Please, Please forever. アシュラマンが結婚する。
良い家柄のお嬢さんと、盛大な式を挙げるそうだ。本日正午、王家からそうお触れがあった。
当然ながら魔界中はその話で持ち切りだ。特に本人の職場である悪魔超人軍では上に下にの大騒ぎ。晴れの日に出す文書や贈り物の取り計らい、そもそも結婚後の業務についてなど話題が尽きる事はない。
そんな騒ぎの中、サンシャインは喧騒の届く事がない果ての果てにいた。風景を形成するのは岩と土、それから少しの草木だけ。飛ぶ鳥すらまばらなその場所で、ぼんやりと空を眺める。
今日はよく晴れていた。雲一つなく、気持ちのいい空だ。穏やかながらも程よい強さの風が吹いていて、過ごしやすさも抜群。めでたい話が出てくるのに相応しい、実に良い昼下がりである。
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