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    DuzB1b

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    DuzB1b

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    文章にする気力が無かったぶつ・・・
    ただの吐きだしですよ!

    晴明は激怒した。
    かの暴虐武人なマッドサイエンティストに一言言ってやらなければならないのだ。
    晴明は恋愛的なお付き合いというものが分からぬ。
    経験が無いのである。
    だから、恋愛の平均的と言われるものに対して無知である。
    しかしながら、無知であるということはイコール愚かにはならないのである。

    そも、晴明の恋人は妖怪である。
    しかも150歳超えのイケメンであり社会的地位もあり装っているとはいえ人当たりだって柔らかである。マッドではあるが。

    ハッキリ言ってモテる。
    そりゃあ、バレンタインデーには本命チョコの山ができるくらいには。
    自分と知り合う前には老若男女人妖問わずにお付き合いをしていた程度には。
    だから、慣れているのだ『恋愛』に。

    デートでのエスコートも
    ちょっとした接触もハグも。

    するり、と触れるそれらに後から気づいて顔を熱くしたことも一度や二度ではないし、キュンとしてしまう(25歳の男がこの言葉を使っていることにゲンナリはするけれども)ことだってある。

    だって僕だって彼が大好きなんだもん!とはせめてもの晴明の弁明である。
    正論ではあるのだろうけれど。

    そう正論であるのだ。
    だれだって好きな人に触れられて嬉しくない訳じゃないのだ、幸せじゃないわけじゃないのだ。触れてほしくない訳が無いのだ。

    老若男女人妖、須らくそうであろうし。

    マッドなサイエンティストな晴明の彼氏だって御多分に漏れずであろう。

    マッドなサイエンティストのくせに、そこらへんはまっとうなのである。
    ただまっとうではあるのだけれど、マッドサイエンティストでもあるので。

    欲には基本正直である上に忠実である。

    曰く
    『お兄さんには、どこでも何をしてても近くに居たら触れたくなるよ』と言える男であるので。リビングで元教え子と談笑しているとき、とか職場で偶然鉢合わせしたときとか、道を歩いているときとか、彼の古くからの友人の前だとかにキスをしてくる。
    そのたびに、真っ赤な顔の教え子に『あ!見てないから気にしないで!』とか廊下に居合わせた同僚に『相変わらずお熱いことやわぁ』とか『見!見てないから大丈夫だよ!』とか、気を遣わせるのも申し訳なくて。穴があったら入りたいよりも、穴を掘ってまで埋まりたいという心境になるのだ。

    (TPOーーーーーーー!?)
    時と場所と場面は選んでしかるべきだという常識をもった晴明ばかりが青くなるのである。何故って?セーラー好き以外は常識人なので。


    だから今日!今日こそはガツンと言ってやるのだ!と彼の寝室でガッツポーズをとっていれば風呂上がりの明君が拭き切れていないぽたぽたと雫を垂らしたままの髪の毛と、釦一つも止められていないパジャマで「何してるの~」なんてほてほてと歩いてくる。

    「もう。面倒だからって釦外したままでいるとお腹冷えちゃうでしょ?」
    「え~~~?大丈夫だよ?」
    プチプチとボタンを一つずつはめては、ガシガシと髪を拭かれれば気持ちいいと目を細めるのだからしょうがない。
    「君は大丈夫かもしれないけど、僕は気になるよ?」
    「それは、僕の裸見ると照れちゃうって事?」
    「違う。君の体調が心配ってこと」
    「んふふ。」
    「何。その笑い方怖いんだけど。」
    「だって、雑にしていればお兄さんが手入れしてくれる上に心配してくれるのって僕にとってはご褒美しかなくない?」
    「・・・・今度からはしないからね」
    「え~~~~~」
    「え~、じゃない」

    タオルドライをしていた髪から手を離して、ぺしんと額を叩く。
    悔しいことに彼の短い髪は、もう結構乾いていたことに気づいて、思わず渋面をすれば
    それすら面白かったのだろう。

    「うん。乾いちゃってたね」
    「残念ながらね」
    「ふふふ。残念なんて思ってない癖に」

    いたずらっ子のような顔をしたな、と思った瞬間には唇にかさついた感触と、ちゅ、という音と、心地いいと思ってしまった自分に打ちのめされる。

    (おうっふ)

    決心した数秒後に負けを認めさせられそうになる自分を何とか叱咤しつつ。
    楽しそうに自分を見つめている顔に対してアイアンクロ―をかます。かましてやるんですよ僕は!(退魔の力は込めないけど!)

    「あはは、お兄さんナニコレ?」
    「アイアンクロ―。」
    「なるほど。何かの技なのかな。まぁいいや。んで僕にこれをしているその心は?」
    「キスが嫌」
    「なるほど・・・って、え???!!」
    「うっさ」
    「うっさ、じゃないよ!?え?なに?キス嫌なの?」

    キスが嫌かどうかで聞かれたら正直に言えば嫌じゃないけど・・うん見栄は張らせて。
    だけど
    「え?嘘でしょ?」「あんなにとろけた顔晒しておいて?」「むしろその唇は僕にキスされるためにそんなに美味しそうな色していると思うんだけど?」アイアンクロ―されながら顔を赤くしてちょっと気持ち悪いことを言い出し始めた明君にお灸をすえる意味で(いやだって、ここで「嫌じゃないけど」って言ったら「え?何もっとキスしてほしいからそんな事言っちゃったの?」なんてコペルニクスもびっくりな理論展開させそうだしね)

    「嫌だよ」
    出来るだけ冷静な声で言えば、少しの沈黙の後

    ガブリと、アイアンクロ―かましていた手を噛まれたと思ったら抱えられてベッドでマウントを取られるまで僅か10秒。

    「嫌なの?」
    「嫌だよ」
    「例えば?」
    「例えば???」
    「例えばどこが嫌なの?」

    どこが?どこがって。
    うんえっと、キス自体は嫌いじゃないし(精一杯の虚勢)しいて言うならTPOをわきまえないところだけど、ここでちょっとでも好きって言おうもんなら、さらに「好きならいいでしょ」とか言ってくる奴だもんね!君は。えっと、、じゃあ?

    ぐるぐる回る思考に、紡ぐ言葉を選んでる僕に珍しくしびれを切らした明君ははぁ、っと溜息をついて

    「うん。わかった。じゃあ好きになってもらえるようにすればいいんだもんね」

    長い指でするり、と僕の唇を撫でた

    *************

    後日談
    「というか君はなんでそんなにキスが好きなのさ?」
    ベッドに寝転んで、熱を持っている唇をできる限り冷やそうと自分の指をあてる。
    アレから嫌というほどに多種多様なキスをされては「コレは?どう?」「こっちの方がいい??」なんて聞かれた僕はすでに疲労困憊でベッドに沈んだまま、疑問を呈せば。

    「・・・・・口の中って本人が安全だって思うものしか、入れていいって思わないからね」

    と笑った

    ********

    いつでもどこでもキスがしたい明と、TPOはわきまえたい晴の話。
    ちなみに明は過去付き合った人たちとはキスしたことないと言い。
    (「口の中に入れられるのは、入れていいって思うものだけ」)
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