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    sweet4869

    @sweet4869

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    sweet4869

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    ぽいぴく投稿テストを兼ねて。
    呪専(灰七→)五七。
    特級過呪怨霊になった灰原と、そうしてしまった七海、それを救いたい五条。
    ひたすら拗らせている人たち。
    を書こうと思った片鱗を供養。

    #五七
    Gonana

    呪専(灰七→)五七「今日から七海が任務復帰らしいよ。大丈夫かな」
     ガタンと音を立てて自動販売機から出てきた缶コーヒーを取り出しつつ、夏油が振り返る。八月も終わりに近づいているというのに、自然豊かな高専の周囲は相変わらず蝉が五月蝿い。未だ教室に入るには少し早い時間なので、昇降口を入ってすぐの、ベンチのある自販機の周りに三年生の三人は集まっていた。
    「ダイジョブなわけねーだろ、同級生が死んでんだ。しかも目の前で」
     紫煙と共に吐き出された身も蓋もない家入の言葉に夏油が苦笑した。その隣に立つ五条は無表情に紙パックのいちご牛乳のストローを咥えている。
    「……弱っちいから死ぬんだよ、それだけだ」
     ぽつりと溢れた声に家入が僅かに目を眇めた。
    「五条、さすがにそれ七海の前で言うなよ」
    「悟。八つ当たりはやめな。灰原が死んだのは誰のせいでもないんだから」
    「知るかよ」
     五条の虫の居所が悪いのは一目瞭然だが、その理由を級友達は計りかねていた。元々情緒が未発達なきらいのある五条なのでちょっとしたことで機嫌が乱高下するのはいつもの事なのだが、さすがに発言の度が過ぎる。
    「……噂をすれば、七海だよ」
     朝の日差しの中を歩く華奢な金髪の少年の姿を目に止めた夏油が、声をかけようとガラリと窓を開ける。と、その瞬間三人の肌が粟立った。反射的に二人が家入を守るように後ろへと下げる。
    「オイ、傑……アレ……」
    「硝子、夜蛾先生呼んできて」
    「チッ」
     舌打ちをした家入が踵を返し教員棟への廊下を駆け出す。
    「ああ、五条さん、夏油さん。おはようございます」
     二人に気づいた七海が足を止め、いつもと変わらず淡々と挨拶をするがそれどころではない。
    「七海、何だよソレ」
     吐き捨てるように言う五条の視線は七海の頭上だった。六眼でなくともわかる、特級呪霊の気配。
    「何言ってるんですか、五条さんなら視えるでしょう?」
    「悟……?」
     七海の言葉に、夏油が怪訝そうに五条を見やった。五条は忌々しい表情で舌打ちをするとその答えを口にした。
    「……灰原」
     ピリ、と空気が震えた。
    「え?」
     五条の言葉の意味を処理出来ずに夏油が聞き返す。と同時、黒い靄のように曖昧だったそれがはっきりとした形を表していく。あれだけ五月蝿かった蝉の声がピタリと止んだ。晩夏とは言え朝の日差しの下にはよほど似つかわしくない光景だ。
    「だめだよ灰原、先輩たち怒らせたら怖いんだから大人しくしていて下さい」

    ――そう言って、七海はうっそりと笑った。
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    ケイト

    DONE同名の曲の雰囲気が自分の思う五七すぎて書きなぐったまとまりのない完全に自己満足の短文です。
    五七は静かな激情を湛えているふたりだなと感じていて。ふたりとも大人で聡明な人物だから自分たちの状況も行く末も見えていて、その上でお互いを慈しみながら今を過ごしていたのかなって思って。でもそうやって悔いのないように過ごしてきたつもりでもやっぱりそのときが来ると苦しいだろうなあ。
    五七に狂わされる毎日です。
    三文小説海風が気持ちいい。隣を見ると以前より少しくすんだ金髪の男が、風で乱れた前髪を整えている。
    「あ〜優秀な後進をたくさん育てておいてよかったなあ。優秀な元生徒たちのおかげで心置きなく毎日ダラダラできるってもんだよ。きっと最強じゃなくなった僕のことなんかみんな忘れちゃってるね。」
    「あなたもおじさんになりましたもんね。」
    虎杖くんたちに会っても気づいてもらえないかもしれませんね、と七海が笑っている。
    「ひどーい!そんなことないでしょ!だって髪の色は生まれたときからずっと白で変わんないでしょ?イケメンなのもずっとだし?年とっても一発でGLGな五条悟だって分かるでしょ!」
    「そうでしたね。あなたはいつまでたっても子どもですもんね。きっと気づいてもらえますよ。」
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    ぬけがら

    DONE付き合ってない五と社畜七の始まりそうな春のお話。57FESTA2の展示作品でした。パスワードはずしました。
    『ハルノヒ』「ひょっとして、死のうとしているとでも思っていますか」
     暦の上では春だとしても雨の夜は肌寒い。七海が帰宅して間もない室内は、人間が二人居るのに寒々としている。無造作にローテーブルに置かれたエアコンのリモコンが、ぴ、と音を立てる。微かなエアコンの稼働音に混じって、七海は無表情で外套を脱いだ。室外からは雨の音。冷えた部屋には空調の揺らぎ。その中にぽつりと七海の声が、混じる事なく放たれた。
    「え? ゴメンもっかい言って」
     五条は術式のおかげで濡れてもいない衣服を、それでも確かめるように撫でてからソファーに腰掛けた。テレビスクリーンの真正面に置かれたソファーの、向かって左側。右側には七海が座る。七海は五条の存在を無視しようとして、出来なかった。そんなことを試みる方が面倒くさいと学んでしまっているのかもしれない。呪術界から離れて何年も経つというのに。今のところ毎週金曜日の訪いが突然に始まり、そして三週連続で続いている。七海は問われた事に答えないまま珈琲の準備に向かった。聞こえなかったのならばそれはそれで構わないとでもいうように背を向ける。目元の隈は濃く、立ったままでも眠れそうな具合だ。
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