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    さと

    tsuyuirium

    DONEきょうじさんの脚に青痣を見つけたさとみくんが青痣を押す話です。ほんとにそれ以上でも以下でもないです。
    押してだめなら押し続けてみるのはどうでしょうか 狂児の左膝の内側に青痣を見つけた。脚の間に抱えられて、暇つぶしに見ていたはずのテレビでは想定外に暇がつぶせず、うとうとしかけていたところで見つけた。寝苦しい夏の間は部屋着としてハーフ丈のさらさら素材のパンツを着用しているため、膝から下が露わになる。無防備に放り出された脚。刺青や普段からの活動時間のこともあってか、隠されていることが多い狂児の脚はひょっとすると僕のものよりも生白い。立てていた膝をさりげなく伸ばして、狂児がやっているのと同じように真正面に放り出して並べてみる。比べやすいように横に沿わせてみれば、そうすれば若干、狂児のほうが白いのか? というほどの差だった。
     理解したところで特にカタルシスなどはない。きっと明日には忘れているであろう意味のない発見だ。ふくらはぎの側面、狂児の側に触れているほうがひんやりとしてこちらの熱を奪う。風呂上がりで冷房環境もお世辞にも十分ではないはずの中、自分よりも涼しげに見えるのはどうしてだろう。脚の間に挟まれて、開かれた狂児の胸に全面的に背中を預けている。通常よりも密着した姿勢でも、狂児から伝わってくるのは穏やかで一定の脈拍だけだった。
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    zeppei27

    DONEなんとなく続いている主福で、単品でも読めます。仕事人間の隠し刀を心配したサトウが、権蔵も交えて競馬を観に行くお話です。馬は良い……諭吉は最後に出てきます。

    >前作:『君は可愛い』
    https://poipiku.com/271957/10561821.html
    >まとめ
    https://formicam.ciao.jp/novel/ror.html
    有意義な休日 あらゆる時間には意味がある。目的があればそれに向かって寸暇を惜しんで努力しなければならないし、生活するためには衣食住を事足りなさせなければならない。他に大切なものができれば、そちらにあらゆるものを惜しみなく注ぐだろう。やるか、やらないかという選択肢はなく、ただやることだけが永遠に続いてゆく。公私の境目などあったものではない。全てが公であり私だった。道具として育てられてきた隠し刀にとって、この『生き方』はごく当たり前のものだが、どうやら世間では少しばかり勝手が違うらしい。
     じりり、じりり、と両腕に力をこめながら薬研を均等に動かす。前へ、後ろへ。無心にこなせる作業なので、慎重を要するとはいえ思考を他に使える点で好ましい。じー、じっ、ざりりという音が長屋に充満するのも時間を刻むようで耳心地が良い。一個できた分を油紙に包んで軽く捻る。材料を補充し、薬研に手をかけたところで道具よりも先にしゃがれ声が割入った。縁側で猫と遊んでいる権蔵だろう。
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