此の色で纏わせて 我々は夏目先生の頼みで、今横浜の裏社会を騒がせている[[rb:然 > さ]]る組織を調査している。本日は其の打ち合わせ、然う聞いていた。
だと云うのに、此の有様。福沢は目の前の光景を見詰め眉間に皺を寄せた。
「うーん、エリスちゃんは完璧だから何方も似合ってしまうなあ。困ったなあ。非常に困った」
本日は、森の[[rb:診察室 > 仕事場]]で落ち合い今後の作戦を立てる手筈であった。何時も森と福沢、二人で手を組む時は必ず其の様にしてきた。今は裏組織の破壊の算段と云った緊張した場面に似つかわしく無い、気の抜けた声色と内容が響き渡っているが。
声の出処は確認する迄も無く、森本人である。
福沢が指定時間に訪れた時から此の状態であった。赤と青、2色の幼児用[[rb:礼装 > ドレス]]を片手にああだこうだと口にしている。
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