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    Hiduki_kmk

    @Hiduki_kmk

    うたわれとかオリジナルとからくがきぽいぽいします

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    Hiduki_kmk

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    捏造過多なガーデンバース ウィスマナです。
    世界観の説明とか漫画で詰め込める気がしなかったけどなんかしらで吐き出したくて…🥺

    学園直属の警備部隊のほかに術師部隊を捏造したり捏造し放題です。なんでも許せる方のみお進みください・・・。

    #やまみつ
    #ウィスマナ
    #ガーデンバース
    gardenBerth

    ガーデンバース ウィスマナ白い雪。
    暗い雲。
    太陽は常に陰っており、肌寒さが付き纏う。

    草花が育ちにくく、凍えたこの大地ではきっと人の心さえも凍てついてしまってきているのだろう。

    ああ、なんて冷たい世界なのか。
    決めつけられる行き先にも、陰りがちなこの空にも嫌気がさす。

    それでもきっとこの冷えた世界は何も変わらないし変えられないのだろうと諦めていた。

    温かな花のような君が来るまでは


    ――――――

    常に生きとし生けるものを雪で覆ってしまう中央学園都市オネキスでは学園があらゆることを定め、人々を守っている。
    害獣による被害からは学園直下の警備組織が人々を守り、都市内の統治は学園をすべる総長一族が行う。人々は学園の庇護を受けながら生き、また何か事が起こった際には学園に協力してきた。しかし、今この地の人々からの協力を得ても難しい問題が起きている。
     
     この世界には花生みが産まれなくなっていた。

     花生みとは特殊体質の1つである。
     この世界には精霊たちの力を借りて術を行使する特技を持つ術師などとはまた違った花体質と呼ばれる特殊体質をもつ人間がいる。花体質には2種類あり、1つが花生みと呼ばれる体から花を咲かせる者たちだ。毛先や皮膚の上に咲かせるものや、体内で生成して口から吐き出すものなど花の生み方は個人によって様々である。もう1つが花生みが生んだ花を食す花食み。普通の人間の食事も可能だが、花生みの生んだ花が花食みにとっては1番の栄養素であり、性格や精神的に不安定な者が多くみられる花食みにとっての安定剤にもなる。花食みは何らかの能力的に秀でたものが多いこともあり、この国の学園を統べる一族は花食み体質の者がほとんどであった。
     花食みは花生みが居なくても生きていけないわけではないが、精神の安定はもちろんのこと、花生みの花は花食みの能力向上や維持をも助けるため番る花生みがいるのであれば望ましい。また、花体質は解明しきれていない部分も多く、現総長の長子であるレイスが悩まされている病も花体質故なのではないかと考える者もいた為花生みの確保は学園存続に関わる問題にまでなってきていた。

    「しかし・・・この太陽もまともに見える時が少ないニーゼは花生みにとってより過酷なのかもしれない」

    花生みの中には日光を自らの栄養素に変換できる者もいる――花体質についての古書に載るその一文に目を止める。植物のように日光浴を好み、栄養素とする体質の人々なら、植物育ちにくいこの国から消えてしまうのも仕方ないのかもしれない。学園都市の薄暗い蔵書庫で本に囲まれていた青年・ウィストはため息と共に呟いた。
     総長子息で兄のレイスの体調は最近さらに芳しくないという。あらゆる医術を駆使してもその原因を究明できずにおり、彼が花食みでもあることから花生みの花を食べればもしかしたらこの謎の病も良化するのではないかと学園都市の者たちは希望を抱いている。それゆえに花生みの捜索は急務。しかし、何処を探してもここ十数年で花生みを見つけられることはなかった。このままでは兄は死に、自分が時期総長と担ぎ上げられてしまうのだろうか。ウィストは正直総長などという地位に興味はない。それよりも農植物の研究を進めて少しでも民や自分達の食糧とできるものを増やして、少しばかりは学園都市の支えになれればそれで良かった。それに総長になるのであれば自分より優秀な兄の方が向いていると思うのだ。総長の地位継承は兄と弟の自分とどちらが相応しいかなどと他の一族の者たちが口煩いことはあるが、ウィスト自身は兄のことが嫌いではない。出来るならば以前のように元気になって欲しいとも思うのだ。
     この息苦しい自分の周囲の環境に鬱屈とするだけで兄の不幸を願ったことなどないというのに、今日も自分の意思とは関係なくこの城の中は雑音だらけだった。蔵書庫のこの静けさにホッとする。それだというのに、またもや外から騒がしい音が近づいてきた。ああ、今日も煩わしい風がまた近づいてくる。

    「ウィスト様!此方にいらっしゃいましたか!」
    「今度はなんだ?術師部隊のものか…珍しいな」
    「早く!此方に来て下さい!ついに成功したんです!」

    学園直属の証である紋章をローブの背に印した術師達が興奮した様子でウィストを書庫から追い立てる。困惑しながらも城の奥へ奥へと連れられる。ようやく案内されたその薄暗い部屋は、随所に下げられたランタンと床から煌々と光を放っている陣からなんとも怪しい雰囲気に包まれていた。石造りの壁や階段は所々欠けており、年季を感じさせるのも一因かもしれない。既に陣を囲うようにしていた多数の術師たちをかきわけるようにして導かれる。ざわざわとした声の中から「とにかくウィスト様に!」「いや、ここは少しでもや早く弱られているレイス様へ!」という声が聞こえてくる。

    「だから一体何が・・・」
    「花生みですよ!」
    「花生みの召喚に成功したんです!!」

    人垣が開け、陣の中央に横たわる人を指して案内してきた術師の男は一際大きな声でその答えを示した。
    この地から消えたのならば他の土地、他の世界から花生みを呼べば良いのだと、その召喚術についに成功したのだと大勢の術師たちが歓喜している。

    「花の香りがする、きっとこれは花生みなのだ!」
    「これでこの国は救われる!」

    彼らに召喚されたらしい、花生みと思しき人物は相変わらず横たわったままだ。暖かな柑子色の髪に隠されて顔はよく見えないが、明らかにニーゼとは文化が異なる装飾の袖の無い服を着ている。花生みかどうかはともかく、その身なりからしてここの地域のものではないことは一目瞭然であった。
     ウィストはあまりに突然のことに驚き、ただその瞳を揺らしていた。
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    小月 輝

    DONEガーデンバース忘羨のタグで花の日のお祭りに参加した時のお話
    花を編む起きた時に感じるのは満たされた幸福感だった。
    ぬるま湯に浸るような心地よい寝床で目を覚まして、一番に目に入るのが美しい夫の寝顔である事にも慣れてしまう程の時間が過ぎた。ゆっくりと藍忘機に体重をかけないように起き上がり、くわりと大きく欠伸をする。半蔀から差し込む光はまだぼやけていて、明朝というにも早い時間に魏無羨が毎日起きているだなんて、この世でただ一人を除いて誰も信じないだろう。藍家の家規で定められている卯の刻起床よりも早い、まだ草木も鳥も寝静まっている時間だ。もちろん時間に正確な魏無羨の美人な夫もまだ寝ている。
    毎晩あんなに激しく魏無羨を苛んでいるとは思えない静謐な寝顔に、思わず頬が緩むのをおっといけないと押さえて、だらしなく寝崩した衣を更に肌蹴る。魏無羨は美しい夫の顔を何刻でも見ていられたが、今はそれよりもすべき事があるのだ。腕や胸、内腿まで、体のあちこちに咲いている花を摘んでいく。紅梅、蝋梅、山茶花、寒椿に芍薬、色とりどりに咲き乱れる花々は魏無羨が花生みである証であると同時に、昨晩藍忘機にたっぷりと水やりをされた証でもある。栄養過多になると、魏無羨の体は花を咲かせる事で消費するのだ。だから、毎朝、一つずつ丁寧に摘んでいく。
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