流誕wip 軍団五人で年越しを迎えてから夜中に初詣へ行くのが、いつからか恒例になっている。屯する場所も過ごし方もこれと言って決まりは無いが、今年はウチでテレビを見ながら鍋を囲んで、近所の神社へ出発した。一応形に則り手を合わせて、怪我のないようにと胸の内で呟く。天才は己の活躍や勝負の行方を神に祈ったりはしないのだ。ランニングがてら日の出を眺めて帰宅し、正月独特の高揚感と共に昼まで眠る準備に入る。バスケットを始めてから「規則正しい生活」が日常化していたので、夜更かしして朝まで自由に過ごすなんて久しぶりだった。それだけでもちょっとわくわくした年越しだったが、しかし、ボールに触れないとそれだけで少し物足りなさがある。このバスケットマン桜木をコートが呼んでいる気がする。目覚めたらまずは鍋を片付けて、いつものストリートコートに行こう。そう心に決め、布団へ突っ伏したのが四時間ほど前のことだ。
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