKがヘソを曲げそうなので黙っているけど。
    「いいか、やるなら一位でバトンを渡せよ」
    「間の人がかわいそうだよ」
    三十代の若いお父さんが縮こまっている。別に勝つ必要はないんだけど、KKは負けず嫌いだ。
    「KKも格好いいところ見せろよな」
    「惚れ直させてやるよ」
    「あのマレビトたちも倒して?」
    急に辺りが暗くなり体感で五度ほど気温が下がり、雨も降っていないのに傘をさした男や女が現れる。生きてる人間は僕たちだけ。
    「準備運動だ」
    「こっちが?」
    印を結ぶKKと対照的に僕は数歩下がる。お札はポケットに何枚かあるけど弓は目立つので持ってきてない。でもエーテルショットで自分の身くらいは守れると自負している。
    「応援頼むぜ」
    「了解」
    KKのネクタイがひらり風に舞う。吹き飛ばされる傘と異形の悲鳴。KKが負けるはずがない。だって負けず嫌いだから。
    もちろん年代別リレーもぶっちぎりで勝った。僕はKKに惚れ直したかは内緒。めでたしめでたし。
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    ☺👏👏👏👏☺💖🈳☺🙏💞💞💞💞💕💕💕💕💖🐽🐽🐽🐽🐽🐽🐽🐽🐽🐽💞💞💞💞💞💗💗💗💗💗💖💖💖💖💖💞💞💞💞💞👏👏👏👏👏💕💕💕💕💕
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    takeke_919

    DONE #毎月25日はK暁デー
    素敵タグにギリギリ間に合いました💦
    お題は「おはよう」
    Kは成仏したのではなく、暁の中で眠りに付いたという説を添えて。
    毛色の違う話が書きたいなぁと思い至ったまでは良いものの、毎度のことながらお題に添えているかは迷走してます🤣
    目醒めの言の葉 東京の街を覆っていた濃く暗い霧は晴れ、東の空からは眩い光を放つ日輪が顔を覗かせている。

     幾重にも連立する朱鳥居を潜り、石燈籠の淡く揺らめく灯りに照らされた石階段を登る暁人の胸中には全てを終わらせた事による達成感と、追い求めた者を失ってしまった喪失感。そして、自身の中に宿る男への寂寥感が入り混じっていた。男の悲願は達成され、その魂が刻一刻と眠りに就こうとしているのを肌身に感じる。

     本当に独りぼっちになってしまう。

     そうは思うものの、妹に、両親に誓った。泣いても、みっともなくても生きていくのだと。次に会うのは、最後の最後まで生き抜いた、その後なのだと。

     一歩一歩、階段を登る最中にKKから彼の妻子に向けての言伝を預かった。『最後まで、あきらめずに生き抜いた』と、そう語られた言葉は、彼の想いが沢山、たくさん詰まった大切なモノだ。何があっても絶対に伝えなくてはと、しかと心に刻み込んだ。
    5216

    na2me84

    DOODLE #毎月25日はK暁デー 
    お題【初デート】
    参加させて頂きました。宜しくお願いします。お題が可愛すぎて悩みました…
     渋谷駅前、かの有名な交差点は深夜になっても人も車も途切れることはない。煌々と輝くモニター画面には雑多な情報が流され続け、色鮮やかなLEDに彩られた看板は星の光をかき消すように輝いている。夜の闇さえ寄せ付けない光の奔流は、月の存在までも薄く儚いものに変えてしまったようだ。
     信号が青に変わると一斉に人の流れが動き始め、それぞれの進行方向へと、人々が双方向に入り交じりながら滔々と流れていく。その人混みから少し離れて道路を眺めていた青年が、隣に立つ男に話しかけた。
    「ここだったよね、KK」
    「ああ、そうだったな」
    あの夜、二人が『運命的』に出会った場所がここだった。

     
    「ねぇ、夜の散歩に行かない?」
    暁人がそう声をかけてきた。正直なところ面倒だな、とKKは思った。もう飯も食って風呂もはいって、後は寝るだけ、という状態だ。出来ることならこのまま暁人を寝室まで引っ張って行って、さっさと押し倒したいところだが。まるで飼い主に散歩をねだる犬のような目で見つめられては、異を唱えることなど出来ようはずがない。甘いな、俺も。そう思いながら答える。
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