運命の番は鬼だった運命の番は鬼だった…
鬼殺隊音柱・宇髄天元はアルファ性である。アルファ・ベータ・オメガの第二の性の情報が日本に伝わったのは開国してから数年後の事で、今の日本では既に常識の範囲であった。
そんな中、アルファの宇髄はまことしやかに噂されていた"運命の番"という存在に出くわしてしまった。それも戦火の中で……
「ッ、ぁっ…く、クソぉぉ…ッ何で今頃ッ…!」
上弦の陸・妓夫太郎との熾烈な戦いの最中、劣勢だった宇髄に好機が訪れた。突然妓夫太郎が自分の身体を抱き締め、悶え苦しみだしたのだ。上弦の陸は兄妹二人で一つの鬼…どちらの頸も斬らねば滅殺できない。だが、この兄・妓夫太郎の頸さえ斬れば後は簡単だ。宇髄と妹・堕姫には歴然とした力の差があるからだ。千載一遇の好機…逃すわけにはいかないと、宇髄は地べたに蹲る妓夫太郎の頸へ刃を向けた…だが、
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