ベッドサイドにある直方体のデジタル時計を勘で手を伸ばして掴み、引き寄せる。自動で点灯するライトが当たらないように角度を意識して棒の並びを認識しようと目を凝らした。時間はどうでもいい。どうせ何時でも後は満足するまで寝るだけだし、それができるほど明日の予定は二人とも空だ。
六月とは思えない気温と六月らしい湿度。全く地球温暖化など叫ばれ過ぎて枯れ果てて久しいが一声あげたくなるのも理解はできる。それよりももう一度手を伸ばしてリモコンに手を伸ばしてしまうのが人の性だが。
除湿か冷房か迷って後者にする。ラジオか何かで冷房の方が結局除湿効果があるとか言っていた気がする。とにかく太ってもいないが小柄でもない成人男性二人が余すことなく密着している現状は接触冷感素材の寝具を引っ張り出してもないよりマシ程度の効果しかもたらさない。
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