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    きふゆ

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    きふゆ

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    以前出した新茶ぐだ♀本のその後の話。
    なんやかんやで付き合っている。元別のカルデアモリアーティとそのカルデアの夢を見ていた立香というのだけ頭に入れて貰えたら分かると思います。

    #新茶ぐだ♀

    『さよなら My Ladyその後』カルデアのどこにいても香るチョコレートの匂いに霹靂する時期……バレンタインだ。毎年恒例なので大量のチョコレートを作ることにも、そのお返しとして様々な(本当に様々な)プレゼントがお返しに貰えることにも慣れてしまった。マイルームの一角のスペーズに皆に配るチョコレートは山積みになって準備済みだ。……皆とは別に用意した特別なチョコレートも用意している。一番最初に渡そうとそれだけ持ってカルデア内を歩いている。
    前回は作って自分が食べるように作ったチョコレートをモリアーティに渡す形になった。
    溶かして固めただけの簡素なチョコレートだったので今年は気合いを込めて作ったのだ。
    (緊張する……!)
    立香のカルデアに召喚されたモリアーティは少々特殊だ。立香が夢で見て過ごしたこともあるカルデアにいた記憶も所持している……らしい。立香自身モリアーティに確かめたことはないが、モリアーティがカルデアに召喚された時から……告白され付き合っている。一緒に召喚を見守っていたマシュが驚いてひと悶着あったのが良い思い出だ。
    (あ、いた)
    目的の人物はあっさりと見つけた。モリアーティとホームズが廊下で一緒にいた。
    (関わりたくない……)
    けれどここでこの二人から離れて騒ぎを起こされると、それを解決するのはマスターである立香の役目だ。
    「モリアーティ」
    どちらに声をかければいいか、賢い立香は探していたモリアーティの方に声をかけることにした。向かい合っていたモリアーティとホームズは同時に立香の方を見た。ホームズが涼しい顔で立香に片手を上げて、モリアーティの方は立香の方を見て眉をよせて難しい顔をしていた顔が一瞬で嬉しそうな表情に変わって手を振っている。
    (ホームズがモリアーティに変に絡んでたやつかな)
    二人に対して手を振りながら立香は内心でそう結論づけた。モリアーティの背後にいるホームズをチラリと見る。
    モリアーティにチョコレートを渡したいがホームズがいるのは恥ずかしいし、ホームズがモリアーティに変なことを言って面倒なことになるのは避けたい。
    (お願い今はここから立ち去って……!)
    そんな祈りを込めてホームズを見れば立香の意図を察してくれたようだ。モリアーティの背後でやれやれと肩をすくめているホームズ。そして何も言うこともなく背を向けて離れていく。モリアーティがホームズを一瞬見たが、何か言う前に立香はもう一度モリアーティと呼んだ。
    「あの渡したい物があるんだけど」
    一言前置きをしてからラッピングしたチョコレート入りの箱をモリアーティの前に出す。それを見たモリアーティがあぁと理解した風に声を出す。
    「……今回はちゃんと渡したくて作ったやつだから」
    今回はあの時作った簡単に溶かし固めて作ったチョコレートではなくて生チョコだ。
    「貴方に渡したくて作ったから……受け取ってほしい、です」
    万が一にも受け取って貰えなかったらどうしようと不安に思いながら
    立香はモリアーティを見上げる。
    「……ありがとう大切に食べるとするよ」
    モリアーティがチョコレートを受け取ったので立香はほっと安堵の息をはいた。そんな立香を見てモリアーティは苦笑する。
    「受け取らないと思っていたのかね?」
    「……受け取って貰えると思ってたけど、受け取って貰えるまで不安になって」
    「なるほど……だが君から貰えるなら私が受け取らないわけないだろう」
    「……そっか」
    きっぱりとモリアーティが言うので立香はどう答えたらいいか分からなくてとりあえず相打ちを打つことにした。

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    きふゆ

    DONE以前出した新茶ぐだ♀本のその後の話。
    なんやかんやで付き合っている。元別のカルデアモリアーティとそのカルデアの夢を見ていた立香というのだけ頭に入れて貰えたら分かると思います。
    『さよなら My Ladyその後』カルデアのどこにいても香るチョコレートの匂いに霹靂する時期……バレンタインだ。毎年恒例なので大量のチョコレートを作ることにも、そのお返しとして様々な(本当に様々な)プレゼントがお返しに貰えることにも慣れてしまった。マイルームの一角のスペーズに皆に配るチョコレートは山積みになって準備済みだ。……皆とは別に用意した特別なチョコレートも用意している。一番最初に渡そうとそれだけ持ってカルデア内を歩いている。
    前回は作って自分が食べるように作ったチョコレートをモリアーティに渡す形になった。
    溶かして固めただけの簡素なチョコレートだったので今年は気合いを込めて作ったのだ。
    (緊張する……!)
    立香のカルデアに召喚されたモリアーティは少々特殊だ。立香が夢で見て過ごしたこともあるカルデアにいた記憶も所持している……らしい。立香自身モリアーティに確かめたことはないが、モリアーティがカルデアに召喚された時から……告白され付き合っている。一緒に召喚を見守っていたマシュが驚いてひと悶着あったのが良い思い出だ。
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    ねこの

    PROGRESSキーボードが来るまでストップノウム・カルデアは閉鎖された空間だ。外気は通らず、日光など取り入れられる道理も無い。施設内に疑似日光を再現できる部屋は有るが、あくまで疑似だ。シミュレーターなんかもそうだが、どれだけ限り無く本物に近くとも欺瞞に過ぎない。
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     レイシフトに手を上げたのもそういう理由だ。今回は多少の揺らぎが観測された土地の調査とあって緊張感が薄い。ベースキャンプを作り、ここを拠点に数日間の探索を行う。野営には慣れているのか、随分と手際が良かった。
     頭上には晴れ晴れとした晴天が広がっている。放牧地なのか草が青々と生い茂り、寝転べば心地良さそうだ。敵性生物の気配 9055