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    kona

    @kxs_kixx_air

    五受け(呪)/供養用/初心者マーク

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    kona

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    初めてセッしてから五に逃げられてブチぎれる七の話
    余裕がありそうに見えて七だって必死なんですよという話にしたかった

    #七五
    seventy-five

    【七五】 運転席から出てきた補助監督に軽く頭を下げて、車の後部座席に乗り込んだ。
     シートに腰を落ち着ければ、すぐに車は滑らかに発進する。と、同時に背広のポケットからスマートフォンを取り出した。そのままトークアプリの画面を呼びだす。
     自分が数日前に送信したメッセージが画面の最後に現れたのを確認する。「既読」が付かないままのそれは任務の前に見たときから何も変わっていない。
     しばらく逡巡した後、文字を打とうとしていた指を止めた。
     ハアとため息をつく。思いの外車内に大きく響いたそれに、運転席の補助監督がびくりと肩を揺らした。
     けれども、当の七海はそんなことにも気が付かないほどに焦っていた。

     五条と連絡が取れなくなって数か月。
     変わり映えしない画面を見つめながら七海はもう一度ため息をついた。



     何がどうなってそうなったのかいまだに分からないが、五条と七海は恋人である。

     いくら顔面がこの世のものとは思えないレベルで美しかろうと、圧倒的に呪術にたけていようと何かと厄介で面倒な、できれば関わりたくはなかった先輩だったはずなのにいつの間にやら彼のそばにいたいと願うようになっていた。
     恋は思案の外とはよく言ったものである。

     コップの縁ギリギリに留まるかのように今にも零れ落ちそうなそれを抑え込みながら彼と過ごす中。もしかしたら五条も七海と同じものを持て余しているかもしれないと気がついたのは必然だった。
     お互いに熱の籠もった視線を交わすこともあれば、気安い応酬の中でふいに空気が張り詰めることもあった。
     どちら先に言葉にするのか、ただそれだけだった。
     けれども彼は絶対に何も言わなかった。

     五条は現代最強の呪術師であり、御三家の当主、呪術界の要だ。
     もともと五条は七海が呪術界のいざこざに巻きまれることをひどく嫌がる。できるだけ自分に巻き込まないようにと苦心していることも知っていた。
     このまま自分に巻き込んでしまえば、いろんなしがらみや、厄介ごとが七海に降りかかることを分かっていたからだろう。

     七海だって分かってはいた。
     けれど。

     いつ溢れ出してもおかしくないそれに気が付きながら、見て見ぬふりができるほど達観していない。
     だから、それでもいいと手を伸ばした。
     迷うように揺れている彼の瞳を見つめながら、「アナタが好きです。恋人になってください」と伝えた。告げた七海に驚いたように瞳を見開いていた五条が、逡巡したのちにようやくこくりと頷いてくれた時には柄にもなく歓呼の声を上げてしまいそうになった。

     そうして付き合い始めて約1ヶ月。
     五条と初めてセックスをした。

     付き合い始めてからキスや軽い触れ合い程度なら何度かしたことがあるが、最後まで身体を繋げたことはなかった。五条はもともと恋愛経験が少ないようだったし、ましてやお互い男同士で付き合ったこともない。加えて男同士でのセックスはハードルが高いという。ゆっくり進めていくべきなのだろう。

     けれども七海は五条をどうしても抱きたかった。
     他人から受け取ることが下手くそなこの人に、なんでもいいから自分が何かを与えてやりたかった。

     だから、「抱かせてください」と素直に打ち明けた。うららかな光が窓辺から降り注いでいる昼下がり。ソファーで七海の出張土産を頬張っていた五条はこれ以上ないほどに目を見開いたまま「…マジでいってんの?お前、正気?」と呆けた顔でそうこぼした。
     言葉だけをとるならならひどい言い草だが、その頬は紅く染まっている。
     その様子を見ながら七海は頭を抱えた。

     なんだその反応は。

     七海の知っている五条はこんなふうに照れたりしない。潤んだ瞳でうろうろと視線を彷徨わせたりしない。
     こんなのあまりにも可愛すぎるだろう。
     落ち着くために深く息を吸ったけれど、いっこうに落ち着きやしない。
     思わずそのまま押し倒さなかった自分を褒めてやりたい。

     大の大人が無言のまま、ソファーの上でお互いに顔を赤くしている姿ははたから見ればさぞ滑稽だろう。
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    kyou99999

    DONE #勝手に伏五ワンドロワンライ に参加させていただきました。
    お題「チョコレート」
    「おっっっそい!」
    「え~、4分しか遅れてないしまだ開店前じゃん~。僕にしては頑張った方だよ?」
    「確かに先週よりはマシだけど、これは戦争なのよ。開店前到着は当たり前でしょ」

    五条悟と釘崎野薔薇はデパートの入り口に居た。まだ開店前であるにも関わらず、既に何人もの人間が集まっている。多くは女性で、ただでさえ目立つ五条が飛び抜けて人目をひいていた。
    世はバレンタインデー直前。気になるあの人に、恋人に、パートナーに、と甘い思い出を求めてチョコレートを買い求める人はもちろん、友人に渡す友チョコ買いに来る人もいる。しかし近年ではますます自分用に高級チョコレートを買い求める若い女性の需要が増え、それに則した商品を売り出す企業も多く存在する。
    今日2人がこの場所を訪れた理由も、この数日間だけ数量限定で販売されるチョコレートを自分用に入手するためだった。
    五条と釘崎は1月末から休みが合った日は毎回必ず東京近郊のデパートに繰り出している。釘崎は熱心に調べ物をし、各店の特徴や販売個数、販売時期などを調べることは苦にならなかったし、五条は荷物持ちや混雑した通路を切り開くことに長けていた。利害の一致である。 1401

    ju__mati

    MOURNING支部にあげてる『泥闇〜』の夜明けのベランダシーンの七海目線が出てきたのであげてみますね。ここまで書いて、五条目線の方がいいな、と思ったので書き直したんですが、これはこれで気に入ってます。ある晩、七海はふと目を覚ました。カーテンの向こうはまだ暗い。その日は早めにベッドに入ったはずだったが、もう一度目を閉じても眠れない類の目覚めだった。ため息をついてベッドを降りる。
    スマホで時間を確認すると、まだ深夜と言っていい時刻だった。暗い部屋にスマホの画面だけが光る。ホーム画面に戻っても、SNSの通知も着信も来ていない。またひとつ、ため息をつく。
    フロアランプをつけてリビングへの扉を開ける。特に何をしようと思ったわけでもなかったが、あとから考えれば何かしらの予感があったのかも知れない。台所で水を飲み、顔を上げると、ちょうど掃き出し窓が目に入った。明確な胸騒ぎを覚え、そっと窓際へと歩を進める。
    七海には目の前の呪力しか見えないが、それでも気配で分かった。窓の向こうに誰かがいる。勘違いでなければ。

    「五条さん……」

    カーテンを開けた先のベランダに、五条がいた。手すりに肘をつき、もう片方の手をひらひらと振って、こちらを見ている。慌てて解錠し、窓を開ける。

    「よっ、元気?」

    サングラス越しの五条の表情はよく分からなかった。唇はいつも通りの笑みを浮かべているように見える。七海は、とっ 2928

    marimo_zasshoku

    DONE・何でも許せる方向け(小説ど下手くそです泣泣泣)
    ・七五←モブ
    ・窓の喪部山(もぶやま)というオリキャラ(モブ)が出てきます。
    悟の手首を掴む以外のおさわりは一切ありません。
    若干いかがわしいです。
    中途半端で終わってます。
    術式とかはよくわかりません。自己解釈でお願いします。
    モブやストーリーに問題があれば消します。
    お題に添えていなかったらすみません。
    ○○○しないと出られない部屋数週間連続の勤務真っ最中だと言うのに、その日五条は浮かれていた。
    連勤なのは今に始まった事ではないが、とにかく足取りが軽くはちゃめちゃにご機嫌だった。
    「七海がね~僕に会いたいからお昼に待っててくれってぇ」
    先生今日はなんでそんなにテンションたっけえの?と悠仁が楽しげに聞くものだから、くちもとに両の拳を添え、えへへと幼稚に笑う。
    次の任務の都合で一時間という短い会瀬になるが、久しぶりの七海をじかに堪能出来るので、たとえ周りにひとがいようが抱きついて離さないつもりでいた。
    そろそろ七海が高専に戻って来る。
    アイマスクをおろす。これで準備良し。僕の可愛い顔を七海に見せつけてやるんだ。
    因みに、さっき急いでシャワーを浴びたから僕の髪は半乾きだし肌はしっとりと濡れている。念のため後ろもキレイにした。
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