信頼とあと一匙シュミレーションルームが空いていたため、僕は皇紀さんに稽古を付けてもらっていた。
「――――――――――…………」
「どうした、このくらいでへばってちゃ、いざって時なんもできねえぞ」
上から皇紀さんの呆れたような声が聞こえたので、どうにか首だけ動かして返事をする。
「…………は………はい、師匠……げほっ、ぜえ、ぜえ、はあ………」
「…………ちっ。休憩だ。伸びてる奴にこれ以上やってもつまらねえ」
「……………すみません………」
皇紀さんは伸びてる僕の横にどっかりと座り、疲れ切ってる僕を見下ろして「ふ」と笑った。嘲笑なのか呆れなのかはわからないが、多分少しの愉悦も含まれているんだろうと思う。
―――――――――あのメモを発見してから数日。
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