Valentine Kiss2月14日の放課後、今日も謝花妓夫太郎は美術準備室へとやって来ていた。だがいつもとは違い、あまり浮かない表情を浮かべては、居心地悪そうに静かにソファーに座り込んでしまっている。
「なぁに顰めっ面してんだよ」
「別にぃ〜」
部屋の主である美術教師宇髄天元に指摘され、妓夫太郎はプイッとそっぽを向く。その向いた先に視線に捉えてしまった光景……準備室の机に置かれた山程の可愛らしいラッピングが施された贈り物…思わず、チッ…と舌打ちをし顔を顰めてしまう。
「何?妬いてくれんのか?」
そんな妓夫太郎の反応に、マグカップに飲み物を注いでいた宇髄はニヤニヤと意地の悪い笑みを浮かべた。
宇髄のその言葉に妓夫太郎は言葉を詰まらせる。
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