ハッピーエンドはまだ先…「下がるんだ、マスター！」

エミヤの焦った声が身体にビリビリ響くのは私とエミヤがぴったり背中を合わせて立っているからだ。私は頑なに首を横に振る。

「やだ」

「マスター！！」

「私もたたかうよ、エミヤ。貴方だけに任せたりしない」

微小特異点にレイシフトしたらみんなばらばらになっていた。
慌てて呼んだのがエミヤだったがパニックになっちゃいけないなと後悔した。

アーチャークラスに不利なランサークラスのエネミー。今日のパーティーにはおじいちゃんがいたのに

「エミヤ時間稼いですぐセイバー呼ぶ」

「承知した、マスター」




「お疲れ様です、先輩。…大丈夫ですか…」

レイシフトから帰還後、私達はおじいちゃんの部屋でほうじ茶を頂いていた。

ビ―ドロ 古い引き戸に手をかければ案の定鍵はかかっていない。いくら師範を務めるとは言え、ひとり暮らしは物騒だからと堅が言い聞かせても、なにも取られるものはないからと家の主は豪快に笑う。そうして相変わらず佐野の家は誰もが出入り自由なままだ。

　この家の扉が開いたままの理由はわかっていた。万次郎のためだ。

　万次郎がこの家から、この渋谷から姿を消してからもう季節は夏を迎えていた。
しばらくすればふらりと帰ってくるだろうと浅はかな淡い期待があった。けれど万次郎は浅い思いつきで行動する子どもではけしてない。きっと万次郎が帰ることはないのだろう。それでも。いつかは当たり前のように帰ってこい。 そう願うように大きな家でひとり万作は待っている。

じいちゃんず「美味しいなここのコーヒーは。」

お客はこのおじいさん一人だけ。
銀色の長い白髪が似合うその人はコーヒーを飲んでそう呟いた。
手挽きコーヒーミル （銅板ミル）で入れた物で、少々手間がかかるが深い香りが一層コーヒーの香りを強くしている。
ガタイがいいのか少しぴったりしていて、ちょっとした仕草をするたびにライダースの特有の音が店内に響いて聞こえる。


カタン

と扉と閑古鳥が鳴いたのでついその音を見ると、
茶髪のやわらかい髪が特徴のおじいさんが入ってきた。
足が悪いようで杖をつている。
椅子を引いて座ろうとしても力がうまく入らないのか後ろに下げれずもたついていたので、白髪のおじいさんが「どうぞ。」と椅子を引いて手を添えたが、杖をついたおじいさんはムッとした表情になった。

おじいちゃんおばちゃん設定雑渡じーちゃん
でかいじいちゃんで白髪の長髪。
よくいるライダースにジーンズでちょいワルオヤジのような格好をしている
が、バランスが整っている。
雑渡パパとそんなに中は悪くない。雑渡さんとは何気にメールのやりとりをしているくらいには仲がいい。雑渡のことは孫として大好き。
おばあちゃんが亡くなっており、会社引退後は一人でふらりと一人旅を楽しんでいる。
雑渡を嫉妬させるためにいさ子と仲良くする。正直いさ子みたいな子がタイプなので絡むのが嬉しい。
（実はいさ子のおばあちゃんと昔付き合っていたらしい。）内緒だが健康オタクでジム通いをしている現役じいちゃん。

いさ子のじいちゃん
孫大好きラブなじいちゃん。ヘビースモーカー。　

設定雑渡昆奈門（３６）
某会社グループの一人息子。
３５歳の時にいさ子と結婚を前提で紹介された。
２１歳差の結婚なんてバカげてると思い、いさ子に
最初は冷たくあしらっていたが、今ではすっかり両思い。
部下を守る為に顔に大きな傷が残ってる為、自分の結婚は諦めていた。
両親とは仲が悪い為、都内に引っ越しアパートを借りて生活している。
両親の金銭の援助は一切受けていない。
家事は割と得意で、来てくれるいさ子に料理などを振る舞う。
現在はいさ子にぞっこんすぎて周りによく引かれる。

善法寺いさ子（１５）
１４歳の頃に雑渡と出会う。
最初の出会いから雑渡はいい人とわかっていたため、結婚相手が雑渡だと知って
安心する。
親公認なので割りかし融通がきく。