憧れていたのは、私の方だから女王試験が始まり55日目。
ロザリア・デ・カタルヘナは緊張した面持ちで準備を進めていた。
今日は女王試験の2回目の定期審査を迎える。
前回の審査は僅差で自分の方が育成で上回っていた。
しかし、その後、ライバルであるアンジェリークは要領を覚えたのだろうか。みるみるうちに育成が進み、そして、多忙であるはずの女王試験の合間を縫って守護聖たちとの交流も深めている。
昨日の時点での数値は、育成も守護聖からの評価も自分は彼女に負けていることを告げていた。
だけど、そんな緊張感を持っている自分に対し、アンジェリークは平常通りというべきか。隣の部屋からは準備する気配が伝わってこない。
自分とは対照的に彼女はおそらく緊張の欠片もなく睡眠をむさぼっているのだろう。
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