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    kasyaken

    TRAINING真→桐。
    きりゅ〜がテディベア。書きたいシーンや要素を入れたらこの回想シーンいるかあ?ってなってしまったけど考えないことにします。まじまはきりゅ〜が毛玉になっても速攻正体看破しそう。どさくさに紛れて同居に持ち込んでます。
    ブラッシングするまじま「桐生ちゃん」

    ソファに腰掛けた真島が足の間を軽く叩く。桐生は真島の右手がブラシを握っているのを認め、鼻に皺を寄せた。

    「朝やったばかりだよな」
    「んー?せやな」
    「そんなまめにしなくていい。そもそも必要ないと思うんだが」

    くまなんだし。そう、桐生は今、なんだかよくわからないが突然くまになってしまったのだった。くまといっても猛獣の熊ではなく、綿が詰まったふかふかのテディベアの方だった。


    ***


    自分でも信じられないのに、他人なんて尚更だ。俺はどうしたらいい…。茫然自失としていたとき、不思議がる声が桐生の大きくなった耳に届いた。

    「桐生ちゃんこっちにいると思たんやけどなあ?」

    桐生は咄嗟にその声のする方へ飛び出したが、自分の今の姿を思い出して足が止まった。真島は喧嘩好きでしつこくて、たまに面倒くさい。しかし、困った時には真っ先に頭に浮かぶ頼れる兄貴分なのだ。自分は桐生一馬だと主張しても、真島に胡散臭いモノを見る目で見られたら…そう思うと恐ろしかった。真島の前に出てきたものの、桐生は口を開けなかった。けれど、目を丸くした真島は「なんやオモロイことになっとるな?桐生ちゃん」と、いつものあの特徴的な笑い方をした。
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