永遠の誓いチョキチョキ・・・
耳元でハサミの音がする。
「仕上がりましたよ。」
目の前の鏡に映る、自分の髪はスッキリ整われていた。
足元には紫の髪が束になって落ちている。
「ありがとうございます。」
「このままお出かけされますか?スタイリングしておきましょうか。」
美容師さんが尋ねてくる。
「はい、とっても大切な予定があるのでとびきり綺麗にしてください。」
そう笑う浮奇は、美容師さんをも虜にさせる勢いで、幸せそうな表情をしていた。
綺麗にセットしてもらった髪で店を出ると、扉の横にもたれかかって立つ、長身の彼が目に入った。
モデルのようにスラッとした容姿で行き交う女性がチラチラと彼を見ているが、本人はスマホに夢中で全く気にしていないようだ。
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