「猫の日?」
きょとんとしたフィガロに、俺は答えた。
「はい。2がたくさんで、にゃんにゃんにゃん、みたい、な……」
言いながら、我ながら猫のこととなるとすぐはしゃいでしまうことや、猫の鳴き真似をしているようなものだという自覚が出てきて、少し照れてしまう。
「ふふ。かわいく鳴いちゃって、賢者様が猫みたい」
フィガロがからかうように目を細めてくるから、対抗して返す。
「フィガロも猫みたいですよ」
「そう思ってくれるんだ。どの辺りが?」
自分の気分でないときは近くに来てくれないところ、構いすぎると逃げてしまいそうなところ、けれど離れたところからは見てくれているところ、そうして、こちらが落ち込んでいると寄ってきてくれるところ……なんて言うのは少し踏み込みすぎな気もして、俺は曖昧に微笑んだ。
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