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    69asuna18

    ドカメン:宗雨
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    69asuna18

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    お題サイト『確かに恋だった』様

    【キューピットは語る】
    1.いい加減くっつけ
    2.見てるこっちがハラハラ
    3.我ながら完璧な舞台設定
    4.照れ屋もここまでくると病気
    5.ようやくこの日が
    おまけの6.惚気は他でやってくれ
    (わたし/俺のおかげってこと忘れてない?)
    全部書けたらpixivにあげるつもり

    #ジョーチェリ
    giocelli

    4.テレ屋もここまで来ると病気「はい、アクアパッツァおまち」
    「水族館の後にアクアパッツァってな」

    はははっと薫は機嫌よさそうに笑った。珍しく喧嘩をせずに水族館を見て回り。こっそり繋いだ手はそのままに、いつもより少し近い距離でまるで子供みたいにアレはなんだろう、きれいだなと虎次郎は話をした。それなのに薫は、ひらひらと泳ぐ鯛を見て「アクアパッツァ食いたいな」なんて言うのだ。それからは、あれは寿司がいいだの、マリネもいいだの。大凡水族館には相応しくない話になって、帰りに虎次郎の家に寄るから、食事させてくれと薫にお願いされたら、虎次郎は頷くしかなかった。寧ろ、もう少し一緒に居たいとそう願ったのは彼も同じで。久しぶりに一緒に食事が出来るのは、正直ニヤけてしまうくらい嬉しかった。

    「美味いか?」
    「あぁ」

    本当に美味しいと思っている時の薫は無口だ。食事に集中していて、きっと喋る時間すら惜しいのだろう。少なくなったワイングラスに白ワインを足してやると、視線を上げてニコリと微笑む。鯛を飲み込み、白ワインを煽りコクッと喉を鳴らす。

    「久しぶりに食べると染みるな」
    「ん?アクアパッツァか?」

    別にイタリアンに行けばあるだろうと思った。しばらくあってないのだから、他の店に行って食事しているんだろうと思っていた。なのに、薫は愛しそうに目を細めて囁くのだ。

    「お前の料理」

    と。まるで、愛を囁くみたいに。

    「やっぱり、お前の料理が一番だな。他のはわざわざ行く気にならない」

    ワイングラスをくるくると回し、うっとりとそれを見つめる。惚けた顔でそれを見ていると、薫はまた笑って「なんて顔してるんだ」って言う。もう、全てが愛しくて、堪らなくて。虎次郎は薫にそっと唇を寄せた。

    パンッと、乾いた音が部屋に響く。さっきまで優しい笑みで笑っていた薫は、怒りで真っ赤に顔を染めて肩を上下させて荒く息を吐く。

    「……ぉ、…っ、女と間違えたか」
    「違う、んなんじゃ…っ!」

    否定しているのに、薫はグラスをテーブルに置いてガンッと脚をテーブルにぶつけながら、慌てて出ていこうとする。それを、静止するように肩を掴む。一瞬だけ、力が抜けて留まってくれるのかと思った。言うなら今しか無いと思った。

    「好きだからだよ。…ずっと」

    そう言うとまた全身に力が篭もる。薫は一向にこっちを向いてくれないまま。

    「そんなに、簡単に言うな」

    そう吐き出して、逃げる様に玄関を飛び出した。桜色の髪から覗く真っ白な耳が真っ赤に染まるのが忘れられなかった。

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    emotokei

    DONEじれったいお題ったーより、
    お題『くるしいけど、しあわせ』

    DK幼馴染ジョーチェリ。愛抱夢の「卒業」の時。
    ❤←🌸だと感じている🐯がいます。
    🐯が過去に🌸以外と関係を持った描写あり。

    えっちなの書こうとしたけど中略しちゃったので、
    そのうち中略部分をちゃんと書けたらいいですね…。
     誰かに触れることがこんなに怖いなんてはじめてだ。

     他人と肌を重ねるのは、はじめてじゃない。むしろ、どちらかといえば、この年齢にしては慣れている方だと思う。
     手に入らない唯一以外は誰もが同じように見えたし、同じように快楽で鋳つぶしてきた。分け合う熱の心地良さを知っているつもりでいた。
     女の子はすきだ。柔らかくて、すべすべしていて、甘い声が気持ちよくて、深く繋がる感覚で互いに溺れていく時間は楽しくて好きだった。ぐるぐると渦を巻くような激情とは違う、暖かく穏やかなふれあいは、ひどく安心した。
     男を相手にしたこともある。相手は決まって鎖骨と腰骨がはっきりと浮き出ているような細身の男ばかりだ。骨張った身体は受け入れる時の滑らかさが足りず、後ろから突き上げる度にのけぞる背中を心の柔い部分を占める相手といつだって重ねていた。
    1597

    mkm_ao

    MENU🍳「おまえとふたりで朝食を」A5/30ページ 2022/3/27発行
    掌編連作ごはん本。
    9話後、南城が桜屋敷邸に泊まり込みで薫の日常生活を手伝っている設定。
    両片想い→告白&両想いに至るまで。

    自家通販 https://mkmatome.booth.pm/items/3705681
    おまえとふたりで朝食を憂愁のカルボナーラ「来週には脚のギプスが外れることになった」
    「おお、よかったじゃねぇか」
     ランチ営業が終わるタイミングでシア・ラ・ルーチェに立ち寄った薫が診察の結果を告げると、虎次郎は破顔した。
    「リハビリは必要だがな」
     もう、おまえの手を借りずとも生活に支障はない——そう伝えれば、今度は眉間にシワを刻む。
    「うれしくないのか?」
     薫の指摘に虎次郎は「あ〜……」と相槌ともつかない声を漏らして厨房へと入り、「パスタでいいかぁ?」と間延びした口調で訊いてきた。
    「任せる」
     愛抱夢にボードで殴打されて負傷したあと、薫は一時的に実家に戻るか、手伝いを雇って自宅での生活を続けるかの選択を迫られた。そこへ「俺が手伝うよ」と虎次郎が名乗りを上げたのだ。確かに虎次郎ならば、薫を抱き上げて介助できる腕力があるし、気心も知れている。何より、美味い飯にありつけることが約束されているではないか。薫に否やはなかった。
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