謎時空で姉の婚約者であるki×義兄に迫られるisなkiis♀謎時空で姉の婚約者であるki×義兄に迫られるisなkiis♀
41♀には大好きな姉がいる。とびきり美人で優しい姉を41は自慢に思いそして慕っていた。そんな姉にはドイツ人の婚約者がいる。会社の紹介で出会ったというその男は有名なやり手の資産家で、紳士的でなにより容姿端麗な彼に姉は惚れ込んでいた。
よくkiの話をする姉は幸せそうで、彼からもらったという婚約指輪を大切にしていた。そうしてある日彼の方から両親に挨拶を顔合わせをしたいとの申し出に、両親と41は高級ホテルのレストランにて初めて姉の婚約者を見た。本当は両親だけのつもりだったけど、姉は41のことも話していたようで、妹さんもと誘われ、そのご好意に甘えたのだ。ドイツ人だと言うkiだが日本語も堪能で、話も上手だった。またその美しい容姿に魅せられ、両親はいたく気に入ったようだった。3つのKが揃い、尚且つ見た目の良い彼に良い印象を抱かない訳がない。隣に座る姉はずっと嬉しげに笑っていた。しかし、41だけはそわそわと落ち着かなかった。彼と挨拶して目を合わせてから、何だかまとわりつく嫌な視線を感じている。両親と姉と穏やかに談笑している彼を盗み見れば、ふとまたその青で目があった。ニコリと笑みを返され、慌てて41は目を逸らした。誤魔化すように料理を口に放り込む。
「口にあうかい?」
「へ?あ、はい」
美味しいです…と小声で返すと彼は良かったとほっと息をついたようだった。両親と姉はいつもと違いしおらしい41に「やだこの子緊張してるのかしら」「ki君みたいな色男に照れてるんだ」と笑っていた。kiはいいんですよと微笑み返し、未だに下を向きつつ料理を咀嚼していた41に再び声をかける。
「長い付き合いになる、これからよろしく頼むよ」
差し出される握手に、おずおずと手を伸ばせば、ぎゅっと少し痛いぐらいに手を握られた。
長い付き合いになる。その言葉に姉は「やだ」と照れたように頬を染めている。
手が離れる瞬間、kiが名残惜しさを残すかのように手の甲をするりと撫でた。
「は、い。姉を、よろしくお願いします」
不用意な接触に、内心びくりとしつつ言葉を返す。
それからは会食が終わるまで、41はひたすら彼の方は見ないようにした。本能が必要以上に近づくべきでないと告げていたから。先程撫でられた甲の感触を消しさりたいと、手を無意識にこする。
視線をまた感じる。
でも気づかないふりを続ければいい。気づかないで近づかなければ、なにもない筈だから。今度からはこういう場に自分は来ないようにしようと思った。
しかし41の思いとは裏腹に運命はすすんでいく。
kiは41の家族と顔合わせをしてから、41の家をよく訪れるようになったのである。
「こんにちは、41」