朝は来る。二人の元に。熱い…どこだここは…
……炎?
炎上した街?
─譜面が完成したッ!勝ちにいくぞぉぉッ!
ッ……
これは……
─読めてんだよッ!テメェの汚ぇ唄はよぉッ!
口も身体も勝手に動く…俺の意思とは関係なく…
ヤメロッ…
その手を止めろッ
ソイツから離れやがれッ…
─構うな!いけぇぇッ!
やめてくれッ
ソイツをそれ以上傷付けんじゃねぇッ
ソイツは俺にとって大事なッ…
ヤメロッ
ヤメロヤメロヤメロヤメロヤメロヤメロヤメロヤメロヤメロヤメロヤメロヤメロヤメロ
ヤメロォォォォォォォォォオオッ!!!
次の瞬間、何かが斬られる音が耳に響いた…
その音も、肌に落ちてくるヌルっとした血の感触も生々しくて…俺は吐き気を催す…
「ッあ、あぁ……ッ!」
腕の中にいた男の身体はもう力が抜けきっていた…ようやく意思どおりに動き始める俺の身体…だが、ようやく自身の身体を動かせるようになった俺は、頸の無いその身体の胸に、己の顔を埋める事しかできなかった…
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