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    とく

    調@大人向け他

    DONEお題「春遠からじ」と「赤い糸」で、不二くん受けウェブオンリー様の企画その2、WEBアンソロジーに参加させていただきます。お運びくださった皆さまには申し上げるまでもなく塚不二でおおくりいたします。
    『たとえば今…』八周年の今日にも寄せて。まさに原作と讃えられた歌のごとく、永遠に離れないふたりでいてください。おめでとうございます&ありがとうございます…!
    春遠からじ、赤い糸 赤い糸というものが、手塚にはいまいち分からない。いや、意味としては分かるのだが、つまりは合縁奇縁であり、自分の意志より運命で伴侶が決まるというのはどうにも腑に落ちない。
    「そうかなあ」
     遅咲きの梅の写真を一枚撮って、ほんのりと笑って不二が首をかしげる。
    「たぶんさ、運命ってひとつじゃなくて、たとえば今日、キミはボクに梅が咲いたって教えてくれて、だけどボクじゃない可能性も」
    「ないが」
     なにやらおかしなことを言い出したものだから、思わず食いつき止めてしまった。言葉が強かったかもしれない。反省をしている手塚に不二はまばたいて、くすくすと花より小さくまぶしい笑みをその場にこぼした。
    「ううん、――そうだね。ふふ、ねえ、手塚。キミの赤い糸はさ、きっと。キミの手の中に今あって、キミが自分で結びに行くんだ」
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    nachi_osora

    DONE素敵企画『K暁小説プロット交換企画』に参加させていただきました。企画してくださったサブ様(@subaccount3210)には大感謝です!
    いただきましたプロットはサブさんのものでした!
    素敵プロットはこちら
    https://x.com/subaccount3210/status/189562569526

    とんでもない夢を見てしまって頭を抱えるあきとくんお話。
    R15程度ではあるかもしれない。
    夢に堕ちて、夜の淵 ――とんでもない夢を見てしまった。

     目が覚めた瞬間がばりと跳ね上がるように起き上がると、暁人は勢いよく布団をはねのけ己の下半身を確認してしまう。――異常なし、だ。思わず顔を覆って地の底よりも深いため息をつく。それは安堵のものであり、当惑のものでもあり、自己嫌悪からのものでもある。
    「なんで、あんな夢……」
     夢に出てきたのは年の離れた相棒――KKと呼ばれる男だ。あの夏の夜に(強制的ではあったが)体を共有し、共に戦い、事件を無事に解決へと導いたのはまだ記憶に新しい。そのまま別れることを覚悟していたのに、どういうわけか彼を含め事件の関係者(般若除く)は無事に己の体を取り戻して甦った。
     あれから凛子とエドの熱心な勧誘により暁人もアジトのメンバーとして過ごしている。だが当たり前にKKと別々の体になった現状では、相棒とは言いつつも師と弟子のような関係になっていた。KKというバフがなくなった暁人は筋が良いと褒められはするもののあの夜に比べれば弱体化は否めないし、そして年上との経験値の差というものは一朝一夕で埋まるものでもない。KKという男は一人でそれだけの場数を踏んできたのだ。
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