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    conchinco57

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    conchinco57

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    【こせん五七】五誕。
    高専七1年五2年の誕生日の話。
    素直にハッピーなバースデーではないけれど。
    二人は幸せな時間をいっぱい過ごしたと思っています。
    おめでとう。

    注:後半事変後内容含みます。

    #五七
    Gonana

    29年目の127【こせん五七】五誕誕生日は嫌い。
    俺の眼を見た母親は怯えていた。
    父親はよくやったと母親を褒めた。
    俺は生まれた時の記憶すら忘れられない程有能に出来ていた。
    あー、生まれ落ちてしまった。
    選ぶ選択肢も与えられないこの地獄に。

    * * *

    「地獄なら地獄なりに楽しんではどうですか?コレどうぞ」

     目の前のひょろっこいヤツは言った。
     何言ってんだコイツ。なにそれ?ずっと食べたかった早朝から行列の出来るケーキ屋の限定ザッハトルテじゃん。真面目が初めて授業サボったって聞いたけど、まさかコレの為かよ、ウケる。

    「ー?何?何の用?ケーキ?なんで?俺はみんなが開いてくれた誕生日パーティーを滅茶苦茶楽しんだけど?ナニ?パーティーの後お持ち帰りでもされたかったの?真面目な顔してムッツリか、七海」

     七海は制服のまま俺の部屋の前に立っていた。食堂で行われた誕生日パーティーの夜。パーティーの間、オマエ無言でちっちぇえプレゼント渡してきた以外、俺の側に一切来なかったじゃん。今更なんだよ。

    「先輩は作り笑いも猫を被るのも上手ですからね。迷惑でしたら捨ててください。急に部屋に来てすいませんでした。それだけです」

    「は?深夜に俺の部屋に来てそんだけ?サービスしていけよ。第一意味わかんね。言ってることイチミリもわかんねーんだけど」

     七海は時々見透かした様な顔をするから嫌いだ。コイツの横でなら素で居ても許されるのかも、と期待させられるから嫌いだ。五条じゃない俺を見てくれている気がするから大嫌い大嫌い大嫌い。クソが。

    「ふざけている先輩も最強の先輩も嫌いじゃないです。でも、時々隠し忘れている生まれてきた事すら地獄みたいな顔をするアナタが好きです。出来ることならこの先もアナタの側に居たい。アナタが好きなんです」

    「は?灰原死んで頭までイカれたか?なんなんだよ。気持ち悪っ。オマエに何がわかんだよ」

    「何も分かりません。このケーキを食べたがっていたことしか分かりません。それでもアナタの誕生日を個人的に祝いたかった。今此処に居てくれてありがとうございますと」

     ほんと、何言ってんだよ、コイツ。
     ムカつく、ムカつく、ムカつく、ムカつく!!!
     ムカつくから胸ぐら掴んで、ベッドに放り投げてやった。ケーキの箱がグシャリと床に落ちて、怖い程無抵抗な七海の上に股がって髪を掴んだ。

    「祝いたい?好き?ムカつく事ばっか言って煽って、なんなんだよ!………オマエ顔はキレイだよな。俺の事好きならさあ、望み通り犯してやろうか?二度と好きとか言えないくらいぐちゃぐちゃにしてやろうか!!!」

     本当は誕生日が嫌いだ。用意される豪華なケーキも。溢れるプレゼントも。みんな六眼誕生に捧げられる供物。だから俺は自分以外を見下し敬われる事が当たり前の事として適応してきた。みんな俺ではなく六眼と授けられた才を見ている。蝋燭を嬉しそうに吹き消す俺なんか、誰も見ていなかったんだから。

    「犯されるのが望みでは無いですが、死にそうになったら流石に抵抗しますよ。それまではお好きに」

    「………っ、なんなんだよっ、何がしたい?何が望みだ?意図が読めねえ。俺の眼もイカれちまったか?オマエが視えない」

     七海はうっすらと笑った。怖い程自然に。この状況で。アイツは笑った。

    「視えない方が怖いですか?視える方が怖いですか?普通の眼で見えているのなら、私も努力した甲斐があります。六眼ではなく、ただ普通にアナタに見られたかった。その上で好きだと伝えたかった。私は五条家のアナタではなく、五条悟が好きなんです」

     見透かした様な顔をするから嫌い。コイツの横でなら素で居ても許されると期待させられるから嫌い。五条じゃない俺を見てくれているから大嫌い。それは全部好意の裏返し。俺は、オマエと一緒に居たいと思ってしまう事が一番怖かった。

    「なんで泣くんですか?」

     目の前がぶれてると思ったら、俺、泣いてる?うわっ、ダセェ。なんだこれ。感情がコントロールできねぇし、なんでこんなに身体が熱いんだ。

    「オマエが泣かせたんだ。責任取れ。好きならキスさせろ。ずっと横に居ろ。最悪の誕生日だ。これから毎年最高の誕生日にするって約束しろ。バカ。七海なんか嫌いだ。大嫌いだ。だから俺の全部見てろ。弱い所も、駄目な所も、普通な所も眼を背けたくなるような事も全部全部全部!!!」

    「急に我が儘で支離滅裂ですね。キスでもなんでもしてください。アナタの全部が知りたい。全部好きになってしまうくらいに、ずっと好きだったんです」

     七海は俺の涙を拭うようにキスをした。それから口に。いつも眉間に皺を寄せて嫌そうにしている七海の顔しか知らないのに、俺を好きだという七海の顔は少し恥ずかしそうに微笑んでいた。


    * * *


    「あの後、ぐちゃぐちゃのザッハトルテ二人で食べたよね。翌年は律儀に二人分のザッハトルテ買ってきて、今度は投げないで下さいよってムッとしてさ、可愛かった」

     汗をかいたグラスの氷がカラリと音を立てる。注がれたギムレットは濃いめ。置かれた先は空席。

    「毎年毎年、あの日からずっと最高の誕生日だった。オマエはずっと約束を守ってくれた。今年はさあ、生徒達が盛大に祝ってくれてたんだ。オマエが守ってくれた生徒達が。だから今年も最高の誕生日。オマエは最後まで律儀に約束を守ってくれた」

     箱に入ったザッハトルテは二つ。綺麗な皿に一つづつ取り分けて、一つをギムレットの横に並べる。それから暫くぼんやりと皿の上を眺めて、いただきますと丁寧に手を合わせてフォークを口に運んだ。あの時と同じ味を、同じ気持ちを、五条はゆっくりと口の中で溶かしていった。


    【終】
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    DONE五条の匂いをかいで「五条さん、良い匂い……」って言いながら、しゅきしゅきぺろぺろしちゃう七海の五七を書こうと思っていたのに気がついたらまったく別の話になっていました……
    どうしてなの教えておじいさん
     とさ、と不意に肩にかかった重みに五条は首を巡らせた。

    「七海?」

     問いかけに返ってきたのは規則的な呼吸音。

     七海のやわらかな髪が五条の首筋をくすぐる。ふだんと違い起き抜けに軽く櫛を通しただけの髪が閉じた目蓋にかかる七海は、どこかあどけなさを感じさせた。
     ほぼ一方的に話していた五条に時おり相槌を返していた七海だが、どうやら眠ってしまったらしかった。七海はいつも五条の話を適当に受け流しているようできちんと聴いてくれる。こうして途中で意識を落とすのはだから、滅多にないことだ。

     ……まあ、きょうは仕方ない。

     七海の体力を削ったのは五条自身なのだから。
     つい数時間前の七海の姿を思いだして五条の口許が緩む。ふたり揃ってとれた休みに浮かれて先に羽目を外してしまったのは五条だが、七海も乗り気で。いつになく盛り上がったベッドのなかの七海はとにかく官能的であった。

     全身から色香を立ちのぼらせる恋人に五条は煽りに煽られ、欲望の赴くままにその肌を堪能した。──結果、いまは服の下に隠れている七海の身体は、当面だれかの前に晒すことができない有様だ。

     連勤明けのほぼ夜を徹した情交は、 5810

    ケイト

    DONE同名の曲の雰囲気が自分の思う五七すぎて書きなぐったまとまりのない完全に自己満足の短文です。
    五七は静かな激情を湛えているふたりだなと感じていて。ふたりとも大人で聡明な人物だから自分たちの状況も行く末も見えていて、その上でお互いを慈しみながら今を過ごしていたのかなって思って。でもそうやって悔いのないように過ごしてきたつもりでもやっぱりそのときが来ると苦しいだろうなあ。
    五七に狂わされる毎日です。
    三文小説海風が気持ちいい。隣を見ると以前より少しくすんだ金髪の男が、風で乱れた前髪を整えている。
    「あ〜優秀な後進をたくさん育てておいてよかったなあ。優秀な元生徒たちのおかげで心置きなく毎日ダラダラできるってもんだよ。きっと最強じゃなくなった僕のことなんかみんな忘れちゃってるね。」
    「あなたもおじさんになりましたもんね。」
    虎杖くんたちに会っても気づいてもらえないかもしれませんね、と七海が笑っている。
    「ひどーい!そんなことないでしょ!だって髪の色は生まれたときからずっと白で変わんないでしょ?イケメンなのもずっとだし?年とっても一発でGLGな五条悟だって分かるでしょ!」
    「そうでしたね。あなたはいつまでたっても子どもですもんね。きっと気づいてもらえますよ。」
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