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    botabota_mocchi

    @botabota_mocchi

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    botabota_mocchi

    DOODLEカプ臭にじんでる気がするけどお互い別にそんな気はない感じの自機と公の話
    遥か隣、ほうき星噂の英雄について、こと一人の人間として捉えた時、最初の印象は「感情の起伏の少ない奴だ」というものだった。ララフェル族特有の子どものような体躯を大きく使ってみせはするが、頼まれごとの処理も、調査の打ち合わせも、淡々とそつのない様子でこなす。だからこそ、彼女が目を輝かせたその瞬間を、いたく覚えているのだろう。

    「それは、どんなお話なのですか」

    古代の民の迷宮での冒険譚を求めて自分の天幕へと招き入れた時のことだった。シドに“お人好し”と称されるだけあって、オレが話をねだれば彼女はあっさりと承諾した。足を踏み入れて、本や紙の散らばる天幕内を一瞥して少し目を細めた後――ある一点でその視線を止めたのだ。
    汚れた装丁、曲がった角。いかにも年季の入った、子ども向けの絵本。オレが幼少の折に最も気に入っていた童話で、幸いそう大きな本ではないから旅の荷物によく登場したものだった。ここエオルゼアでもかなり流通しているはずだ。子ども向けの絵本を持ち込んでいることについて何か言われるのかと思ったら、その口からこぼれ出たのは内容についての質問だった。
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