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    みかんづめ

    @spyk3899

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    みかんづめ

    DONE2025/03/07
    バトル合宿報酬・ウィズダム会話文を見て脳を焼かれた結果出力されたもの
    色気と食い気と欲望と「やあ、食欲旺盛なノアじゃないか。いらっしゃい」
    「食いしん坊のノアさん、いらっしゃ~い」
    「二人とも、それ嫌味ですか?褒め言葉ですか?」
    「よく食べるのだから褒め言葉なのだろう」
    宗雲さんの一言に浄さんと颯さんから一斉に違うよ、という言葉と共に溜息が吐かれた。
    「いや、結局勝負には勝ったんだけどさ?なんか釈然としないっていうか。鹿に負けたのか~、って思うと……」
    「言っておきますけど、僕だって申し訳ないなとは思ったんです。なので今回、お二人の指名をしたいと常日頃から仰っている人たちに協力を仰ごうと思ったのですが」
    「おっ」
    浄さんと颯さんの瞳に輝きが戻る。そんなに鹿のローストに負けたのが悔しかったのだろうか。いやでも、可愛らしい雰囲気を持つ人と色気たっぷりの人と美味しそうな料理が並べられていたら、誰しも料理に飛びつくだろう。しかも今回はお肉、その上ジビエである。食いつかずにはいられない。………まあ、こんな事を口にしたらそれこそ総スカンをくらうだろうし、「本当にお前は御曹司なのか……?」という無言の視線を宗雲さんから受けるだろう。というわけで、大人の僕はぐっと口を噤み、代わりに二人を指名したいひとたちの名を言った。
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    みかんづめ

    DONE2025/03/07
    出すのをすっかり忘れていた蛇年なお話を手直ししたもの。
    皇紀さんの下半身が蛇です。お好きな方はどうぞ。
    蛇に婿入り今となってはもう、あれが夢だったのか現実だったのか思い出せないけれど――――――
    僕の記憶には、「大きな蛇を逃がしてあげた」というものがある。

    僕が五歳くらいの時の話だ。珍しく僕は母に手を引かれて、動物園に遊びに来ていた。大きな象やカバ、勇猛なライオンや背の高いキリン、ふれあいコーナーのモルモットやうさぎ。どの動物も可愛くて、格好良くて、僕はすっかり彼ら彼女らの虜になっていた。けれど、一番うれしかったのは―――――普段、忙しくてあまり構ってくれない母が、僕のために時間を割いてくれたことだった。それは幼い僕が、常日頃から抱いていた寂しさの穴をそっと塞いでくれるような一日だった。
    さて、何があったかは忘れてしまったが―――――そんな母が、数分だけ僕の隣から離れる時間があった。仕事の電話が入ってしまったのかなんなのかはわからないが、ずっとそばにいてくれるはずだった人が少しでも離れて行ったのが悲しくて、寂しくて。僕はやり切れない気持ちになって、じわりと瞳に涙が滲んだ。
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    みかんづめ

    DONE2024/6/16 某所より再掲
    恐らく一番最初に書いたノア皇。今考えると若干解釈違いな所はありますが、これもまた思い出なのでそのまま載せちゃいます。皇紀さんに舌の厚さを知られる話。
    舌品料理「こんにちはー。宗雲さんいらっしゃいますか?ちょっと渡したい資料があって……」
    夕方ごろ、まだ開店前のウィズダムに行けば目当ての人物はなく。代わりに颯さんがひらひらと手を振りながら「ノアさんだ!いらっしゃーい!」と屈託の無い笑顔で出迎えてくれた。
    「宗雲に用事?ごめんねー、もうちょっとしたら戻ると思うんだけど」
    「そうですか……では、そちらの席で待たせてもらっても?」
    「もちろん!あ、僕開店準備の続きしなきゃ。お構いできなくてごめん」
    「いえいえ、むしろ僕こそ忙しい時間に来ちゃってすみません。準備、なにか手伝うことありますか?」
    「ノアさんはお客様だもん、だいじょーぶ。それじゃっ、ゆっくりしてて!」
    文字通りはやての如く駆けていく颯さんを見送りつつ、カウンター席に座る。僕には少し高すぎるくらいのその椅子は、座ると余裕で足が浮く。ラウンジから見えるビル群と沈みゆく夕陽をぼんやりと見つめている。さすが高級ラウンジだなあ、なんて思っていたからか、はたまた別の理由か―――――僕は、近づいてきた人物に全く気付かなかった。
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