僕達の小さな魔女 潮風が爽やかなその街は賑やかで、多くの人と物が行き交う交易の街だった。
港に下ろされる多くの積み荷が運び込まれて市場に運び込まれていき、そのままあちこちの店で売られていく。
活気に満ちているその街の、少しばかり静かな裏通りに入った男は、辺りに目をやり本当にここか? と首をかしげた。
「合ってる合ってる」
「あと少しですよ」
「うわっ!」
声が後ろからして、エースは飛び上がって悲鳴を上げた。
「び、びっくりしたー!? いつの間に後ろに?」
さっきまで誰もいなかったはずの場所に立つ、背の高い双子を見上げてエースはたじろいだ。二人はえー? とニヤニヤ笑って
「内緒ですよ」
「そうそう。ほら、さっさと店に行こうー?」
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