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    ウェイ

    陽炎@ポイピク

    DONE・警官プロシュート兄貴×ウェイターペッシネアポリスの一角に佇むカフェは人々が集いそれぞれ話に華を咲かせていた。
    扉が開きドアベルが鳴り響く。その音を気にしない者の方が多かったが、店主だけがその男に訝しげな視線を向けていた。
    「ペッシというウェイターを探している」
    警官の男は店主へと真っ直ぐ歩み寄るとそう淡々と告げた。
    「ペッシ?ああ、見てくれの割には良く働いてくれる奴だよ」
    警官の男の眉尻が一瞬だけぴくりと上がる。
    店主は奥で客から注文を受けている緑髪の青年を顎で示した。
    「来い。少し聞きたい事がある」
    警官の男がウェイターの目の前に立ち帽子の影に隠れた蒼眼が鋭く光る。その物々しい雰囲気に注文していた客もオーダーを忘れ息を飲んだ程だった。
    「それってどれ位かかりますか?オレ、仕事中なんすけど」
    ウェイターの青年は怯えながらも男へ返した。
    何しろイタリアの警察が声を掛ける相手はスリの犯人が多い。疑われるというのはウェイターでなくても気分のいいものではない。
    「すぐに済む」
    男の言葉にウェイターは仕方なさそうに他の従業員を呼んでエプロンを脱ぐ。騒雑するカフェの中ですらりとした体格の警官とガタイのいいウェイターの対比は酷く目立って 1793