猫少女とつまらない世界の少年 子どものうちはまだ良かった。自分のしたいことをして、怒られたら……兄弟と一緒に頭を下げて、また忘れてちょっと冒険をして。やりたいことをやって、やりたくないことはしない。当たり前のことだ。
なのに大人になるとどうやらやってはいけない、したくない事の方が増えていくらしい。
息が詰まりそうな話だ。
「あー……」
寝転がって空を眺めて、思わず空気が抜けるような声を出す。
暇だ。より正確には暇では無いけれど、それをしたい気分では無かった。
フロイドはゆっくりと起き上がって、足下で部活に精を出す生徒達を見つめ、ふらりと歩き出した。塀の細い足場から階段の手すりに向かって飛び、一回転して床にしゃがみ込む。階段を下りて非常階段からそのまま外へ。
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