ピクニックとモンスター「なあ、あのモンスター手に入った?」
「ああ、あれ?」
――あ
耳に飛び込んできた声に、アズールは思わず視線をさまよわせた。
放課後の廊下で、知っているような、知らないような声が盛んにゲームの攻略について会話をしているようだ。立ち止まって振り返ってみるが、固まって歩いている子供達の中、誰がその話をしているかは分からなかった。
そもそも、声をかけたところでアズールとまともに会話などしてくれるか。
「……」
そこまで思い至り、アズールは前を向いて歩き出した。
家に帰り、アズールはいつものように帰ってすぐの宿題と勉強をして、母が用意していった夕食を温めて食べ、一人でシャワーを浴びて部屋に戻った。
静かな家の中を歩き、自分の部屋に戻ってアズールはゲーム機に手を伸ばした。
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