Recent Search
    Sign in to register your favorite tags
    Sign Up, Sign In

    subaccount3210

    ☆quiet follow Yell with Emoji 💖 👍 🎉 😍
    POIPOI 111

    subaccount3210

    ☆quiet follow

    前(https://poipiku.com/8254300/10980511.html)の続きのけけ視点です

    ##K暁

    般若への嫌がらせのために魂を集めたせいか、趣味が高じて妖怪を追いかけたせいか、それともアイツに言われるままに幽霊の頼み事を聞いてやったせいか。正解はわからず終いだがオレは生き返った。
    絵梨佳や凛子が消えるまでは肉体を奪い返して生き返る算段だったのでそれ自体は僥倖だ。何故か絵梨佳と凛子も無事だったのも。
    ただ、これで暁人にとってオレは不要になってしまったのだと自覚すると死にたくなった。
    あの夜オレは暁人を『相棒』と呼んだし実際にそうだったと認識している。暁人の体と人間性、オレの能力と知識。それらのお陰でオレたちは東京を、ひいては世界を救うことができた。
    だがあの夜を過ぎてしまえば、オレの能力や知識は暁人の人生にほぼ役に立たない。多少適合者としての能力は残ったがそもそも般若のせいでマレビトや妖怪が増えていただけで普段は能力を使用しない、探偵のような仕事がほとんどだ。Z世代には氷河期世代の考えなど骨董品のようなもので、ネットで調べた方がマトモな知識が手に入る。ついでにオレは妻子に逃げられるような褒められた性格も持ち合わせていない。
    だから暁人は夏期休暇も終わって大学が始まれば徐々にオレから離れていくだろうと考えていた。そうしたらオレは何のために生きればいいのか。縋るモノが何もない、誰もいない夜の渋谷に放り出されたような気持ちだった。
    ところが暁人はオレから離れていかなかった。エーテルの修行を頼み、可能な範囲で依頼を手伝い、アジトの掃除をし、散らばった主にオレの服を洗濯して片付け、キッチンを新品同然にして飯を作り始めた。
    就職もほぼ内定して卒論の目処もついて家では麻里が復学の勉強で大変そうだからと暁人は言うが、それなら部屋に籠るか遊びに出て行けばいいだけだ。それが遂にはオレの家にまで来るようになった。
    絵梨佳がはしゃいだ様子を隠せずに
    「暁人さんってKKのこと好きなのかな!?」
    と聞いてくるがオレが知りたいしエドは
    『これを期に健康な生活を取り戻すべきだ。その方が正しいデータが採取できる』
    などと抜かすのでデイルがリクエストしたコロッケを腹一杯食べてやった。
    「KKの好きな食べ物って何?」「甘くなければ洋食もいけるよね?」「塩分控えられるように生姜を入れたんだけどどう?」
    なんてあの甘いマスクで問われてその気にならないヤツなんていない。断じてオレは同性愛者ではない、が暁人は『特別』だった。なにせあの夜に誰にも見せてこなかった、見せたくなかった弱い部分を見られて、受け入れられている。そんな相手が残り半分の人生で現れる確率は低い。
    オレには暁人しかいない。そしてもしも暁人も同じように思っているなら。
    上手いこと呼び込んだオレの家の合鍵を
    「お互いの都合を合わせるのが面倒だから」
    と理由をつけて渡すと暁人はわかりやすく喜んで、ますます来るようになった。
    「オマエは特別だ」
    と言うと嬉しそうに目を細め口角を上げる。
    これはそういうことだろう。違ったって、今更逃がす気はない。オレの懐に入ってきたのは暁人の方だ。
    遂にオレが紫煙を被せてキスすると暁人は目玉が飛び出そうなくらい驚いた。
    Tap to full screen .Repost is prohibited
    💖💖💖☺💒👏👏☺💖💒💖💖💖💖💖💖💖
    Let's send reactions!
    Replies from the creator

    recommended works

    32honeymoon

    CAN’T MAKEたまには肉体アリif世界のけけあきちゃんたち。
    ・Kも暁もお互いべた惚れです。あまあま砂糖吐きちゅうい。
    ・常にKおじ視点です。台詞回しに違和感があったらごめんなさい。
    ・特に本編のネタバレはありません。あまいちゃパラレルワールドの2人だと思っていただければ。
    ・えちえちシーンはまた別途。というわけでとても短いです。えち期待してたひと、明日までお預けね。
    『どこまでもふかく、きみと一緒に』「なあ、明日は外食でもしようぜ?たまにはいいだろ」
    ふと思い立ってかわいい恋人をデートに誘ってみたというのに、返ってきたのはつれない答えだった。
    「ごめん、夜コンビニのバイト入れちゃってさ。人足りないって言うから、引き受けちゃったんだよね」
    「はあ?前もンな事言って無かったか」
    「うん。まあ、この時間その分時給もいいしね。明後日は3限からだから、遅くなってもなんとかなるかなって」

    …全く。お人好しも大概にしろよ。折角の誘い断りやがって。
    何となく面白くなくて、オレはふと、こんなことを聞いてみた。

    「なあ。暁人クーン。オレとバイトと、どっちが大事なんだよぉー」
    「…は?」

    突然の言葉に、文字通り目をまん丸くして、皿洗いを終えたばかりでエプロンを外す手が止まる。
    1529

    na2me84

    DOODLE #毎月25日はK暁デー 
    お題【初デート】
    参加させて頂きました。宜しくお願いします。お題が可愛すぎて悩みました…
     渋谷駅前、かの有名な交差点は深夜になっても人も車も途切れることはない。煌々と輝くモニター画面には雑多な情報が流され続け、色鮮やかなLEDに彩られた看板は星の光をかき消すように輝いている。夜の闇さえ寄せ付けない光の奔流は、月の存在までも薄く儚いものに変えてしまったようだ。
     信号が青に変わると一斉に人の流れが動き始め、それぞれの進行方向へと、人々が双方向に入り交じりながら滔々と流れていく。その人混みから少し離れて道路を眺めていた青年が、隣に立つ男に話しかけた。
    「ここだったよね、KK」
    「ああ、そうだったな」
    あの夜、二人が『運命的』に出会った場所がここだった。

     
    「ねぇ、夜の散歩に行かない?」
    暁人がそう声をかけてきた。正直なところ面倒だな、とKKは思った。もう飯も食って風呂もはいって、後は寝るだけ、という状態だ。出来ることならこのまま暁人を寝室まで引っ張って行って、さっさと押し倒したいところだが。まるで飼い主に散歩をねだる犬のような目で見つめられては、異を唱えることなど出来ようはずがない。甘いな、俺も。そう思いながら答える。
    2638

    32honeymoon

    DONE◇#毎月25日はK暁デー ◇お題:匂い
    ・久しぶりのあまいちゃ糖度120ぱーせんとなので苦手な方は要注意!
    ・KKと暁人くんが同棲してる世界のおはなし
    ・相変わらずKKが暁人くん大好きマン

    長編をあげた後だったので、今回は短くさらっと。
    豪雨つづくここ最近、太陽が恋しくなって書いた作品です。
    台風の余波で大変な思いをしている皆さまの地域に、
    はやく気持ちいい秋晴れが届きますように。
    おひさまのにおいはしあわせの匂い。ーそれは秋晴れがさわやかな、とても良い天気のとある一日のおはなし。


    「KKー、布団下ろすの手伝ってー」
    「お?ああ、分かった」

    ソファでくつろいでいた休日のとある夕方。ベランダから聞こえてきた柔らかな声に、KKはよっこらせ、と立ち上がる。

    「布団、干してたのか。いつの間に・・・」
    「そうだよ。気づかなかった?」
    「・・・気づかなかった」

    少しだけばつが悪そうに目をそらす姿にはにかみながら、
    「だって今日はお日様の機嫌が良い一日だったからね。あやからなきゃ」と暁人が言う。

    「お日様の機嫌ねえ・・・また随分と可愛い事言うじゃねえか、」
    オレにしてみりゃただの暑い日って感じだったがな、と続けようとしたのを、KKが済んでの所で飲み込む。
    2373