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    うちのけあきとぬいけあき3
    書きたいところだけ

    ##K暁

    そんなわけで御披露目されたぬい暁人とぬいKKは当然アジトメンバーのおもちゃになった。元々おもちゃのカテゴリーではあるが。
    「すごーーーいかわいーーーい!!!!!」
    「これは中に呪物が入っているのか?解体……が無理ならサーモグラフィにかけてみようか」
    『ただの反射的反応じゃない。まるでボクらが見えて聞こえているようだ』
    「サイズ計ってもいい!?服買いたい作りたい!!!」
    「何者かが操っているか擬態している可能性もあるな。KK、ここ数日の言動はどう?」
    『KKは暁人を守ろうとしているのか?指示系統があるのかな?』
    「うるせえ!いっぺんに喋るな!」
    好き勝手言う三人にKKが短気を起こすと逃げ回っていた二匹はKKに飛び付いた。
    「懐いてるんだー!」
    「オマエらが喧しいからだ。普段はその辺で何にもしないで寛いでるよ」
    「僕らもエーテル能力に反応してこうなってると考えてはいるけど、確証はないし、乱暴に扱うのはかわいそうで……」
    ようやく暁人が口を挟むと乱暴反対!乱暴禁止!と絵梨佳が叫ぶ。暁人と絵梨佳に言われてはマッドサイエンティストも下がる他なかった。

    「ぬいあき」
    『け!』
    「ぬいけけ」
    『…と』
    「ちゃんと返事してくれる!賢い!」
    喜ぶ絵梨佳の隣で凛子が送ってくる視線が刺さる。KKにもその意味は理解できている。しかし自ら「暁人の『と』だ」と説明することもできず、したところで何の弁明にもなっていない。
    『二体がエーテルで動いているのは間違いない。恐らくKKと暁人から多くエーテルを吸収しているのだろう』
    「え、それって大丈夫なの!?」
    『ごく少量だから影響はないだろう。その代わりこの人形はほぼ無力だ』
    ぬいけけの方は天狗に案内させて来たがワイヤーを出すのではなく咥えられるか掴まれて来たようだ。
    「エーテルショットは?」
    ぬいあきが短い腕を前に出すとわずかに光が集まるがすぐに拡散してしまう。
    「札…ちょっと光るだけね」
    次に札の上に乗ったが結果はエーテルと大差なく、しかしぬいあきは札の上でぴょんぴょん跳ねた。
    『け、け!』
    「ソイツらに何をさせようってんだ」
    戦闘能力を確かめる凛子にツッコミを入れるとキッチンから「そろそろできるよー」と暁人の声が聞こえてきた。皿を持ったデイルも手伝えと言ってくる。
    「ぬいたちってご飯は?」
    「食えるわけねえだろ」
    ぬいたちも察したのか並んでクッションに横たわった。座れないので必然的にそうなる。
    『…と』
    『け!』
    「ラブラブだねえ」
    「一音で何がわかるんだよ」
    苦言を呈するもののKKにはぬいけけの言いたいことがはっきりとわかる。ぬいあきは率先して絵梨佳や凛子に付き合い、ぬいけけを庇っていた。理由は言わずもがな。その気恥ずかしい感情を隠して炊きたてのご飯をよそった茶碗を受け取った。
    「いつもありがとな」
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    recommended works

    りんご

    DONEK暁デー、初デート。K←暁のようでK→〈超えられない壁〉←暁です。
    理想のデート像を黙って実行するおじと、訳も分からず振り回されるあっきーの話。
    過去それなりに色んな話を書いてきましたが、ぶっちぎりで砂糖吐きそうな話になったと思います。けけは所々横暴だしあっきーはちょっと暴走気味です。そんな二人の初めてなんて、絶対事件になるに決まってるじゃないですか(笑)
    閻魔帳のきれはしには(1)


    待ち合わせは、やっぱり駅前かなあ
    ベタなのは分かってるよ! でも後に来る僕が気になって、その後ろ姿がどこかそわそわしてるの、きっとかわいいなって思うんだろうな


    ◆◆◆◆◆


    『KK

    今日午前11時。渋谷駅北側に集合。』


    凝り固まった肩を回しながら、ネオンが薄まりゆく都会の路地を暁人はゆったりと歩いていた。長期の仕事が終わって漸くまともな寝食にありつけると思えば、心も穏やかになる。
    こんな職業なので、どうしても一日の行動が普通のそれとは大きくずれ込む時がある。今日はそういった日で、数日掛かりの依頼を何とか終わらせたときには、すっかり空が白み始めていたのだ。

    自分の名前をした空を背にしながら、暁人は連絡のためにスリープモードにしていたスマホを起動させた。そこに表示される、送り主と簡素な一文。暁人が首をひねるのも無理はない。めったに文字でのやり取りを行わない人物から突然こんなものが来たら、誰だって困惑するだろう。自分がいない間に向こうで何かあったのかもしれない。それにしても……メッセージ? 凪いでいた心情の波が僅かに揺れて―――まあいいか、と持ち直した。暁人が暁人たるゆえんは、この微妙な状況に対しての構えがやたら大きいことである。波乱万丈な生い立ちのせいで大概のことは受け流せるようになった結果だった。
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    りんご

    DONEK暁デー 『いたずら』 そして表題に戻る系。
    そんなつもりなかった二人がその気になる話です。
    せめて飴くらいは手元に置いとけばよかった!「ご飯? お風呂? それとも僕?」
    「オマエ」

    というわけでこの話は終わった。
    「そんな訳ないでしょ! 何考えてんだよKK!!」
    「いや何なんだよオマエ」
    「こっちが何なんだよ だよ!」
    「なんなんなんだよだよだよ」
    「あああ呪文にするなよ…」
    状況を整理するにしても、普通の生活を詳細に描写する程度のことしかできない。今回の依頼はKK単独の小さなものだったので、資料をまとめることで一日を過ごした暁人は、せめて疲れて帰ってくる相棒のためにと彼の自宅にてご飯や風呂の準備をしていた。合鍵を使って堂々と入り、勝手知ったる様子で冷蔵庫を確認し、風呂の栓を抜いておく。暁人があれこれ始めたことで多少は解消されたが、KKのズボラさは相変わらずだ。買うものの算段を付けて、流しに残っていた食器を洗い、一度外へ出る。必要なものを買い足して再び家へ戻り、手早く下ごしらえを始める。疲れている時はとにかく手軽さ手早さを重視したほうがいいだろう。あの面倒くさがりは手の込んだものを食べるくらいなら、そのまま寝かねない。炊飯器のスイッチを押して、玉ねぎと牛肉を切って皿に移しておく。冷蔵庫へいったん入れて、掃除するべく浴室へ向かった。そこからは家主の帰宅まで散らかったものを拾っておく作業だった。
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