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    QQaL5FoqTa

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    QQaL5FoqTa

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    花流(大人)です。流川が花道にめろめろな話です。
    2人は学生の頃に付き合い初めて数年後プロになっているという設定です。事後表現があります。
    タイトル: alkalism 様

    #花流
    flowerFlow

    陽が睡るただひとつの場所 伏せられた長い睫毛が羽のように震えて、重そうな瞼がゆっくりと持ち上がる。ぼんやりとした視界に抗うように数度瞬きをする、そこにいつものシャープさは無い。心地良い眠りから目覚めた流川は、まだ微睡の中を揺蕩うような感覚にそのまま身を委ねようとして、しかしそこで己の体の自由が効かないことに気付く。唯一動かせる首を傾けると、案の定そこには愛しい恋人の姿があった。
    (……桜木)
     声に出さずに名を呼んで、それだけで流川の胸の内には温かな感情が満ちていく。
     昨晩は久しぶりに二人のオフが重なるからと、お互い十分に期待して迎えた夜だった。触れ合える喜びと愛しさを隠すなんてできなくて、恥も外聞も捨てて、時間さえ忘れて夢中になった。桜木に触れて、触れられると、そこから火を付けられたように全身が熱く疼いて、どうしようも無く必死に求めてしまう。そしてそれは桜木も同じなのだと、自分を組み敷く男の目を見る度に、流川は歓喜で身を震わせた。二人の関係がチームメイトから恋人へ変化してもう長いこと経つのに、今だに熱の宥め方が分からない。もうずっと、覚えたてのような恋をしている。
     寝室に篭って数時間、体に力が入らない己を桜木が抱えて、ふらふらと辿り着いた浴室で延長戦が始まったことまで、流川は何となく思い出していた。お互い下着だけを身に付けているので、体力と眠気が限界の流川を桜木がベッドまで運んで、そのまま二人で倒れ込んだことも想像がつく。
     流川は、桜木の裸の腕の中で身じろぎできないまま、穏やかなその寝顔をじっと見詰めた。いつも流川より桜木が先に目覚めるので、滅多にお目にかかれない光景だ。昨夜の激情はすっかり鳴りを潜めて、どこかあどけなささえある。しかし、出会った頃のような幼さは微塵も無かった。桜木は学生の頃から雄々しくはあったが、より精悍で頼もしい大人の男の顔になった。変化があったのは外見だけではない。付き合い始めた当初、時折見せることがあった弱気な表情や、流川に対してどこか遠慮するような態度も、今はもう無かった。流川に愛されているという自信があって、流川にも堂々と、それ以上の愛情を返そうとしてくれる。失恋続きの経験から恋愛に奥手で臆病だったかつての彼の姿はあらず、その余裕でたまに流川のペースを乱すこともできるので、その点だけは流川にとって悔しい誤算だった。けれど、桜木が得意気になって見せる笑顔は眩しく、彼らしくて、流川はそれを特段に愛していた。
     桜木の健やかな寝顔を眺めながら、彼の温もりと匂いに包まれて、流川は最高に満たされた気持ちだった。桜木すら知らない時間に、流川だけが桜木を見詰めている。今この瞬間、正しく桜木花道を独り占めしている──流川は愛しさを募らせて、桜木の肩口に額を擦り寄せた。
    「ん……」
     その途端、頭上から微かな声が降ってきて、流川は反射的に顔を上げた。息を詰めて至近距離で見詰める桜木の、閉じられた瞳がゆっくりと開いていく。寝惚けてとろんとした瞳が、流川を認めたその瞬間、愛おしいという気持ちを包み隠すことなく甘く溶けた。
    「……ルカワ、」
     寝起きの少し掠れた低い声に名を呼ばれて、流川はときめきで心臓が止まるかと思った。
    「はよ……やべ、オレ寝過ごしたか……?」
     桜木が時間を確認しようと身を捩り、触れ合っていた肌が、体温が離れていく。それを追いかけようと無意識に体が動いて、今度は流川が桜木を抱きしめていた。思いがけ無い突然の抱擁に、桜木の動きが止まる。
    「っルカワ……?」
    「……たまにはいいだろ」
     今日はオフなんだから。流川の言葉に、桜木がふにゃりと相好を崩して、そうだな、と応えた。流川と対照的に朝が強い桜木は、いつもなら流川が目覚めると既に活動的で、朝から元気いっぱいである場合が多いので、流川にとって今朝の桜木の反応は新鮮だった。寝惚け眼で柔らかな笑みを浮かべる桜木に、庇護欲が掻き立てられて、彼を目一杯甘やかしてやりたくなってしまう。
     流川は、珍しい状況に密かに心躍らせながら、寝癖で僅かに跳ねる桜木の赤い髪を撫でた。卒業後、在学時のような短さに刈り揃えられることはなくなった髪に指を滑らせるのは、流川の特権だった。流川の行動に始め驚いていた桜木は、繰り返し施される優しい愛撫に、やがて照れ臭そうに目を細めた。はにかみながら大人しく頭を撫でられ続ける桜木を見て、流川は猛獣を手懐けたような得意気な気持ちになる。流川の愛撫を堪能した桜木が、堪らないという顔で流川を抱きしめ返すまで、それは続いた。
    「……体、平気か?」
     心配そうに潜められた声に、逞しい腕の中に再び閉じ込められながら、流川はふっと息を溢すように笑った。
    「平気じゃねー」
    「っす、すまん……」
    「だから、今日はずっとこのままでいろ」
    「……!」
    「ずっとオレのこと考えてろ」
     もう一瞬も桜木を離したくないのだと、こんなにも熱を上げているのだと、抱え切れない思いが愛おしさと共に溢れて苦しい。独占欲に身を焦がしながら、締まりの無い唇に悪戯のようなキスをして、分かったか?と流川が問うと、返事の代わりに熱い唇が返ってくる。流川は、僅かに頬を緩めると、桜木を受け止め感じ入るようにゆっくりと瞳を閉じた。

      
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    QQaL5FoqTa

    DONE花流(大人)です。流川が花道にめろめろな話です。
    2人は学生の頃に付き合い初めて数年後プロになっているという設定です。事後表現があります。
    タイトル: alkalism 様
    陽が睡るただひとつの場所 伏せられた長い睫毛が羽のように震えて、重そうな瞼がゆっくりと持ち上がる。ぼんやりとした視界に抗うように数度瞬きをする、そこにいつものシャープさは無い。心地良い眠りから目覚めた流川は、まだ微睡の中を揺蕩うような感覚にそのまま身を委ねようとして、しかしそこで己の体の自由が効かないことに気付く。唯一動かせる首を傾けると、案の定そこには愛しい恋人の姿があった。
    (……桜木)
     声に出さずに名を呼んで、それだけで流川の胸の内には温かな感情が満ちていく。
     昨晩は久しぶりに二人のオフが重なるからと、お互い十分に期待して迎えた夜だった。触れ合える喜びと愛しさを隠すなんてできなくて、恥も外聞も捨てて、時間さえ忘れて夢中になった。桜木に触れて、触れられると、そこから火を付けられたように全身が熱く疼いて、どうしようも無く必死に求めてしまう。そしてそれは桜木も同じなのだと、自分を組み敷く男の目を見る度に、流川は歓喜で身を震わせた。二人の関係がチームメイトから恋人へ変化してもう長いこと経つのに、今だに熱の宥め方が分からない。もうずっと、覚えたてのような恋をしている。
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    QQaL5FoqTa

    DONE花道にプロポーズしたい流川が彩子さんに相談する話です。
    6/30ジュンブラの無配でした。当日頒布した新刊「花流結婚ネタ呟きまとめ」に収録されているネタを膨らませて書いたものです。

    タイトル:icca様
    イラスト:てんぱる様
    愛を込めて、なんてね「桜木にプロポーズしようと思ってるんスけど」
     掴みどころがないとよく言われるけれど、その瞳の真っ直ぐさだけは昔から変わらないのよねと、テーブルを挟んで向き合う後輩の顔を見詰め返しながら彩子は小さく微笑んだ。
     シーズンオフで一時帰国している流川から彩子へ個別に連絡があったのはつい数日前のことだ。互いの連絡先を把握してはいるものの、テレビやネットで流川の活躍ぶりはよく目にしているし、何かあれば人づてに彩子の耳にも入るだろうから、そうでない限りは息災なのだろうと、彩子からわざわざメッセージを送ることは滅多にない。流川から稀に連絡があるとすれば、もっぱら恋人の──桜木花道の話と相場が決まっていた。やれ桜木と喧嘩をしただのやれ桜木が落ち込んでいるだのと、流川なりに対処法を間違いたくないという思いが少なからず芽生えた時に、短く説明の足りない文章が彩子に届いた。その度、「解決したいならもっと詳細を教えなさいよ」と文句を言いながら、喧嘩なんて日常茶飯事のくせに、わざわざSOSを出してくるなんて謝りたい何かがあったのだろうとか、意地を張らずに励ましたいという自分の思いに素直になればいいのにとか、彩子は流川の気持ちを巧みに汲みながら発破をかけてやるのだった。
    1955

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    かいこう

    DONE最高のバレンタイン/花流
    14でバレンタインだなってなったけど、たくさんのチョコをもらうるかわに嫉妬を爆発させて暴れるはなみち、を回避しようとして中途半端
    最高のバレンタイン 恋人がいると公言していようが、流川のバレンタインは盛況だった。本人はむっつりと面白くなさを前面に出して靴箱に入れられているチョコレートをスポーツバッグに詰めている。朝練を終え、いつもなら教室に上がる時には素通りする玄関で、中に入れられたプレゼントのせいで閉まらないロッカーから中身が落ちてくる前に片づけを始める流川を待つために、桜木も玄関に立っていた。色も形も様々なチョコレートの箱を、流川は、もう何度もこういうことをしてきたと分かる手つきでバッグへ放り込む。去年の秋の終わりからつき合い始めた男の横顔を桜木は見やった。桜木から告白してつき合うようになって、いいけど、と交際を了承したものの、果たしてこいつはバスケ以外の交流はできるのかと危ぶんだ桜木の予想に反して、一緒に登下校したいと言ってみれば頷いてくれたり、帰り道でまだ別れたくねーと呟かれたり、バスケ同様、流川は恋人としても、最高で、流川と恋人になってからというもの、桜木の心はぎゅんぎゅんと甘く満たされている。廊下の奥や背後の階段の上から、朝練の最中にチョコレートを入れたのだろう生徒たちの忍び笑いや囁き声が聞こえてきて、ぐるりと首を捻って視線を巡らせる桜木の足元で、流川がため息をつきながら、スポーツバッグから紙袋を取り出した。最初からバッグじゃなくてそっちに入れりゃよかったんじゃねぇの。流川の杜撰さやものぐさに対して呆れたが、口には出さなかった。
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