日付変更線を越えろ(西から東へ) ふと意識が覚醒して、見上げた天井は確かに自宅ではあるが、寝室ではない。リビングだった。
そうすぐ判断できたのは、壁紙だけではなく、全身固まったような背中の痛みだ。リビングで、しかも床で寝ている。
なぜ床で寝ているのか、トウマは昨日の記憶を手繰り寄せる。
昨日は一二月二四日、クリスマスイブだった。
俺んちでクリスマスパーティするぞ! と張り切ってメンバーを誘って、なんだかんだ三人とも乗り気だったところまでは良かったが、機材トラブルだなんだ、予定通りことが進まないなんていうのはよくある業界なので、まぁ予定は押した。一七歳の悠が働けるギリギリの時間まで押した。
今夜のパーティは無理かもなぁ、と顔には出さないがメンバー全員内心感じていたが、宇都木がトウマのマンションまで四人まとめて車で送り届ける道すがら、クリスマスといえばこれだろ、という店へ次々立ち寄ってチキンだピザだケーキだ必要なものすべて揃ってしまった。
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