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    めんだこ

    @MendakoXiu98425

    K2の富Kに惹かれ拙い小説を書いております。
    仲良し馬鹿話好きです。
    もう少しお色気あってもいいのよ⁈な2人になってしまっております。

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    めんだこ

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    幽体離脱できる特殊体質持ちのとみながけんたと神代一人のお話です。
    『カワイイ』に全力で挑戦しました。イメージは『ぬいのような姿の魂』で書いてます。

    続き物の第二夜目ですが全て単品でも分かるようにしたつもりです。
    最終夜の第三夜も明日UPします。

    #富K
    #K2
    #ギャグ
    gag

    【夢でもし逢えたら 二夜目】 富永研太富永研太は幽体離脱できる。しかし本人は知らない。目覚めた時、余りの多幸感に覚醒まで時間を要する自覚があるだけである。そして隙間時間を見つけては覚えている限りの内容を手近なメモに残し宝箱BOX(物理)に入れる。
    勿論誰にも見せず、話さない。
    話してしまったらもう二度と、この夢が見れなくなってしまうような気がするから。


    目の前の金属光沢を放つ壁がパタリと倒れ、開けた視界に巨大な美人が現れた。
    「やっぱりいたか…」
    「こんばんはー!また遊びに来ました‼︎」

    比較的早い時間に一日の業務がほぼ終わり譲介が彼の部屋へ戻った後、最後の仕上げとして日中届いたメールチェックしていた神代はモニタの裏側に気配を感じ、ノートパソコンをそのまま閉じた。
    そこには予想通り、小さな富永がいた。
    体長8センチ強。体重不明。体格2.5頭身。目と口は確認できるが鼻は無い。どこから息をしているんだと毎回疑問に思うが本人に不都合が無いならそれで良いのだろう。深く考えないこととする。 それよりも昔ここにいた頃と同じGパンにTシャツ、白衣の袖を捲り上げた姿に思わず微笑む。

    「今夜は早く床につけたようだな?」
    「いえ、今オレ多分タクシーの中っスね」
    そう答えながら小さな富永はノートパソコンを回り込み診察室の机の端まで小走りに移動した。思った通りに動ける。よし、今回の夢も明晰夢だ。
    Kと話をするためにもの凄く反り返った姿勢になるけど、いっつも見上げていたからあんまり変わらないかな?と富永は思った。夢の中でもこのひとは綺麗だなぁと毎回思う事を今回も思った。
    「よその病院の先生方と軽く飲んだ帰りっス」
    「では車内でうたた寝しているのか?」
    「そうみたいですね。大した量は飲んで無いので、酒に酔ったと言うよりも睡眠不足が続いていたからそっちの眠気ですね」
    あ、なんかこのひと心配そうなカオしてくれてる。嬉しい!
    「大丈夫ですよ!顔見知りの運転手さんだったから。自宅に着いたら起こすって言ってくれました」
    そうだ。そのはずだ。
    懇親会の後タクシーを呼んだ。たまたま知り合い、と言うか元患者さんの運転する車が来た。院長の生活サイクルを知る元患者現ドライバーは、富永が後部座席に座るなりお疲れでしょう寝てて下さいと柔らかく言った。
    ありがたい。
    「てな訳でまたこの夢が見れました!嬉しいっス‼︎」
    富永は輝く笑顔でそう言った。そりゃもう心底嬉しかったから。

    「そうか。既に飲んでいてしかし酒量が過ぎている訳でもなく、この後は自宅で休むだけか…」
    神代は顎に手をやりほんの一瞬思案する。
    「頂き物の酒がある。日本酒だが飲むか?」
    「いただきます‼︎」
    即答が返ってきた。 小さな富永の足元にそっと手を差し出す。
    軽く当たっただけで何処かに怪我をさせてしまうかもしれない。富永の耐久性が全く分からない。慎重過ぎる位が良い。
    小さな富永は躊躇なく、むしろ飛び込む勢いで神代の手のひらに収まった。
    診察室の机から昔毎日共に食事を取ったテーブルへと富永を連れて行く。僅かな距離だが決して落とさないように、神代は小さな戦友を胸元で慎重に両手で包み込む。

    何でしょうこの天国は⁈
    ふわりとした浮遊感の直後、もう片方の手でも包まれた事が分かった。四方八方360度かみしろかずと。うつ伏せで寝転び全身でかみしろかずとを味わうオレ。
    あ、もしかして指の間に見えてるこの黒いの、あの人のインナー?オレ今あの人の胸にいるの⁈
    ナニこれサイコー‼︎もしや極楽⁈さてはエルドラド⁈

    「うひゃゃゃあぁグフフ」
    …胸元から何やら邪な声が聞こえたような気がしたが、無視する。

    「ほら、降りろ」
    たった数歩の距離、数秒の間に指と手のひらにべったり張り付いた富永へ降りるよう促す。
    「はー。ここ気持ちいー。降りたくないー。いいゆめー」
    「酔っ払いだなぁ…」
    「酔ってません!」
    それはヨッパライしか言わない言葉なのでは?と神代は思った。高らかに酔ってます宣言した富永は手からポンと飛び降りる。
    テーブルの上から見渡す風景は見慣れたもので…あれ?ここのカーテン、こんな色だったっけ?棚にもチラホラ見た事のない物品が…。

    テーブルに富永を置いた神代は板の上に直座りもなかろうと、座布団代わりになる物を探す。ああ、街で購入したペットボトルのお茶にミニタオルの景品が付いていた。あれを使おう。取っておいて良かった。
    …富永は夢を見ているらしい。ここは彼にとって夢の世界なのだろう。それは良い。ただ、神代にとっては毎日続く『日常』の中なのだ。
    初めて小さな富永が現れた時は驚いたが、そんなこともあるかとあっさり受け入れた。人間が理解し科学的に判明している事など多寡が知れている。しかし幽体離脱して遊びに来るのは富永らしいと思った。
    透明ビニールに包まれたミニタオルを取り出し四つ折りにする。素材が柔らかいから座り心地は悪くなさそうだ。
    あまり使う事の無い小児用シロップ薬を入れる為のカップを取り出す。10ccのものでも…少し大きいか?スチロール樹脂製だからそんなに重くはないと思うが。
    テーブルに戻ると富永は辺りを熱心に見回していた。視線の先は最近入れ替えたり購入したばかりの物品だ。よく分かるものだと感心する。

    見慣れた風景の見慣れない物を観察しているうちに、四つ折の青いふわふわしたタオルと小児用薬杯飲み口付きがコトンと置かれた。
    ありがとうございますとお礼を言ってタオル座布団に正座する。
    重量感のある未開封の一升瓶『山の風』がゴトリと置かれた。アルミの外枠を外して、わぁ、片手の親指1本で軽く栓開けたよ。カッコいいなぁ。
    富永もお子様用シロップ薬カップを両手で抱え、構える。片手で一升瓶を持った神代から芳醇な酒を受ける。細く静かに注がれた液体は8ccラインで寸分の狂いもなくピタリと止まった。完璧。
    うーむ、このひとはアレですね?バーテンダーもいけますね?何層あるのよコレスゲェ!的なプースカフェカクテルをサクッと出して来ますね⁈
    「いただきます!」
    透明カップに口を付け、豪快に飲んでみる。
    …うまぁ‼︎やっぱ美味いわこの酒。あんまり店に出回って無いから他所では飲めない。
    ここの酒。ここの味。
    「…そのカップでは大き過ぎたか?」
    アレ?このひとなんか心配してる?大丈夫なのに。
    「樽抱えて飲んでるみたいで痛快ッス!やっぱコレ美味いっスねぇ‼︎」
    タオルお座布団の上で足を崩して胡座を組み、本格的に飲む体勢に入る。美味しいからチビチビやりたいけど、この身体でそれやってたら減らないしね。夢の中でくらい大胆に飲んでも良いでしょ?良いっスよね⁈
    Kも手酌で付き合ってくれてる。嬉しいなぁ。お酌返せなくてゴメンなさい!

    「いや〜このままここに住んじゃおっ…」
    「却下」
    「ええー。何でですかぁ」
    「身体はどうなる。前来た時に自分で言っていただろう?」
    「実家の職種的にみんなで何とかしてくれるんじゃないかなぁ〜と」
    「却下だ」
    アナタちょっと呆れてますね?何ですかそのジト目は。いやぁ美人に見下げられるとゾクゾクするわぁ。新たな扉が開く予感…
    「うー。いいですぅ知ってますぅ言ってみただけですぅ」
    「……ヨッパライだなぁ」
    心底呆れてますね⁈
    「酔ってないですぅ夢の中では素直なだけですぅ」
    「そのへんはあんまり変わってないと思うぞ?」
    あれ?真顔で言われた?

    楽しくてずっとここに居たいのに。夢の中で逢っていたいのに。
    「あ」
    「どうした」
    誰かに肩を軽く揺さぶられている気がする。それに…
    「何か話しかけられてる?」

    「着いたんだな」
    ささやかな酒宴の終わりを神代は寂しく思った。いや、短い時間だけでも会いに来てくれた事に感謝しよう。
    元気でいる事が分かればそれで充分だ。
    「えー。もっとアンタと一緒にいたいっス‼︎」
    この愛しい酔っ払いを家に帰さなければならない。

    「また来たらいい。いつでも。お前がシラフで俺が忙しい時は手伝ってもらう」
    「分かりました。富永研太、何でもお手伝いしますよ!」
    一瞬、このひとが寂しそうな目をしたような気がした。別れが切なくて、でもそう思ってくれるのが嬉しくて意識がはっきりする。
    そんなオレにこのひとは柔らかく微笑んで言った。
    「ふふっ。その時は頼んだ。さあもう行け。運転手さんが待っている」
    「はい。それじゃあ、また」
    「ああ。またな」
    見送る神代の前で小さな富永はふわりと消えた。

    そこに座る人が消えた座布団はタオルハンカチへと戻った。
    次に使われる機会はいつなのか分からない小児用薬杯を手に取る。…いや、次もまた富永が使うんじゃないか?
    毎回アルコールが飲める状況にある訳ではないだろう。ノンアルコール飲料を数種類用意しておこうと神代は考え、そして幽体離脱ができる富永を羨ましいと、ふと思った。 似たような夢をたまに見るが、自分には出来ないだろうな、と。
    もう少し、逢えたら良いのにな、と。



                 続
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    めんだこ

    DONE渾身の力を込めてカワイイを書きました!!
    いまのわしのせいいっぱいだ。
    幽体離脱できる富永研太と神代一人の第三夜で最終夜です。一話完結ですので単品でもどうぞ。幽体離脱後のイメージは動く『ぬい』です。
    しかし、自分としては大きな神代一人も可愛い。きみは実に残念美人だwwwごめんねこういう風にしか書いてやれなくて。でもどうしてもダメなトコがカワイイんだwww
    【夢でもし逢えたら 第三夜 最終話】 二人の夜神代一人は都心での出張予定が入っていた。日時のうち開始時間は決まっているが終了予定時刻は分からない。大概そんな時は予想を超える時刻となり、その日のうちに村へは帰れない。しかしその翌日には昼に診療所で手術の予定が入っている。こちらも日時は動かせない。これは都内一泊、手術当日早朝移動しかないな、とカレンダーに書き込む。

    富永研太は連続出張予定が入っていた。まずは都内。終了時間目処全く立たず。翌日は遥か北の大地で行われる大学時代の恩師の講演会。どう考えても都内で一泊から飛行機で翌日早朝出発。

    大した要件でもない電話での雑談で、お互いの弾丸出張日時と場所が一部合致している事が判明し、ならば一緒の宿に泊まるかと言う流れになった。
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    めんだこ

    DONEK2 富K 第6回不思議空間ラブコメギャグラジオ小噺です。曖昧時代でふんわり原作進行にリンクしたメタ空間で放送されている富永総合病院提供の広報ラジオ番組。パーソナリティ富永研太、パートナー神代一人で馬鹿話をお送りしております。仲良しですが会話がズレてる残念バカップル。基本的に一話完結。
    ご注意!→出てくる人全員お馬鹿です。
    第6回 ケンタとカズトのきらきらラジオ 【しこうのりょういき】〈2023/12/13〉それでは行ってみましょーか!ハイせーの
    「ケンタと」

    「カズトの」

    「きらきらラジオ」
    「きらきらラジオ」

    はいどうも皆さんこんにちは!何だかお久しぶりの感がありますが、この度〈おててつないでバンザイ〉をクリア致しました医師をやっております上機嫌の富永研太です!

    その伝え方では全く何の事か分からんぞ。
    2人で手を繋ぎ両手を上にあげたポーズの写真を広報で使うと言われ、先程撮影を終えた医師をやっております神代一人です。

    はい!仕事にかこつけてね!好きな人の手を握るというね!老獪極まりない汚い大人になりましたよオレは!なれましたよ ガンバったオレ!良くガンバッた 職権はね乱用するためにあるんですよ⁉コレご褒美に日々邁進ですよ⁈
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    めんだこ

    DONEK2 富K 第5回不思議空間ラブコメラジオギャグ馬鹿小噺です。仲良しですがエロ無し残念カップルです。原作進行にふんわりリンクしたメタ空間です。ギャグを隠れ蓑に好き放題やっております。ラジオは続いておりますが時代はバラバラです。今回は前作と合わせた2部構成となっております。
    ご注意!→出てくる人間全員おバカです。誰ひとり医師の知性の輝きはありません!
    第5回 ケンタとカズトのきらきらラジオ 【とおいみらい2】〈2023/10/12〉そいじゃね、いきますよ?

    分かった。

    「ケンタと」

    「カズトの」

    「大人のラブコメきらきらラジオ」
    「大人のラブコメきらきらラジオ」

    はい!今回はね試験的に大人のラブコメをタイトルにくっつけてみましたーwww

    飲酒喫煙、競輪競馬、年金の支払い。その他もろもろ。喫煙はしないし賭け事は良く分からない。

    そーですよねー。大人の権利と義務ですよねー。そんでアンタ、賭け事のビギナーズラック無さそうwwwでもそのうち超大穴当てそうwww
    何だかね、おいしいお高いお酒飲んじゃいたい気分ですよね、いつの日か。てか、今飲んじゃいます?www

    いや、一応仕事中だろ?

    おお!とうとうアンタからも「一応」が付くようになりましたか!良い傾向です。リラックス空間で参りましょう!
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    めんだこ

    DONEK2 第4回 富K不思議空間ラジオギャグバカ話です。今回もメタが入っております。苦手な方申し訳ありません。ラジオは前回と続いておりますが時代はバラバラです。時をかける医者です。
    ご注意!→2人ともお馬鹿さんです。ぬるい目で見守ってやって下さい。
    私事ですが大病院送りになりましたwww 命に別状はナシです。皆様もお身体ご注意下さい。異常があれば病院へGOですよ!
    第4回 ケンタとカズトのきらきらラジオ 【とおいみらい】<2023/09/16>「ケンタと」

    「カズトの」

    「きらきらラジオ」
    「きらきらラジオ」

    ハイ皆さんこんにちは!
    ネット環境ナシで気軽に楽しめるこのラジオ、パーソナリティを務めます富永研太です。この番組は医療界の『今』を伝えることなく医者2人がただただどーでもいい話を繰り広げるだけの番組となっております。

    くだらない話のパートナーを務めます神代一人です。

    前回放送時、「次はN県T村で!ソバ食う!」とか言ってたんですけどね。何だかね。

    うむ。何だかな。

    何かねぇ。遠い遠い未来にここで何かが起こっているような気がする。凄いことが。
    なので虫の知らせに従い収録地をここ富永総合病院職員専用駐車場へ急遽変更しました。

    何だろうな。でも俺もここに居たい気がする。と言うか、今はいつなんだろうな。どの時代だ?
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    MEMOジェイ→トレケイのつもり。ギャグですな ぜ 振 ら れ た ? !

    僕の頭の中はこれで占められていました。
    どこかのたこちゃんを思い出しますね。でも気にすべきはそこでは無いのです。

    昨日のフロイドの呟いた、「泡にならないで」という言葉で覚醒しました。
    僕はジェイド。ジェイド・リーチ。頭脳明晰眉目秀麗容姿端麗。このビジュアルをもってすればポムフィオーレ寮に入ることも夢ではないでしょう。天才フロイドの片割れであり、あのアズール・アーシェングロットをして有能と言わしめたこの僕が!

    「屈辱です」

    別に振られたことではありません。それはトレイさんが予定調和を崩したことにほかなりません。彼でなければ男だろうが女だろうがこの僕を振るなんて出来ないでしょう。流石トレイさんです。

    つまり、
    僕は敬愛する海の魔女と契約し、その力をもってして王子の城に転がり込むことに成功しておきながら、結局別の女に自分の手柄を掠め取られた人魚姫と同じ状況なことが気に食わないのです。ろくに服も着ないで波打ち際に倒れるという醜態をよく想い人に晒せるものですね。しかも姉妹の救いの手も取らず短剣を刺せずに自ら泡になったなんて。昔フロイドと読んだ時は僕なら滅 1558

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