貴方のためのドレスコード「それでさ、君は誰の為に装うんだい?」
糸紡ぎの妖精が、朗らかに、優しく、問いかけた。
木々の合間を通り抜ける風が心地好い。
設定は少し汗ばむくらいの気温らしいので、余計に清々しく感じる。この爽やかさは少しの煩わしさがあってこそ。なるほど、流石に豪語するだけある。
覆うほどではないが、見通せるほどまばらでもない木立ちの中。そろり、そろりと足を進めていた立香は立ち止まり、辺りを見回す。
「んー…」
ここまで送ってくれたサーヴァントが示したのは、この森の奥だった。
「そんなに深い森には見えなかったんだけど…」
しかし、目当ての姿は未だに現れない。来た方を振り返り、行く先を振り向き。
『この奥で、お待ちになっています』
「―――マシュがこの奥って言ったんだし。とりあえず、進もう」
ひとつ、頷いた。
毎年、この時季になるとカルデアでは慰労会を兼ねたそこそこ大掛かりなパーティーを行う。
お祭り好きのサーヴァントをはじめ、普段は勤勉なスタッフ、さらには引きこもりまでも巻き込んだ、賑やかな催し物のきっかけは何だったのか。
目指す先は果てどなく、しかし成さねばならぬ覚悟とともに歩んだ日々。その辛い旅路の果てを、ささやかな祝いで締めくくろうと誰かが言い出したか。はたまた忙殺される日々に賑やか好き共が癇癪を起こしでもしたか。
恐らく、自然と湧き上がった要求が合わさり、この形となったのだろう。
――一度きりとなるはずだった祝いの宴は、世界が墜ち、再び苦境の道行きへ乗り出したことで、当たり前のように次が開かれた。
翌年も、その翌年も、そして、今日も。
今年はリソースがそこそこ確保出来たため、いつもと趣を変えることにしたらしい。仮想空間を使った屋外パーティー形式なのだそうだ。
「再現度、すっごいんだから!」
シュミレーションシステムの応用で会場を造り上げた万能の人とアトラス院の才女が、得意げに胸を張っていたのがおよそ3週間前。
コンセプトは夏の避暑地。森林と湖と晴れ渡った空。コントラストの自然な美しさに加え、ちょっとやそっとのやんちゃでは壊れない演算調整、が今回の売り、ということだ。はしゃぐ女性(?)陣の後ろで新所長を始めとする男性陣の遠い目が印象的だった。
そんな計画の説明を受ける中。
マシュと楽しみだね、と言い合っていた立香の腕を引っ張ったのは、可愛らしくも勇敢な、花嫁の味方だ。首を傾げるマスターに、サーヴァント・ハベトロットは開口一番宣った。
「さあリツカ!パーティーで着るドレスの相談をしよう!」
世界を救う唯一のマスターは、開催初年、ギリギリまで裏方のみ参加の心づもりでいた。
元々、カルデアの職員やサーヴァントがひと時でも楽しむことができれば、というスタンスだったし、万が一サーヴァントの厄介事を納める必要があった時、動きやすいポジションはどこか、と考えた末の裏方宣言だった。
それに、ほんのちょっぴりだけ、邪な期待もあった。いつもはキッチリとスケジュールが把握されている自分に、誰にも迷惑がかからず、かつ気兼ねのない自由時間が僅かでも出来るかも、というささやかだけれど、今の自分には大それた期待。
――何より、煌びやからサーヴァント達の中で、擦り切れ汚れた自分が紛れ込むのが。
『みんなが楽しんでくれれば、それが一番嬉しいよ』
――そんな風にしか思えない自分を、あの人に見られるのが、どうしても、駄目だった。
しかし、それを聞いたマシュを始めとしたマスター贔屓のサーヴァントや一部の職員が難色を示し、頑固な立香をどうやって表舞台に引きずり出すかを、あれやこれやと検討した。そしてこれならば、と秘密裏で用意されたのが、鮮やかなオレンジ色のミニドレス。
迎えた当日の衝撃を、立香は未だ鮮明に思い出す。
マシュにひとしきり褒められながら、ササッとドレスを着せられ、鼻の頭に皺を寄せつつ笑うホームズが、サササッとメイクを施し、ポカンとしている立香の腕をササササッと掴んで会場を華麗に突っ切ったダ・ヴィンチが、「ほーら、君の王子様と一緒に楽しんできたまえよっ!いや、謂れからすると皇帝かなぁ?」とん、と背中を押した先には。
「 あ、」
ぽかん、とこちらを見下ろす人が居た。普段とは違う、重厚な第三再臨姿の紳士と暫し見つめ合う。
見開かれた目が、不意に、三日月を描いた。綺麗に整えられた髭に隠れた口元が、ククッと歪む。腕がスラリと空を舞い、そして。
「…素晴らしい!」
張りのある声と、満面の笑みが、零れ落ちた。
「真の感動の前では語彙力を失うというのは本当だったのだなァ…君はいつでも私に新しい驚きと発見をもたらしてくれるネ」
固まっている立香の前にス、と掲げた手が差し出された。黒手袋に包まれた掌を見つめ、恐る恐る顔を上げれば冬曇りの水色がパチリ、ウインクを寄越す。
「では本題に。…僭越ながらこのジェームス・モリアーティ、この晴れの日に我が麗しのレディをエスコートするという誉をいただいても、よろしいカナ?」
低く甘く抑揚のある声が、立香の耳に、体に染み込んでいく。固まった脳がギギギ…と動き出すと同時に、じわりと頬が火照りだす。恐る恐る腕を持ち上げ、そろり、そろりと近付けて。
「あの、ええと。……不束者ですが、よろしくお願いしま、す?」
指先で、ちょん、と黒手袋に触れた。
その、立香の言葉に。態度に。
またしても目を丸くした紳士の後ろで、盛大な笑い声と囃し声が沸き起こる。
賑やかい喧騒のなか、腕を引き支える振りをして、モリアーティがそっと囁いた。
「――なぁに、君のささやかな企みまで完璧にこなしてみせよう。先ず手始めに。一曲如何かナ?」
宣言通り、モリアーティは祭りが終わるまで付きっきりで立香をエスコートした。立香が望んた秘密の逢瀬はもちろん、アクティブさの中に愛らしさを散りばめた蜜柑色のドレスと、それを纏う彼女への愛と賞賛も、惜しみなく注いだ。
そしてその日から、立香のエスコート役は、モリアーティの役目となったのだ。
「あ」
ひらり、目の前を青が横切る。ひらり、ひらり。
人差し指を立てると、露草色の鱗粉を振りまきながら、魔力で編まれた蝶が止まった。
「お迎えかな?ありがとう」
お礼と共にそっと頬擦りすると、美しい翅がふるりと震える。蝶が向く先は木立のさらに奥。方向が間違っていなかったことに、ひと安心した。
「ダ・ヴィンチちゃん達が精巧に作りすぎてて、ちょっと不安だったから嬉しいな」
恐らく、蝶を通してこちらを伺っている相手に分かりやすよう言葉を紡ぐ。
「靴が汚れちゃう前に着きたかったし」
言いながら足元を見下ろした。ツルリとした水色のパンプスは、バーヴァン・シーの作だ。どうやって説得したのか、ハベトロットとワイワイ言いながら作っていた姿を思い出す。
「最初、凄いピンヒールが出てきて驚いたっけ」
自信満々に出されたソレを履いて、見事にすっ転んだ時の顔が忘れられない。物凄い罵詈雑言の後、モゴモゴと謝られた時の顔も、忘れられない。
今履いているのは、立香が転ばないギリギリのハイヒール。底が通常よりしっかりした造りをしているため、ちょっとやそっと走ってもへたり難いらしい。もろん、傷や水にも強い。
『雑魚のアンタが履くなら、そのくらい不格好なのがお似合いよね。キャハッ☆』
高らかに笑いながらも、室内でこっそり慣らし履きをするときは、常に付き合ってくれた、可愛くて妖艶な、モルガンの大切な大切な養い子。
「口は悪いけど、優しい子だよね。照れ隠しなのかなぁ」
ふふ、と笑いながら木々の合間を歩く。蝶は時おり先導しながら、立香の周りを優雅に舞い、気まぐれに毛先や肩に止まっていた。
さくさく、さくさく。
草を踏み進むたびに、シフォンの生地が視界を揺らす。淡い、淡い水色のソレは、よく見ると繊細な模様が入っている。柄は自分が選んだ。
他にも、優美さを損なわずに機能性を備え、耐久力も高く…とさまざまな工夫が、あくまでもさりげなく凝らされたドレスは、ハベトロットとミス・クレーンの力作だ。
そして、全体のコンセプトは、立香の案だった。
ハベトロットの朗らかな問いかけに、立香は首を傾げる。パサつき、細かい切れ毛が跳ねる蜜柑色の髪が、ばさりと垂れた。
「誰のため?」
「そう!」
大きく頷く小さな妖精の後ろで、霊衣解放所の女主人であるミス・クレーンも、にっこりと笑みを浮かべる。
「今年のマスターの衣装はボク達が作るからね!君のリクエストに沿った、最高なものを作りたいんだよ」
「リクエスト」
オウム返しが間抜けすぎるが、どうしても思考が回らない。
――こんな、大きなイベントごとで自分が着る物なんかに、リクエストを出しても良いのだろうか。
マスターとしての責務を優先し、性別や嗜好は二の次になろうとも、綺麗なもの、可愛いものが着れれば、それなりに心も踊る。
その辺りはダ・ヴィンチ始め職員も心得ているのであろう、用意される魔術礼装は出来うる範囲で、女性らしさを取り入れられたものが多かった。
催し物に用意される衣装も、有事を想定された機能性を重視しつつ、立香に似合いそうな、可愛らしい仕立てのものを、精一杯の範囲で用意してくれた。
そんな気遣いに感謝こそすれ、意見を言うなんて思いつきもしなかったから、ハベトロットの言葉に戸惑うことしかできない。
口篭る立香を見上げ、ちょっと首を傾げた花嫁の味方は、ピ!と人差し指を立てた。
「ダメだよ、マスター!君はとっても素敵なお嫁さん候補なんだから、すーっごいのを作って驚かせなきゃ」
「驚かせる?」
「そう!」
ハベトロットが満面の笑みを浮かべる。
「お嫁さんってそれだけで素敵だけど、一番素敵なのは、好きな子の横に居るときなんだよねっ!すっごくキラキラして、嬉しそうで、幸せ〜って顔するんだぁ」
頬を染めうっとりと言葉を紡ぐ糸紡ぎの妖精は、彼女自身こそ、とても幸せそうに見えた。
「好きな……」
「リツカにはさ、好きな子居るだろ?その子の横に立つ君はとってもとっても幸せそうで、お嫁さん力100%なんだよねっ!だから予行演習も兼ねて、君に似合うとっておきを作りたいんだよ!」
「っ」
ボッと頬が熱くなる。好きな子って、多分、いや絶対彼の事だ。隠してはいないけれど触れ回ってもいないから、改めて言われると、とても、とても恥ずかしい。頬を押さえ、ううっと俯く。
「あの、ハベトロット、その、えっと」
「……ねえ、マスター」
気が動転している立香を、優しい声が呼んだ。
「ボクは糸紡ぎの妖精だから、幸せそうな子に用意出来る精一杯が、素敵な衣装なんだけど」
「…うん」
小さな手が、そうっと立香の魔術衣装を撫でる。
「好きな子の事を想いながら考えた衣装ってね、その子を世界で一番素敵にしてくれるって、ボクは思うんだ」
何度もメンテナンスを受け、それでもそこかしこがボロボロの衣装を、労るように撫でる。
「だからね、マスターが、ううん、リツカがとっても素敵な女の子になる手助けを、ボクにさせて欲しい」
ハベトロットが、立香を見上げた。
「ねえ、君は誰の為に装うんだい?」
――朝、鏡の前に立つたびに。
――昼、ふと手元を見たときに。
――夜、ベッドに上げた脚を見つめて。
あの人は、パサついた髪も、大小さまざまな傷跡も、寒暖差にやられたムラのある肌も、何も言わずに笑って口付けてくれるけれど。
それがとても、とても恥ずかしくて。
君が気になるのならと、そっと隠してくれるけれど。
それも情けなくて、悔しくて。
後悔はしていない。やり直したって何度でもこんな結果になると思う。それで世界が、明日を掴めるのなら安いものだ。
……でも、自分は女なので。
好きな人には誰より綺麗だと、可愛いと思って欲しい浅はかな小娘なので。
新しい魔術衣装を手に入れたら、真っ先に見せにいった。彼の目から見て、似合うと言って欲しかったから。
いつもと違う衣装を着るときは、ドキドキした。彼に見てもらうまで、ちっとも落ち着かなかった。
こういうのは好きかな、嫌いじゃないかなと、いつだって、いつだって考えながら、鏡の前、立っていた。
立香の唇が、わななく。
「あの、ね、」
「うん」
ハベトロットはゆっくり言葉を待った。後ろで見守っていた、ミス・クレーンとマシュが、そっと両手を握りしめる。
「その、…あの、人に、似合う、ドレスを」
「うんっ」
蜜柑色の髪を弄りながら、忙しなく視線を動かしながら、それでも、必死で言葉を絞り出す。
「…モリアーティ、と並んでも、素敵に見える、ドレスが着たいなぁっ、て…」
パッとハベトロットが笑顔になった。
「まっかせてよ!最高に素敵で最高にお似合いなドレス、作ってみせるから!」
ドン!と胸を叩いた花嫁の味方に、立香は真っ赤な顔で、嬉しそうに頷く。
「…お願いします…っ!」
ワガママを言ってはいけないと思ってた。
でも、あの綺麗な人の横に立っても、お似合いだねって言われる自分になりたいと。
そっと、ずっと、思ってた。
青い翅が、一際高く舞い上がった。
ひらり、ひら、ひら。鱗粉を撒き散らしながら、抜けるような仮初の青空を飛んでいく。
いつの間にか、天から降り注ぐように、天賦の才と努力の結実のユニゾンが聞こえてきた。時折パッと浮かび上がる焔の華は、錬金術師か古の魔女、もしくは爆弾魔の作だろう。朝から大忙しだったキッチン組の料理は、今年も素晴らしいものに違いない。
会場では、皆楽しく過ごしているのだろうか。
過ごしているといい、と思う。みんなみんな、苦しい中、それでもこんな風に楽しめる心のゆとりを持てる、強い人達。そして、偉大なサーヴァント達。
立香は、そんな彼らに守られながら、引っ張られながら、どうにか此処までやってきたのだから。
――風が吹いた。木の葉がくるりと舞う。ゆっくりと蝶が下降し、黒手袋に包まれた指先に止まった。
ドキリ、心臓が跳ねる。
木々の合間、ぽかりと開けた中に。
――探し求めていた人が佇んでいた。
深く透明な水底のような眼差しが、じっと立香を見つめている。
小さく深呼吸。目を瞑り、開いて。
そろりと足を踏み出した。
さくり、さくり。遠くの旋律の合間から聞こえる、己の足が草を踏む音。
あと数歩の所で立ち止まり、きゅ、と唇を噛み締めた。なんて、言おう。何を、言おう。
逡巡する立香の心よりも早く、灰銀の髭に隠された口元が、ゆっくりと動く。
「…全く。女性の成長は早いというが、こうも毎回、身をもって知ることになるとはネ」
男は、ジェームス・モリアーティは立香を一心に見つめながら静かに、熱を込めて言葉を紡ぎだした。
「こんな思いをするなら、ココまでの道案内なんてまだるっこしい事は頼まず、自ら迎えに行くべきだったねェ。…いやはや、いやはや」
先に見られてしまうなんて、マシュ嬢といえど、何とも惜しい事をした。
楽しげに悔しげに話しながら、モリアーティはスイ、と一歩踏み出す。
「さて、」
二歩、三歩。
「毎回聞くのだが、今回も飽きずに聞いていただきたい。何せ今、己の目の前に舞い降りたのは、此の世で最も麗しき蝶だ。底闇を徘徊する蜘蛛如きでは、気後れしても仕方あるまいよ」
四歩、五歩。
「しっかし、君も大概物好きだねェ。こーんな老いぼれを毎っ回毎回付き合わせるなんて」
そして、目の前で停止。
「―――まァ?今更なにを言った所で?絡めた糸は解かれるどころか、さらに雁字搦めに絡みつくんだだけどネー」
吊り目が綺麗な弧を描き、パチリと見事なウインクをした。
「では……愛しき我が善性よ、麗しのマスターよ。この悪逆非道かつ胡散臭いアラフィフのエスコートを、今回も受けてくれるかナ?」
差し出されたしなやかな指先を見つめ、理知と悪意と愛情が等しく混在する瞳を見つめ。
目の前の蜘蛛の為だけに装った可憐な蝶は、面映ゆくも零れるような笑顔で頷いた。
「―――はいっ!」
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折りよくワルツの旋律が響いてきたので、そのまま踊り出しながら、モリアーティが「そういえば」と切り出した。
「今回はどうしてこんな会場から外れた所で待ち合わせようと言い出したのかネ?」
新宿の一件以降、何度か踊る機会もあったため、そろそろ危なげなく踏めるようになってきたステップを踏みながら、立香があー…と要領の得ない唸りをあげる。
「何故か、このドレスの仮縫いの時にミス・クレーンやマシュが…」
「うは!?素晴らしい、素晴らしい出来映えですっ!こんなに完璧な仕上がりになるなんて…」
「はいっ!これならモリアーティさんもイチコロだと思いますっ! いえっ、その、既に先輩にはメロメロだと思うのですが!更にイチコロかとっ!」
「ですよねえ!……はっ!しかしここまで完璧だと、肝心のモリアーティさんに見せる前にわやくちゃにされてしまうかも…?!」
「その可能性はありますね…特に清姫さんとか、静謐さんとか、頼光さんとか……」
「それは、いけませんね…っ!」
「今回はメイクまでこちらでバッチリ、ホームズさん始め男性陣を遠ざけ作戦で挑むというのに、締めの段階でおしゃかにしては、ええ、ええ、到底許せませんともっ!」
「仰る通りですミス・クレーン!」
「ということで、誰にも見付からない所で最初にお披露目してから合流して欲しいって…」
「あー…でもそれなら、やはり私が迎えに行けば良かったのでは?」
「シチュエーション的に、森の奥深くで、その、恋人同士が出逢うっていうのがイイとか何とかって…」
「あー……ナルホド」
「それと、覗き見はしないから、えぇと、後ほど結果を事細かに伝えて欲しいって……」
「ソレ刑部嬢も噛んでるヤツだね」
渋い顔で呻くモリアーティに、立香は苦笑いをうかべることしかできなかった。
萌えとは、いついかなる時でも人の、サーヴァントの原動力となりうるのだ。