Recent Search
    Sign in to register your favorite tags
    Sign Up, Sign In

    さはな

    g_negigi

    PROGRESSいつ完成するかわからないのでポイピクに投げておく。
    五が伏姉弟の面倒を見始めた直後と想定しています。あまり甘さはなく、五+歌くらいな感じになる予定。五が教師になることを歌に伝える話。若い二人がお互いの未来の話をする。
    未来の話ひそひそ。ひそひそ。
    自分の周りで小声で交わされる会話が嫌でも耳に入る。

     ——ご覧になりましたか、あの顔の傷。
     ——京都校の女術師ですか、嫁入り前でしょうにな。
     ——女の分際で、いっぱしに呪術師を名乗るからああなるんですよ、どうせ大した術式でもないのに。

    ああ、もううんざりだ。歌姫はそう思っていたが、本心は悟られないように人前では笑顔を崩さないよう努める。こんなところで悶着を起こすわけにはいかない。今日は関係者のほとんどが、呪術高専東京校に集う日なのだ。
     呪術高専では、毎年新年度の授業開始前に呪術教育に関わる諸関係者の会合がある。教員、補助監督だけでなく、上層部の人員も東京校に集合し、新年度にあたっての情報共有を行うのだ。普段は京都校で教鞭を取っている歌姫も、母校である東京校に馳せ参じていた。そして、一年ぶりに歌姫と顔を合わせた者のほとんどが、ぎょっと驚いた態度を隠せずにいるのをうんざりしながら笑顔で受け流していた。
    1871

    KNever2tyo

    MAIKINGビスケットの妖精と白狼
    🧚ガララギや🐺ジャクがが出てくるお話。おおむね気分転換に書いたやつ。
    ジャラっぽさはないけど、ジャラと言い張る何かです。
    ビスケットの妖精と白狼

     最近、狼をよく見る。
     獣の王と形容したくなるほど大きな身体をした白い狼で、尻尾と耳の先だけが黒い。
     その狼には不思議な風格があった。群れることを良しとせず、いつも一匹でいる癖にか弱い草食獣や幼い子どもの動物を襲うことはなかったし、森を害そうとする人間に立ち向かうことすらあった。
     事実、森に住む動物たちは彼を『王』と定めたらしく、やんちゃなキツネもイタズラ好きなウサギも狼を目にすると、たちまち頭を垂れて大人しくなるのだ。
     その上、彼はひどく利口な性質らしく、森を無闇矢鱈と荒らしたり、ラギーたち妖精が住む集落を襲ったりもしなかった。
     することと言えば、満月を思わせる冷たい金色の瞳で妖精の集落を見つめること、それから、ラギーが仲間と離れてひとり森を歩いているとどこからともなく現れて見守ること。それぐらいだ。
     仲間の妖精たちは『何を考えているかわからない』『どうせ本性は残酷なのよ』と悪しざまに語っていたが、ラギーはそうは思わなかった。

     というのも、狼はラギーを助けてくれたことがあったのだ。

     陽気の良い春のある日、仲間と離れてひとり森でベリーを摘ん 6976