人魚姫の手[リバミファ] もう一人と手を繋がなければ出られない奇っ怪な祠に閉じ込められた僕とミファーは比較的スムーズに手を取り合うも、祠の主から「それは握手です」と突っぱねられてしまった。
「握手以外でどう手を繋げば良いっていうんだよここの祠の主…」
リト族とゾーラ族では手の大きさが違う。普通に握手する以外にどうすればいいのかと、頭を抱える。
「ねぇ、ダンスのエスコートみたいな握り方は出来ないかな?」
僕がミファーに手を差し出し、彼女がその手に触れれば良い。
王宮でやるようなダンスなんぞやった事はないが、これならさっきの握手より無駄なくスマートだ。
「なるほど…良いアイディアだ、ミファー。早速試してみよう」
そうしてミファーの前に素早く右手を差し出す。「……」
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