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    たすけ

    cross_bluesky

    PROGRESSええっ、この状態からでもラブコメになる保険があるんですか?!っていう8月新刊の冒頭です。
    ラブコメの才能がない。たすけてほしい。
    8月新刊冒頭「俺とあいつが? ないない。いや、本当、全然そういうのじゃないって」
     そんな言葉を笑いながら言ったのも、もう何度目になるだろうか。なんとか納得して去っていった後ろ姿を見送って、ネロは大きく息を吐いた。

     ブラッドリーとネロは、かつて死の盗賊団のトップとナンバーツーとして、北の国で過ごしていた。猛吹雪の中くたばりかけていたネロをブラッドリーが拾って、頭領と部下の時代を経て、果ては相棒に。
     その頃から、度々こういうことはあった。有り体に言うと勘違いする人が居るのだ。ブラッドリーとネロの関係を、文字通り相棒ではなく、もっと懇ろな其れに。
     四百年近くも一緒にいたせいか、他人よりも気安い関係だという自覚はある。百歩譲って盗賊団に居た頃ならまあわかるのだ。そうでなくともあのブラッドリーが相棒と呼ぶ存在が居るらしい、と好奇の目に晒されてきたのだから。面と向かって「ブラッドリーのダッチワイフか?」と聞かれた時には流石に反射で相手を半殺しにして当のブラッドリーに止められたりもしたが。
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