ヤタ兄(仮)4あれから悠仁は、週末や夜寝るまでの短い間の時間、足繁く脹相の元に通うようになった。
風呂を済ませおやつとレンタルのDVDをたくさん持って脹相の元へ訪れる。明日は休みで今日はお泊まり会といった体だ。
明かりが灯るログハウスのドアをノックするとスウェット姿で髪を下ろした脹相が出迎えてくれた。
「そういうの着るんだ?」
「現代風に合わせてみた」
「キッチンとかベッドも合わせてるってこと?」
「この間まで竈だったんだ、現代風の方が便利だな」
脹相がクスリと微笑んで指差す方向には液晶のテレビがあった。先日までこの家には無かったものだ。一緒に映画を観るなら用意しておく、と約束した通り脹相は大きなベッドの前に40インチほど液晶テレビとのテレビ台がきちんとセッティングされてある。プレイヤー付きだ。
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