誰のミートパイが一番おいしいか決めよう世界の狭間。
または緞帳が下りた有るとも無いともいえる場所。
ローブ姿の青年達が修道院にあるような長い机を囲んで談笑しておりました。
「おや見かけない子がいるね?」
十字柄のモノクロのローブを身につけた男が声をあげ、
「そう貴方だ。白い私」
続いて一様に顔を隠しているローブ姿の青年達の中でも最初に声をあげた男によく似た、十字にワイン色のローブ姿の男が声をあげました。
「私……私?」
声をかけられてもまだ微睡んでいるかのように白い私は床に座ったまま、ゆっくりと歩み寄るふたりを目隠し越しにぼんやり見ています。
「なり損ないの蛹の私」
「彷徨う子羊の私」
「「貴方は何者だ?」」
目前でふたりが立ち止まったところでやっと白い私が夢から覚めたようにハッと顔をあげると顔の横で真っ白な三つ編みが揺れました。
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