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    QQaL5FoqTa

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    QQaL5FoqTa

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    作業中の流川お誕生日のお話の途中までです。
    内容大幅に変更する可能性大ですが、一月中に上げ切れるか微妙になってしまったので一旦前半部分を公開します。
    1/26更新しました

    #花流
    flowerFlow

    流誕wip 軍団五人で年越しを迎えてから夜中に初詣へ行くのが、いつからか恒例になっている。屯する場所も過ごし方もこれと言って決まりは無いが、今年はウチでテレビを見ながら鍋を囲んで、近所の神社へ出発した。一応形に則り手を合わせて、怪我のないようにと胸の内で呟く。天才は己の活躍や勝負の行方を神に祈ったりはしないのだ。ランニングがてら日の出を眺めて帰宅し、正月独特の高揚感と共に昼まで眠る準備に入る。バスケットを始めてから「規則正しい生活」が日常化していたので、夜更かしして朝まで自由に過ごすなんて久しぶりだった。それだけでもちょっとわくわくした年越しだったが、しかし、ボールに触れないとそれだけで少し物足りなさがある。このバスケットマン桜木をコートが呼んでいる気がする。目覚めたらまずは鍋を片付けて、いつものストリートコートに行こう。そう心に決め、布団へ突っ伏したのが四時間ほど前のことだ。
     突如として家中に響き渡った呼び鈴の音で目が覚める。寝ぼけ眼で時計を見やれば、時刻は間も無く正午に差し掛かるというところだった。来客の予定は無いはずだが──。
    「……」
     一瞬、脳裏に浮かぶ顔があったが、緩く首を振って打ち消した。他の誰でもない、オレ自身がその可能性の芽を摘んでいるからである。当然のように無視を決め込み目を瞑るが、暫くすると懲りずにまた鳴らされる。この天才の安眠を妨害するとは何てけしからん奴だ。あっという間に不愉快な気持ちでいっぱいになり、舌打ちをして起き上がる。不届者の顔をこの目で確かめ、文句の一つや二つ言ってやらなければ気が済まない。
    「ったく、正月早々一体どこのどいつだ……」
     足を踏み鳴らし玄関へ向かって、苛々とドアスコープを覗く──次の瞬間、打ち消したはずの顔がそこにあって、全身から眠気が吹っ飛んだ。半ば傾れ込むような勢いで扉を開くと、驚きそのままの大声が飛び出す。
    「っおめー、なんで!?」
     扉の向こうにいた男──流川楓は、オレの反応など想定内とでも言うように顔色一つ変えず、マフラーで覆われた口元から少しくぐもった声を上げた。
    「出るのがおせぇ」
     白い息がほわっと広がって消えるのを、まるで夢みたいな気持ちで見つめてしまった。それも束の間、さっさと入れろと続く言葉でハッと我に返る。誰も入って良いなんて言っていないのに、偉そうに。しかし、従うようで大層癪ではあるが、このまま押し問答を続けて冬の風に晒される気にはなれず、とりあえずは流川を招いて扉を閉めることにした。バタンと閉じた世界で、オレたちの間には一瞬だけ沈黙があった。特に流川は、冷たい外気から隔離され、ほっと一息ついたようだった。少しだけ鼻先が赤いその顔を、驚きと困惑の眼差しで見詰めて、改まってもう一度問いかける。
    「なんで来たんだよ。……誕生日だろ、今日」
    「来ちゃ悪りぃのか」
    「だっ、誰もンなこと言ってねえだろ!」
    「そー聞こえるけど」
    「あっ、コラ!」
     靴を脱いだ流川は家主を無視して家へ上がると、勝手知ったる様子で歩みを止めずに進んでいく。呼び止めることを諦めたオレは後に続き、その背に向かって話し続けた。
    「あのなあ、オレはただ、せっかくの誕生日なんだから家族で過ごした方がいいだろと思って……!」
     大晦日と正月は会わないと言い出したのはオレだった。年の瀬迫るある日の帰り道、雑談の延長で、何でもないことのように、ごく自然に。少し緩いテンションで持ち掛ければ、流川も深刻に受け止めず、まあいいか、と了承してくれると考えたのだ。別に、別れ話じゃあるまいし、たった数日会うのを控えようと言うだけのことだ。真面目ぶる方がおかしい。けれど、オレの歩幅に合わせてゆっくりと回転していた流川の自転車が、カラカラと音を立てるのを止めた時は少し緊張した。
     冬休みに入って間もない頃、彩子さんに流川へ何を贈るのか聞かれて、オレはその時初めて恋人の誕生日を知った。新年の始まりというこの上無い程めでたい日に生まれて、家族団欒の中心でちやほやされるのが、天上天下唯我独尊男のヤツにはお似合いだと思った。何より、心優しいお母様に、きちんと頭を下げて感謝を伝えるべき日でもある。その機会をオレが奪ってはいけない。だから、無言でこちらを見つめてくる流川に言い聞かせて、その首が縦に振られるのを見届けたのだ。
    「ちゃんと家族で過ごせよって話つけただろうが。年越しも、正月も……おめーの誕生日も、オレがおめーをずっと独り占めしちゃ悪りぃと思ったから──」
    「ちゃんと過ごして来た」
     急に流川が立ち止まったのでぶつかりそうになり、慌てて足を止める。何かと思えば、流川は背を向けたまま徐にマフラーを外し始めて、そのままちらりとオレを見た。
    「……年越しの瞬間は寝てたけど。大晦日は家にいたし、ちゃんと正月の挨拶もしてきた。さっきケーキ食ってから来たし、おめーの言う通り、一通り家族で過ごしてきたんだから、文句ねーだろ」
     まるで堰き止めていたものを解放するように、珍しく畳み掛ける流川の言葉に唖然としてしまう。やがてアウターまで脱いだ流川は、いつも泊まりに来ると荷物を置く定位置にしている部屋の隅にぽいっとそれらを放って、何も言えずにいるオレに改めて向き直った。
    「今日と明日ここに泊まる」
    「は」
    「三日はてめーがウチに来い」
    「はあ!?ちょっと待て、何勝手に……っ」
     淡々と告げられる「決定事項」は冗談かと疑わずにいられないほど突拍子も無く、しかし、瞬きの合間に流川の真顔が眼前に迫って、その瞳の鋭さに、ああ、コイツがそんな冗談を言うわけねえか、と思い出す。
    「誕生日だから。オレの好きにする」
     そう言って、流川は真正面からオレの体を抱き締めた。例えば戯れでじゃれるような、恥じらいを感じるような、そんな生優しいものではない。鍛えられた両腕をしっかりとオレの背に回して、隙間なく重なった体があわよくば一つになれとでも言うように、身動きが取れない程の強い力で押さえ付けてくる。まるで形を確かめるように、大きな手のひらがオレの背を掻き抱くように何度も撫でた。
    「っ……」
     硬く引き締まった体は、服の上からでも分かるくらい冷えていて、オレは堪らず流川を抱き締め返した。こんなに寒い中会いに来てくれたのか。珍しく必死に抱き締めてくる程、オレに会いたかったと思っていいのか。愛しい重みと感触に、どうしようもなく胸が高鳴って、唇を噛み締める。欲しかったものを与えられて、全身が歓喜しているのが分かる。情けなく震えてしまいそうで、それを流川にだけは悟られたくないと思った。本当は独り占めしたかった。冬休みの間、部活動以外の流川も全部。たった数日会えなかっただけで、触れ合えた今、喜びで胸が張り裂けそうだ。自分で決めて言い出したことなのに、流川が会いに来てくれたことが嬉しい。遠慮なく抱き締められて、流川の息遣いを間近に感じられることが嬉しい。抱き締め返すと、身を委ねてくれることが嬉しい。悔しいくらい、流川が好きだ。
    「……誕生日は今日だけなのに、明日も明後日もおめーの言うこと聞くのはおかしいんじゃねえのか」
    「誕生日のうちにオレが言ったことは全部有効」
    「なんだそれ、ずりぃだろ」
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    QQaL5FoqTa

    DONE花流(大人)です。流川が花道にめろめろな話です。
    2人は学生の頃に付き合い初めて数年後プロになっているという設定です。事後表現があります。
    タイトル: alkalism 様
    陽が睡るただひとつの場所 伏せられた長い睫毛が羽のように震えて、重そうな瞼がゆっくりと持ち上がる。ぼんやりとした視界に抗うように数度瞬きをする、そこにいつものシャープさは無い。心地良い眠りから目覚めた流川は、まだ微睡の中を揺蕩うような感覚にそのまま身を委ねようとして、しかしそこで己の体の自由が効かないことに気付く。唯一動かせる首を傾けると、案の定そこには愛しい恋人の姿があった。
    (……桜木)
     声に出さずに名を呼んで、それだけで流川の胸の内には温かな感情が満ちていく。
     昨晩は久しぶりに二人のオフが重なるからと、お互い十分に期待して迎えた夜だった。触れ合える喜びと愛しさを隠すなんてできなくて、恥も外聞も捨てて、時間さえ忘れて夢中になった。桜木に触れて、触れられると、そこから火を付けられたように全身が熱く疼いて、どうしようも無く必死に求めてしまう。そしてそれは桜木も同じなのだと、自分を組み敷く男の目を見る度に、流川は歓喜で身を震わせた。二人の関係がチームメイトから恋人へ変化してもう長いこと経つのに、今だに熱の宥め方が分からない。もうずっと、覚えたてのような恋をしている。
    2165

    QQaL5FoqTa

    DONE花道にプロポーズしたい流川が彩子さんに相談する話です。
    6/30ジュンブラの無配でした。当日頒布した新刊「花流結婚ネタ呟きまとめ」に収録されているネタを膨らませて書いたものです。

    タイトル:icca様
    イラスト:てんぱる様
    愛を込めて、なんてね「桜木にプロポーズしようと思ってるんスけど」
     掴みどころがないとよく言われるけれど、その瞳の真っ直ぐさだけは昔から変わらないのよねと、テーブルを挟んで向き合う後輩の顔を見詰め返しながら彩子は小さく微笑んだ。
     シーズンオフで一時帰国している流川から彩子へ個別に連絡があったのはつい数日前のことだ。互いの連絡先を把握してはいるものの、テレビやネットで流川の活躍ぶりはよく目にしているし、何かあれば人づてに彩子の耳にも入るだろうから、そうでない限りは息災なのだろうと、彩子からわざわざメッセージを送ることは滅多にない。流川から稀に連絡があるとすれば、もっぱら恋人の──桜木花道の話と相場が決まっていた。やれ桜木と喧嘩をしただのやれ桜木が落ち込んでいるだのと、流川なりに対処法を間違いたくないという思いが少なからず芽生えた時に、短く説明の足りない文章が彩子に届いた。その度、「解決したいならもっと詳細を教えなさいよ」と文句を言いながら、喧嘩なんて日常茶飯事のくせに、わざわざSOSを出してくるなんて謝りたい何かがあったのだろうとか、意地を張らずに励ましたいという自分の思いに素直になればいいのにとか、彩子は流川の気持ちを巧みに汲みながら発破をかけてやるのだった。
    1955

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    かいこう

    DONE最高のバレンタイン/花流
    14でバレンタインだなってなったけど、たくさんのチョコをもらうるかわに嫉妬を爆発させて暴れるはなみち、を回避しようとして中途半端
    最高のバレンタイン 恋人がいると公言していようが、流川のバレンタインは盛況だった。本人はむっつりと面白くなさを前面に出して靴箱に入れられているチョコレートをスポーツバッグに詰めている。朝練を終え、いつもなら教室に上がる時には素通りする玄関で、中に入れられたプレゼントのせいで閉まらないロッカーから中身が落ちてくる前に片づけを始める流川を待つために、桜木も玄関に立っていた。色も形も様々なチョコレートの箱を、流川は、もう何度もこういうことをしてきたと分かる手つきでバッグへ放り込む。去年の秋の終わりからつき合い始めた男の横顔を桜木は見やった。桜木から告白してつき合うようになって、いいけど、と交際を了承したものの、果たしてこいつはバスケ以外の交流はできるのかと危ぶんだ桜木の予想に反して、一緒に登下校したいと言ってみれば頷いてくれたり、帰り道でまだ別れたくねーと呟かれたり、バスケ同様、流川は恋人としても、最高で、流川と恋人になってからというもの、桜木の心はぎゅんぎゅんと甘く満たされている。廊下の奥や背後の階段の上から、朝練の最中にチョコレートを入れたのだろう生徒たちの忍び笑いや囁き声が聞こえてきて、ぐるりと首を捻って視線を巡らせる桜木の足元で、流川がため息をつきながら、スポーツバッグから紙袋を取り出した。最初からバッグじゃなくてそっちに入れりゃよかったんじゃねぇの。流川の杜撰さやものぐさに対して呆れたが、口には出さなかった。
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